どうすれば魅せられる?ネイリストのためのネイルアートのコツとは
単色、グラデーション、果ては3Dと、ネイルアートの人気はとどまることを知りません。最近では、プロでない人も手軽にネイルアートを楽しむようになり、ネイリストの施すネイルアートといえば、グンとハードルの上がったものになってしまいました。ですから、素人とは違う、プロのネイリストならでは!といわれる仕事がしたいものですね。では、魅せるネイルアートとはどうやって作られるのでしょうか。
ネイルアートの基本的な種類、その魅力、そして心構えなどを通して、魅せられるネイルアートについて考えていきましょう。
ちょっとおさらい!ネイルアートの種類
ネイルアートにはさまざま種類があります。平面的な2Dのペイントアートをはじめ、3Dアートなど飾りのついたものもあります。基本的なものはワンカラー、グラデーションネイル、ラメを塗ったラメネイルなどがあります。ここまではシンプルなものですが、シンプルなだけに、よりバランス感が難しくネイリストのセンスが問われそうです。
そして、ホログラムと呼ばれる光沢のあるフィルム状のパーツでデザインする、ホログラムネイルがあります。ホログラムの色調や組み合わせで、大人っぽくもかわいらしくも仕上げられる、使いやすい素材です。光沢が美しいですが派手になりすぎないので、オフィスに勤務する方にも好まれる素材です。
そして、定番のフレンチネイルです。逆フレンチなどもあり、きれいめのデザインは定評があります。さらに変形を加え、斜めやギザギザにデザインされたフレンチは、上品ながらそのカーブの美しさなど、ネイリストの力量が問われます。そして、クジャクの羽をイメージして作られたピーコックネイルやタイダイ柄のネイルは、ネイルが好きなお客様に人気の柄です。
また、転写シールを使って写真やイラストを転写する技法も、最近ではよく使われます。そして、アクリルパウダーとアクリルリキッドを使って作る3Dネイルです。難易度が一気に上がりますが表現は無限大で、ネイリストの真骨頂ともいえるでしょう。
2D or 3D?魅力の違いとは
例えば、平面的な浮世絵と最新の3D画像、どちらが美しいかの優劣がないように、2Dアートも3Dアートもそれぞれの美しさがあります。2Dアートは平面という限られた制約の中で、よりネイルを美しく見せたりデザインしたりするという魅力があります。
例えば、シンプルな2Dアートでも、ネイルアートを施されるお客様の爪そのものだけでなく、手全体を美しく見せることもできます。フレンチネイルなど、その最たるものです。また、伝統的な技法や柄を用いることで、モダンで新しいデザインを爪にのせることもできます。ラインが0.1ミリ違ってもバランスが崩れてしまうネイルアートで、平面の中でデザインを探求する2Dアートは、より精巧さを問われるといってもいいでしょう。
そして、3Dアートは自由な表現ができることが魅力です。盛れば盛るだけ盛れてしまうので、ストーリー性のあるネイルを作ることも可能です。3Dアートに魅せられてネイリストの道を選んだ人もいるのではないでしょうか。その魅力は、とにかく表現の枠がないこと。飾りをつけるのも良し、質感を変えるのも良し。お客様とのやりとりで施すアートの世界を、どんどんふくらませることもできます。決まった型がないため、美の形も一辺倒でない、それが3Dアートの魅力です。
2Dネイル、どうやって映えさせる?
2Dアートを映えさせるには、とにかく美しい仕上がりにすることです。定番のデザインこそ、ネイリストの技量が試されます。決められた面積の中で細かい装飾を求められるネイルアートでは、プロならではの絶妙なバランス感と仕上がりの美しさがモノをいいます。そして基本中の基本ですが、とにかくシェイプやケアを美しく整えておくことが大切です。言うまでもない当たり前のことですが、土台がなければプラスアルファの美しさは完成しません。
2Dアートの仕上がりにいまいち自信が持てないという人は、基本に立ち返るのもいいでしょう。爪の形に応じたバランス感覚を鍛えるのも大切です。そして、平面的な2Dアートを映えさせるためには、より色彩バランスが大切になってきます。形が美しく仕上がっているのはもちろんのこと、色彩を組み合わせて2Dアートをより映えさせましょう。色彩の組み合わせがマッチしていなかったり、多色使いをしても色のトーンがかみ合っていなかったりすると、せっかくのネイルアートも台無しになってしまいます。
補色を使ったり季節に合わせたトーンを使ったりして、ネイルアートを演出するのが良さそうです。平面でも、色彩によって表現は無限になります。定番の組み合わせもありますが、自分だけの組み合わせを作って試してみるのも、2Dネイルアートの幅を広げることができます。
基本が大切!3Dアートのコツとは
3Dネイルアートを描くコツとは何でしょう。まず、道具から考えていきます。筆はナイロン製ではなく、動物の毛筆を使うのがおすすめです。なぜならば、ナイロン製は固まりやすいため、使うのが難しい場合があるからです。基本的なことですが、筆の手入れも重要です。アクリルパウダーとリキッドは筆が痛みやすいため、こまめに手入れをし、思い通りの線が描けるようなコンディションにしておくことが大切です。
そして、大きい筆と小さい筆を使い分け、大きいアートと小さいアートを描き分けるようにしましょう。思い通りに描くコツは、ミクスチャーの粘度に注意をすることです。はじめは理想的なミクスチャーを作るための練習が必要です。垂れ落ちてしまうのはリキッドが多すぎ、粉っぽいまま固まっているのはリキッドが少ない状態です。リキッドとパウダーのバランスをマスターし、理想的なミクスチャーが作れるように心がけましょう。
もし筆の上にのせたときに、少し柔らかそうだなと思った場合は少し置いて、ミクスチャーが適度な硬さになるのを待つのがいいでしょう。3Dネイルアートをするにあたって、ネイリストが初めに練習するのがこのミクスチャーです。基本ではありますが、基本を極めることによって上達の道は現れます。思い通りに描けないときは筆の状態、そしてミクスチャーが思ったような硬さになっているかチェックしてみましょう。
思わずうっとり、魅せられるネイルアートをするためには
ネイリストでも、うっとりとしてしまうようなネイルアートがたくさん存在します。ネイルアートの技術は天井知らず。神がかったアートを施すネイリストが大勢います。技術は日々の練習と勉強によってついていくものです。日々の鍛錬を怠らなければ、自然と技術は向上していくでしょう。
それとは別に、魅せられるようなネイルアートを作るためには、お客様の要望を深く知ることです。お客様がどんな美意識や好みをもっていて、何を美しいと思っているか、それらをヒアリングして要望に合ったネイルアートを施すことが大切です。2Dにしても3Dにしても、自分が美しい、可愛いと思うものだけ突き通しては、人を惹きつけるようなネイルアートはできません。数多くの独創的なアートを施す名ネイリストも、世のトレンドや普遍的な美を学んでいるからこそ、人々に受け入れられるネイルアートを生み出せるのです。
お客様のオーダーに応えて施すのであれば、きちんとしたヒアリングを行い、共有できるアートを施すのがいいでしょう。また、新しいネイル提案をしたいのであれば、トレンドやさらに深い美意識を蓄えることが、魅せられるネイルアートをつくる近道といえるでしょう。技術、知識からくるセンス、お客様の声、どれを欠いても魅力的なネイルアートはできません。バランス良く呑み込み、魅せられるネイルアートを作り出すために、ネイリストとしての成長を目指しましょう。