ネイリストがアクティベーター使用時に気をつけること

ネイリストがお客様にネイルアートを施すとき、「アクティベーター」という液体を使用します。ネイルアートとは爪にいろいろなものを貼り付けて装飾するものですが、貼り付ける際にはネイルアート用の特殊な接着剤を使用します。そのグルーを硬化させるものがアクティベーターなのです。

しかし、ネイルサロンでこれを使用する際、お客様の爪の質によってアクティベーターによる硬化は合わないという方もいます。今回は、ネイリストとして知っておきたいアクティベーターに関する知識をいろいろとご紹介します。

2タイプあり!アクティベーターの種類

ネイルの際に使用する専用の接着剤は、液体の合成樹皮のレジン、そしてグルーと呼ばれるものを主に使用します。レジンの方がサラサラしているのが特徴です。どちらもネイルアート専用の接着剤として使用しますが、レジンもグルーも乾いて硬化するのに時間がかかるという欠点があります。

レジンの場合は種類によって硬化するのに10分、最長で完全に硬化するのに12時間もかかるものもあります。その硬化する時間を短縮するために登場するのがアクティベーターなのです。アクティベーターとは直訳すると「活性剤」のことで、レジンやグルーの接着剤としての働きを活性化させて、硬化の促進をする効果があります。そしてレンジを塗った際に気泡ができることがありますが、この気泡をできにくくして硬化作用を補助する役割も兼ねているのがアクティベーターなのです。

アクティベーターには、液体を吹きつけるスプレータイプ、そして直に塗るブラシタイプの2種類があります。2種類を比べてみるとスプレータイプの方がより即効性があり早く硬化することができ、そのため硬化の最中に熱が発生しますが、種類によっては熱の出ないアクティベーターもあります。きめ細かい作業をする際はブラシ、大まかな作業の場合でより早くレジンを硬化させたいときはスプレータイプと、ネイリストはアクティベーターを使い分けるようにしましょう。

爪が弱い、薄い人はより強く感じる!硬化の際の発熱

レジンやグルーの硬化を早める働きがあるアクティベーターは、ネイリストなどネイルを施す人にとっては必須アイテムとなっていますが、使用時に注意する点があります。それはアクティベーターでレジン硬化を促進させることによって熱が生じることです。

熱が出る原因は、レジンの化学反応です。レジンのような最初は硬くないものが硬化するときは当初と違う形態になるので、内部で化学反応が起きることになります。その化学反応が始まると熱が発生し、熱さが生じることになるのです。アクティベーターはレジンの硬化を促進させるものですから、化学反応も急速に進み熱も急激に発生することになります。

また、レジンの量が多いとき、アクティベーターの使用量が多いときは、より早く発熱が生じます。量が多いということはそれだけ化学反応も多いので、熱がより発生しやすくなるのです。ネイルアートを施す際は、爪といっても爪の質は人それぞれなので、その人に合ったネイルを施す必要がありますが、アクティベーター使用の際も注意が必要です。

もともと爪が薄い人、弱い人はその発熱をよりダイレクトに感じますから、ネイリストはお客様の爪の質を見極めてレジンの量、アクティベーターの使用量を考慮しなくてはいけません。

お客様の爪は厚い?薄い?爪の質の見極め方

爪が厚い人、薄い人と、それぞれのお客様の爪の質に合わせて、アクティベーターの使用量を変化させなくてはいけませんが、人間の爪というものはひと目見ただけでは厚いか薄いかを判断することは難しいものです。では、お客様の爪の質はどのようにして見極めればいいのでしょうか。

爪が薄いということは、爪の硬度が柔らかいということです。ですから、お客様の爪を爪きりで少し切って爪を摂取することによって、爪が硬いかやわらかいかを判断するという方法があります。爪がやわらかい人は爪が薄いということですから、それに合ったネイルを施す必要があります。

爪が薄い原因としては、もともとの遺伝や体質、普段の仕事などで爪を酷使している、加齢などがありますが、爪というのは皮膚の一部なので、お客様の健康状態も反映されています。爪はケラチンやコラーゲンなどのたんぱく質が主成分で、亜鉛やビタミンB、Cの各種ビタミン群も爪の成長には大事な栄養素です。健康的で厚い爪を作るには、これらの栄養素を普段からバランス良く摂取することが大事です。

健康的でしっかりとした体躯の人は爪も健康そのもので厚い場合が多く、細い体躯の人はやはり爪も薄くやわらかい場合が多いです。お客様の健康状態を図ることによって爪の質がわかります。そして、先述した通り普段から爪を酷使している人はだんだんと爪が薄くなりますが、ネイル初心者ではなく前々からネイルアートをしている人も爪が薄くなっていくケースがあります。以上の事柄を配慮してお客様に普段の生活、ネイルアート歴をお尋ねして爪の質を判断してみましょう。

お客様の爪の質は人それぞれ!お客様に合ったネイルのほどこしを!

ネイリストは、お客様の爪の質に合わせてネイルを施さなくてはいけません。それはアクティベーターの使用に関しても同様です。アクティベーターの使用前に塗布するレジンの量も気をつけなくてはいけません。レジンの量が多いとそれだけ発熱もより熱くなるので、爪の薄い人にはレジンの使用量を控えることが重要なことです。

そして、アクティベーターはスプレータイプとブラシタイプの2種類がありますが、この2種類を使い分けるようにしましょう。スプレータイプの方がレジン硬化をより促進させて便利ですが、だからといってどんなお客様にでも使用するなど使用頻度を多くしてはいけません。より即効性のあるスプレータイプを使用する場合は爪の厚い人を、爪の薄い人の場合はブラシを使用しましょう。ネイルの際の発熱はアクティベーターだけでなく、ジェルネイルの硬化ライト使用時にも発生する現象です。

お客様のなかには、爪が薄い人でジェルネイルの硬化の際の発熱にあまり抵抗がない方もいらっしゃいます。だからといって、その後のアクティベーター使用の際に「このお客様は熱に強いみたいだから」と、スプレータイプのアクティベーターを多量に吹きかけることはやめましょう。スプレータイプを使用するときは爪の至近距離で吹きかけるのではなく、爪から距離をとって少量をかけるようにすることが大事です。

種類、使い方はいろいろ!お役様に合わせてアクティベーターを使用しよう

全てのアクティベーターに発熱作用が起きるわけではありません。商品のなかには発熱が起きない種類のアクティベーターもあります。発熱が起きない分、レジンが硬化するスピードが落ちますが、熱を嫌がるお客様、または爪が薄いお客様にはこのタイプのアクティベーターを使用することがおすすめです。

ネイル初心者のお客様は、急に爪が熱くなることに対し熱くて痛い以前に、熱くなることに驚いて不安になる人も少なくはありません。なぜ熱くなるのかと聞かれたら「硬化作用により化学反応が起きて熱が発生します」ときちんと説明して、お客様を安心させることも大切なことです。きれいなネイルアートをつくることだけに集中するのではなく、お客様が安心して気分良くネイルの施しを受けられる空気をつくることもネイリストの仕事なのです。

アクティベーターがどのような機能を持っているか、アクティベーター使用時になぜ発熱するか、そしてお客様はどんなアクティベーターが合う爪の質をしているのかなど、ネイリストはいろいろなことを配慮する必要があります。お客様に快適な気分でネイルアートを施すことが大切な仕事であり、アクティベーターもお客様に合わせて種類、使い方を変えることが重要です。

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くのネイリスト求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄