キャリアデザインからキャリアプロデュースへ 自分で作る生き方とは #1

“キャリア”というと、みなさん、どんなことをイメージしますか? 一般的に職業経験とか、仕事に関する技能レベルなどを指すことが多い言葉ですが、本当は、個人が働くことを含めて社会と係わること、その人の「生き方」そのものがキャリアなのだそうです。つまり、“キャリアを積む”ということは、経験を通じて知識や技術を身につけることだけではなく、あなた自身を磨いていくことなんですね。
では、どうすれば、自分のキャリアをより良いものにできるのでしょうか?
今回は、就職志望の学生から企業の採用担当者まで、様々な場面で“キャリアプロデュース”を提案、サポートしているキャリアカウンセラーの松岡澄江さんに、その人らしいキャリアアップのヒントを伺いました。美容業界人も必読です!

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自分らしい生き方をつくる「キャリアプロデュース」

松岡さん

――松岡さんが推奨するキャリアプロデュースって何ですか?
「“キャリアプロデュース”という言葉は、私の造語なんです。一般的には“キャリアデザイン”という言葉の方がよく使われるのですが、デザインよりもっと強く、もっと意識して、自分らしい人生の時間を作って欲しい。自分が自分自身のプロデューサーとなって、理想の自分を作り上げましょう、という思いを込めているんです」

――手に職を持つこと、技能を向上することだけじゃダメ?
「もちろん、技術を上げることも大切です。でも、それは何のためでしょうか? 例えば美容師さんの場合、トップスタイリストになりたいのか、独立して店を持ちたいのか、それとも後進の指導にあたりたいのか、色々な未来があるはずですよね。まずは、数年後の自分がどうありたいかを考えてください。その未来に必要なことが、技術以外にもあるようなら、そのためのステップを踏む必要も出てきますよね」

キャリアプロデュース

――まだ、未来を決めるのは難しいです。
「キャリアデザインというのは、一度作れば終わり、ということではないんですよ。自分の意思とは関係なく環境が変わるかもしれないし、自分の夢も変わるかもしれない。節目節目で見直し、軌道修正しながら、自分がより良い方向に向かっていけばいいんです。プラスのスパイラルをつくりあげていくと、今の自分からは想像できないような未来の自分も見えてくるかもしれませんよ」

やってきたことは自分を裏切らない

松岡さん

――今の仕事は向いてないから転職したいけど、キャリアが無駄になる?
「社会人のキャリア支援をやっていていつも感じるのは、やってきたことの上にその方の強みがあるということなんです。積み上げてきた実績、知識、学校で学んだことは、決して無駄にはなりません。でも、全く違う世界にいきたいと考える方もいますよね。ただその理由が、今の仕事が向いていないというのであれば、具体的にどういう部分が苦手、もしくはできないからなのか、まず考えてみてください」

――例えば、美容師の仕事は好きだけど、どうしても接客が苦手な場合は?
「どんな仕事でも、誰ともコミュニケーションを取らずにはいられません。もし話題がないとか、おしゃべりが苦手なら、聞き役に徹する、お客様の役に立つ専門知識をお伝えするだけでもいいのでは?誰もが同じような接客をしなくてもいいですよね。また、接客以外の美容師の延長線上にあるお仕事はありませんか? 例えば、サロンで培った技術や知識を生かして、商材の開発や販売、美容学校の講師、もしかしたらカメラマンと組んで専属のスタイリストとか。視野を広げれば、いろいろな可能性が見えてくるのではないでしょうか?」

「もちろん未来のことですから夢があっていい。5年後にはこうなっているといいなぁ~とか。少し先の自分のありたい姿を考えていくと楽しくなってきませんか」

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積極的に自分の世界を広げよう!

松岡さん

――自分がやりたいことも、何が自分に向いてるのかも分からない!
「よくそういう悩みは聞きますが、割とそういう方ほど、SNSなどの情報に振り回されている気がします。ネットの情報は、その時に関心がある情報ばかりが目に入りやすく、また真実かどうかも分かりません。リアルな人との交流の方が、はるかに新しい気づきや発見が得られます。また、自分がやりたいことは自分の知っていることからしか生れないんですよ。ですから、好きかどうか、向いているかどうかは、やってみないとわからない。失敗を恐れずにチャレンジしてはいかがでしょう?」

――でも、情報を得る人脈もコネも、出会いもありません。
「自分の人生をより良いものにしたいなら、ただ与えられるのを待っていてはダメ。出会いの場がなければ、自分でつくるという方法だってあるんですよ。それこそ、ネットのSNSを駆使して呼びかけてみては? 例えば、5年目のスタイリストさん集まって勉強会しませんか、とか、専門学校の先輩、後輩たちを飲み会に誘って、彼らのサロンのことを聞いてみるとか……」

――いきなり知らない人と会うとか、ハードルが高いです。時間もないし。
「交流会みたいなものが難かしく感じるなら、オンライン上ではどうでしょう? どんなカタチでも、自分から積極的に動けば、世界はきっと広がります。そうして視野・視点を広げ、自分を知り、自分がいる世界を知ることが大切です。違う業界の方や、私のようなキャリアコンサルタントに話をきいてもらってもいいのです。まず、自分ができることから始めてみましょう」

次回#2では、就職で後悔しないためのアドバイスと、コミュニケーションスキルなどについてお送りします。

取材・撮影/橋本弥司子
文/藤原克子
タイトル写真/AJHAJHA

profile

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松岡 澄江(まつおかすみえ)さん

日本キャリア開発協会CDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)
1966年3月 東京生まれ
フリーランスで女性や教育関連分野の雑誌・書籍等の編集・執筆業務に携わった後、Web制作会社で管理職を勤めるなど、様々な「カタチ」でキャリアを築く。現在はその経験を生かし、就職・転職のご相談、自分らしさを考えるセミナー、コミュニケーション研修などを実施している。

HP:http://career-counselor.jp/matsuoka/
オフィシャルブログ:http://profile.ameba.jp/career-life/

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