新卒の美容師の悩み!辞めたいと思ったときにはどうするべきか?
美容師はヘアカットやスタイリングを通して、お客様の心を明るくできる仕事です。多くの人にとって憧れの職業であり、新卒の美容師は期待を抱いて業界に飛び込んできます。しかし、現実はきびしく打ちのめされてしまう若手は大勢います。ときには「辞めたい」とまで考え出すことも珍しくはありません。悩みに陥ったら悲観的になりすぎず、自分のキャリアを見つめ直してみましょう。ここでは、「辞めたい」と考えている新卒の美容師へのアドバイスをまとめました。
どんなときに美容師を辞めたいと考えるのか
美容師を辞めたいと考えるタイミングで目立つのは「仕事でミスをしたとき」です。お客様に怒られたり先輩に迷惑をかけてしまったりすると店の居心地は悪くなります。いっそ、全てを捨てて新しい環境に移りたいと感じるのも自然な発想です。
人間関係も美容師にとってのストレスです。美容院によっては、美容師同士の交流がほとんどなくギスギスした雰囲気が漂っています。美容師の人員不足に陥っている店も少なくなく、教育プログラムも追いついていないケースがあります。入店しても先輩から指示をもらえず、新人が手持ち無沙汰になってしまうのはありがちな事態です。また、美容師同士はお客様の指名を争うライバルでもあります。指名競争の激しい美容院では美容師同士も敵対しており、仲良くなる余裕がありません。新人が入ってきても「ライバルが増えた」くらいにしか思われないのです。人間関係になじめない美容師は本気で「辞めたい」と思うでしょう。
労働条件もまた、美容師のモチベーションを低下させます。美容師は決して楽な仕事ではなく、週1日ほどの休みで残業続きの店も一般的です。しかも、新人時代は給料も安いうえ、プライベートの時間を割いて勉強をしなければ成長できません。友達や恋人と会う時間も削られ、たまの休日でもリフレッシュが難しくなります。その結果、ストレスをためこんで心を病んでしまう美容師もいます。
心が強い美容師でも、手荒れや腰痛など体調面の悪化までは誤魔化せません。また、若手が少ない給料で頑張っているのに経営者や一部のベテランだけが良い暮らしをしているシステムにも不満を覚えるでしょう。心理的にも体力的にも問題が重なって、若手美容師はやる気を失っていくのです。
辞めたいと思ったら解決方法はあるのか
美容師が辞めたい理由によって、解決方法は異なります。たとえば、人間関係が問題で辞めたくなったときは自分の心に向き合ってみましょう。先輩からひどい仕打ちをされ、仲が良い人もいない職場に対し「どう思っているのか」を自覚するところから始めます。もしも「悲しい」「苦しい」という気持ちが強いなら、無理して続ける必要はないでしょう。しかし、「悔しい」「腹立たしい」と感じているなら、もう少し続けてみるのもおすすめです。「悔しい」とはつまり「現状に満足していない」という気持ちの現れです。どうにかして状況を変えたいと願っているからこそ「悔しい」と感じるのです。悔しさをバネにして、嫌な先輩からも何も言われなくなるほど優秀な美容師になってみましょう。たとえば、「資格取得を目指す」「目標のリピーター数を設定する」など、具体的な指標を決めると努力がしやすくなります。
給料面や休日の少なさで困っている際には、思い切って上司に相談するのが一番です。今すぐに給料が増えたり、休日がとりやすくなったりすることはまずありません。しかし、「ここまで頑張ったら昇給もありえる」と、目標を提示してもらえるだけでモチベーションは維持できます。また、現場の思いを経営陣に共有してもらえると、上からの態度が軟化する可能性もありえます。
手荒れに関してはこまめにハンドクリームを塗るなどの対策で切り抜けましょう。悪化した場合には病院で薬を処方してもらうのも1つの方法です。そのほか、体の痛みに関しても接骨院に通うなどして体のメンテナンスに時間をかけるようにしましょう。肉体の健康を取り戻せば、気力も回復する場合もあります。
本やネットからヒントを探す
美容師が思い悩んでいても職場に相談できる人がいない場合、本から解決策を探してみましょう。本を読むメリットは「確実性の高い情報」を「専門家」から得られる点です。本の情報は出典先や引用元がはっきりしているので信憑性が高く、実践的です。ふだん活字を読まない人も試しに書店やインターネットで自分に合った本をリサーチしてみましょう。
たとえば、「ビジネス書」「自己啓発」の類は直接的なヒントをもらえるジャンルです。仕事に向き合う姿勢、モチベーションアップの方法、対人関係における心理術など、今すぐ取り入れられる教えが得られます。
成功者の自伝を読むのもおすすめです。成功者の思考をたどることで、自分の心を正すきっかけになります。また、どんな有名人でも下積み時代はあったと理解できれば、つらい時期も乗り越えられるでしょう。そのほか、小説やライトノベルからも勇気をもらえます。美容とは関係のない舞台でも、魅力的なキャラクターの言動に励まされたら、やる気を補充できます。
インターネットで悩みの解決策を探すのも得策です。ネットの情報には書籍ほどの信憑性はありません。その代わり、よりピンポイントでリアルな情報を手に入れられます。掲示板を利用して自ら「相談」を投稿することも可能です。
また、書籍は基本的に「コンプライアンス」を重視しているのでネガティブなメッセージが書かれているものは少数派です。インターネットでは内容に関係なくユーザーの本音があふれています。きれいに整えられた正論よりも、インターネットの飾り立てない言葉の方が悩める美容師に突き刺さるときもあるでしょう。自分の置かれている労働環境が、世間一般にはどう見えているのかを客観的に知るためにもインターネットは役立ちます。
転職も選択肢に含めよう
せっかく美容師になれたのだからできる限り業界内で頑張りたいところです。しかし、辞めたいという気持ちが長く続き、労働環境が改善されないときには転職して新しい人生に向かうのも悪くありません。
たとえば、美容師の適性が実感できない人は転職した方が賢明です。お客様と会話するのが苦痛だったり、長時間集中が持たなかったりする人は美容師向きとはいえません。こうした適性は専門学校時代には見極めにくいものです。緊張感と多忙さが段違いの現場に放り込まれて、はじめて適性は自覚できます。適性がない職場を辞めるのは決して「逃げ」ではありません。むしろ、新卒で若く可能性があふれているうちに方向転換するのは、長い人生を考えたときに英断となるでしょう。
あまりにも労働環境が悪い美容院に就職したときも長居すると心身にダメージを負います。体調を崩してから転職をして、新しい職場でも不調を引きずってしまうのは避けたい事態です。「給料が不当に低い」「労働時間が長すぎる」「パワハラがある」などの過酷な問題を抱えた美容院は早く辞めるのが身のためです。その際、強いこだわりがないのなら別の業界に転職してもいいでしょう。
美容業界から他の業界に転職して上手くやっていけるかどうかは不安なポイントです。しかし、美容師を辞めたとしても「美容師になるために努力をした期間」は自信となって残ります。また、美容師に必要な接客術やコミュニケーション能力は他の業界でも応用が効くスキルです。前向きな気持ちで転職活動を始めると、働きやすい業界は見えてきます。また、「早く転職しなくてはいけない」という強迫観念も無視しましょう。じっくりと自己分析をして時間をかければ「長続きできる仕事」に辿り着けます。美容師の転職には求人サイト「リジョブ」が幅広い情報を紹介していて一押しです。