メンズ界カリスマサロン誕生秘話! LIPPSディレクター・吉沢ジュンさん#1

日本のカリスマサロンのひとつであるLIPPS(リップス)は、オープンから18年で現在、9店舗、160名ものスタッフを抱える大きなサロンに成長しています。当初は代表を含め、わずか5名でスタートしたというLIPPS。時代の波に上手にのり、今や女性客だけではなく、メンズスタイル界でトップに君臨するまでになりました。
今回インタビューにご協力下さったのは、代表の的場タカミツさんの右腕である、吉沢ジュンさん。雑誌で見かけた的場さんのデザインに胸を打たれたのをきっかけに、当時勤めていた人気店を辞め、LIPPSに入社。44歳になった現在までにLIPPSを美容界で不動の地位に導いた、彼の手腕を探ります。

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レディースの空気をまとう男性を見てひらめく

――LIPPSのヘアスタイルは軽やかさがあって女性らしくて。モテ髪ジャンルの中でも可愛い系担当のサロンというイメージで、オーナーの的場さんの世界観が上手に反映されているなぁと感じています。
「ありがとうございます。僕は的場のデザインに影響を受け、ここで働きたいという思いだけで入社しましたから」

――また、最近では並行して“メンズスタイルのカリスマサロン”と話題ですね。
「おかげさまで男性のお客さまが非常に多く来店されます。もちろん、女性のお客様もたくさんいますが、今は“ヘアサロン=女性が行く場所”という括りでなく、男性も女性も足を運ぶ場所なんですね」

――女性はもちろん、男性の方にも支持されるようになったのには、なにか理由があるのでしょうか?
「僕は“男性がおしゃれをするようになったな”と思うシーンが90年代の途中からあったのですが、しばらくして原宿界隈で、より中性的な空気を放つ男性が増えていった。そのとき“これは相当、男性のヘアデザインの幅が広がるな”と直感的に思いまして。面白いことをやれると思うようになったわけです。そこが出発点ですね」

――K-POPなどが流行る前ですよね。
「はい。でも、彼らもきれい系じゃないですか。僕が学生の頃とは全然違う感覚ですね。僕は母が理容室を営んでいていた関係で、幼い頃から男性が髪に求めている感覚は肌で感じて育ちました。だから、その変化には気づきやすかったと思います」

LIPPS
LIPSS作品より。

“時代と共にバトンを渡す”渡された僕が提案したこと

――とはいえ、当時のLIPPSは女性客が殺到する人気サロンですよね。男性客に目を向けることでリスクを感じたりはしなかったのでしょうか?
「オーナーの的場は、スタッフの声にとことん耳を傾ける人なんですね。それまでオーナーが構築していたサロン方針が当然あるわけですが、的場の考え方として“サロン作りはバトンを渡していくことが大切。
次の世代にリレーのような形で受け継いでもらうことを大切にしたい”というのがありまして。もちろん、舵取りは常に的場がしてくれます。でも僕のこの話も真剣に聞いてくれまして、そこから男性向けデザインの研究に注力することになりました」

そして現在は、顧客の7割近くが男性客という店舗まで誕生します。それまで、女性をメインターゲットにしていたサロン業界において、メンズカスタマーは隙間産業のような存在。LIPPSの武器である、丁寧かつ時代の空気を反映したデザインが早い段階で男性客にも応用され、まだ発展途上だったメンズデザインの世界においても、メキメキと頭角を現すサロンに成長しました。

――最近の美容学生はメンズカットの世界にとても興味のある人が増えていますよね。
「はい。うれしいことですね。お蔭さまでリクルートにも大変興味を持っていただいて。ありがたい、の一言です」

吉沢さん
「若いスタッフに僕自身もどんどんバトンを渡しています。新しい挑戦の提案に対し、一緒に取り組んでいます」と、吉沢さん。

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清潔感を大事にする時代だからメンズグルーミングを開始

LIPPS
LIPSS作品より。

――LIPPSは、グルーミングも始めたとか。
「LIPPS Ray 銀座店にて行っています」

――グルーミングを始めた理由はなんでしょうか?
「ヒゲ脱毛に興味のある方がたくさんいらっしゃるんですね。お顔をツルツルにしたいというばかりでなく、ヒゲのデザイン脱毛や、量だけを減らしたい方、肌が青くならない程度に調整したい方など希望は様々です。あと、脚や腕、胸などのボディ脱毛も人気です。近頃の男性、特にサラリーマンの方は清潔感をとても大切にしますから、脱毛は有効な手段なのでしょう。これも時代ですね」

――なるほど。理容室で行う髭剃りとは違うんですね。
「はい。専門の男性セラピストが、フラッシュ器を使用した光脱毛などを個室で行っています。当店では男性のみのグルーミングですからトライしやすいと思います」

――なんだか新鮮!男性もついにここまで美意識が高まったんですね…
「グルーミングをサロンで取り入れる前の話ですが、若いスタッフがお客様と普通に脱毛サロンの話をしているんです。“ここ、良かったですよ”“じゃぁ、来週にでも行ってみます”という具合に(笑)。あと、女性のお客様と男性スタッフがスキンケアの話で盛り上がっていたりとか。もう、ためらうことなくオープンに話せる時代なんですよね。自分がアシスタントの頃は考えられないですよ(笑)こんな会話が飛び交うサロンで仕事をしているから、自然とメンズ美容もメニューに必要だなという発想になるわけです」

――この他にも小顔マッサージも行っていますね。これはなんですか?
「顔の骨と筋肉の間にある老廃物を流して、骨を元の位置に戻す施術です。つまり、ゆがみを正すことで小顔に導くという考えで、効果は約1ヵ月持続します」

――え!1ヵ月も!?
「続けると小顔が定着するので、とてもおすすめです」

女性客はもちろんですが、男性美容にとことん時代性を取り入れて躍進し続けるLIPPS。
2回目のインタビューでは、現在約160名もいるスタッフ教育や運営理念などについてお伺いします。

取材・文/小澤佐知子
撮影/田中大三

Salon Data

LIPPS

LIPPS(リップス)

原宿、表参道、銀座に2店舗、吉祥寺に2店舗、二子玉川、自由が丘、大宮の合計9店舗のヘアサロンを運営するLIPPS。
フェミニンで軽やかな女性向けヘア、リッジ感と空気感に満ちた男性ヘアなど、男女問わず時代にマッチしたスタイルを提案してくれる。
“毛束感”というキーワードを流行らせた先駆者的存在で、その独特なスパイキーなスタイルを求め、日本全国から男性客が集結。
http://www.lipps.co.jp/

未来が描けるサロン作りとは?LIPPSディレクター・吉沢ジュンさん #2>>

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