白髪ぼかしで築く信頼関係。「普通以上の努力」が未来の顧客をつくる「Miyu’s Shibuya Flag」鈴木愛斗さん
東京・渋谷にある「Miyu's Shibuya Flag」は、トレンドスタイルから大人世代の髪悩みまで、幅広いニーズに応える実力派サロン。年代やライフスタイルに合わせた提案を大切にし、多くのお客様から支持を集めています。
そのなかで、白髪ぼかしを武器に多くの大人女性から支持を集めているのがスタイリストの鈴木愛斗さんです。前編では、周囲との比較に苦しみ、一度は美容師を離れながらも、「自分は自分」という価値観を見つけて再スタートを切るまでの歩みを伺いました。
そして、自分の強みを見つけて現場に戻った鈴木愛斗さん。なぜ白髪ぼかしに特化したのか。どうすれば「この人にずっと任せたい」と思ってもらえるのか。後編では、リピート率を高めるカウンセリングの考え方や、大人世代との向き合い方、そして美容師として描く未来について伺いました。
今回お話しを伺ったのは…
Miyu’s Shibuya Flag
スタイリスト
鈴木愛斗さん

東京都出身。国際文化理容美容専門学校高等科卒業。新卒で渋谷のサロンに入社後、人気サロン「COA」の立ち上げに参加。アシスタント時代に挫折を経験し、一時美容師を離れるも再び現場へ復帰。現在は「Miyu’s Shibuya Flag」に所属し、白髪ぼかしを得意とする美容師として活躍している。2026年5月に表参道店から渋谷店に異動。
白髪ぼかしに特化したのは、「長く担当できる美容師」になりたかったから
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――白髪ぼかしに特化しようと思った理由を教えてください
もともとは若い世代向けのスタイルも多く担当していました。ただ、全力で接客しても思ったほどリピートにつながらないことがあって。「どうすれば長く担当させてもらえるのか」を真剣に考えるようになったんです。
そのときに着目したのが、年齢を重ねるほど継続的な悩みになりやすい白髪でした。白髪ぼかしは一度で終わる施術ではなく、計画的に育てていく技術です。継続するほどデザインの完成度も上がるので、お客様との関係も自然と長くなる。自分が目指していた「長く任せてもらえる美容師」という方向性と合致していました。
――白髪ぼかしとは、どんな技術なのでしょうか
よく「白髪を消す技術」と思われますが、実際は白髪を目立ちづらく、気になりづらくする技術です。ハイライトなどを使って髪全体に細かな明るさの線を入れることで、一本一本の白髪との境界をぼかしていきます。
さらに白髪染め一辺倒ではなく、髪への負担や色の見え方も考慮しながらデザインしていくので、「隠す」だけでなく「楽しむ」方向に発想を変えられるのが大きな特徴ですね。
――技術はどのように学びましたか
最初はほぼ独学。オンライン教材を見たり、仮説を立てて実際に施術したり、失敗も含めて検証を繰り返しました。
サロン内にもさまざまな技術に特化したスタイリストがいるので、必要に応じて先輩に相談することも。ただ、白髪ぼかしについては自分で試行錯誤して積み上げてきた割合が大きいですね。
リピート率を上げる鍵は、施術後ではなくカウンセリングにある

――大人世代のお客様と向き合うときに気をつけていることは?
40〜60代のお客様は、これまでにたくさんの美容室を経験されている方が多いんです。だからこそ、「何が嫌だったか」「どんな不安を感じてきたか」を想像しながら接客するようにしています。
特別なことをするというより、説明を省かない、気遣いを欠かさない、といった当たり前を徹底する感覚に近いですね。小さな積み重ねが信頼につながる世代だと思っています。
――信頼を得るためにとくに意識していることは何ですか
初回は技術説明を最優先にしています。薬剤の特徴、頭皮や髪への配慮、なぜその工程が必要なのかを細かく伝える。逆にプライベートな雑談はほとんどしません。
施術中も「今何をしているか」が分かると安心感につながるので、できるだけ言語化するように。リタッチを塗る場面では集中したいので、あえて「少し無言で進めますね」と先に伝えることもあります。説明があるかないかで、お客様の受け取り方は大きく変わると感じています。
――リピート率を高めるための工夫を教えてください
僕は「次回来店はカウンセリングの時点で決まる」と考えています。初回のカウンセリングで「今日はここまで整える」「2回目でこう育てる」「3回目でこの状態を目指す」と中長期のプランをお客様と共有するんです。
白髪ぼかしは継続することでグラデーションや馴染みが育つ技術なので、その必要性を最初に理解していただく。すると施術中の会話でお客様のほうから「次はどうしたらいいですか」と聞いてくださることが多く、結果として次回予約にもつながりやすくなります。
「普通と同じことをしていても、普通にしかならない」

――これから美容師として目指していることを教えてください
目標は高くて、月間売上1,000万円を本気で目指しています。もちろん簡単な数字ではないですが、白髪ぼかしのように継続性のある技術を積み上げれば、既存顧客だけでも到達可能な設計は作れると考えています。
そのために今も技術を学び続けていますし、SNSの発信も改善しています。最近はカウンセリング動画を増やしていて、「どんな人が、どんな考えで施術しているのか」が伝わる発信を意識しました。
――表参道から渋谷への異動では、不安もあったそうですね
正直かなり不安でした。ターゲットとしている大人世代のお客様と渋谷のイメージが結びつかず「本当に来ていただけるのかな」と思っていました。
ただ、実際に移ってみると新規数は大きく落ちず、既存のお客様も想像以上に来てくださった。集客の方法自体は変えていなくて、移転のアナウンスを丁寧に行ったくらいです。環境が変わっても、お客様との関係性ができていれば一定数はついてきてくださるんだと実感しました。
――最後に、これから美容師を目指す人へメッセージをお願いします
「普通の人と同じことをしていて、普通以上の結果は出にくい」というのが僕の実感です。人より結果を出したいなら、人より時間を使う必要がある。成功している美容師で、何も積み上げずに成功した人はほとんど見たことがありません。
もちろん、ただ長時間働けばいいわけではないです。でも、自分の目標に対してどれだけ本気で時間を投資できるかは大きいと思います。技術でもSNSでも接客でも、「自分の武器を作るために時間を使う」。それが結果につながる一番確実な方法だと思います。
鈴木さんが高い目標を叶えるために新人時代から積み重ねていること3つ
1.人と比べるのではなく、「昨日の自分」を超え続ける
2.自分の武器を決めて、とことん磨く
3.普通以上の結果を目指すなら、普通以上に行動する
取材を通じて印象的だったのは、鈴木さんが「比較」を手放してからの変化でした。新人時代は周囲の成功に焦り、一度は美容師を離れるほど追い詰められた経験がありながら、復帰後は「自分の目標に向かって積み上げる」ことに軸足を移しています。
白髪ぼかしという継続性の高い技術を選び、カウンセリングで長期プランを共有し、信頼を積み重ねる。その姿勢は、単に集客テクニックを語るのではなく、「長く任せてもらえる美容師になるには何が必要か」という問いへの実践的な答えのように感じました。
新人時代の挫折も、現在の強みづくりにつながっている。そんなリアルな歩みが、多くの若手美容師の背中を押してくれるはずです。
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Miyu’s Shibuya Flag
住所:東京都渋谷区宇田川町33-6 渋谷フラッグビル 9F
TEL:080-7148-9696
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