坂爪亮介 interview #2:靴磨き職人として腕を磨いた日々

一般的に、理容店と言えばカット、シャンプー、シェービングを提供する場所。ところが、青山に店舗を構える『Barbering Method』では専属に職人よる靴磨きサービスが受けられるんです。しかも創業1934年の老舗理容店というから、なおさら興味をそそります。今回は、そんな『Barbering Method』で働く靴磨き職人、坂爪亮介さんにインタビュー。いったいどのようにして、靴磨き職人になったのでしょうか?中編では、初めてお客さんとして靴磨きを体験した際のエピソードなどについて語っていただきます。

新宿で出会った靴磨き職人

Barbering Method

――初めてお客さんとして靴磨きを体験したのはいつでしょうか?
「その時のことは今でもはっきりと覚えています。2014年の12月15日でした。新宿の南口で小田急線に乗ろうとしたところ、少し離れた場所に靴磨き屋さんが立っていたんです。気になって話しかけてみたところ、1足1,000円で、30分ほどの時間がかかると言われました。ちょうどその日、革靴を履いていたので磨いてもらうことにしたんです。30分後、見違えるほど美しくなった自分の靴に心底感動しましたね。あまりの衝撃に、その後2時間ほどその場で話し込んでしまうほどでした。話によると、その靴磨き屋さんは普段はチェリストとしてコンサートで演奏しながら、空いた日に靴を磨いている個性的な方だったんです。別れ際に連絡先を交換し、その後やり取りをするようになりました」

アイリッシュパブの一角で靴磨き修行

坂爪さん

――それでは大学を卒業後、靴磨き職人になるまでの経緯を教えてください。
「大学を卒業後は、静岡県のアパレル店で1年ほど働いていました。同時に、その年の7月に靴磨きもスタートしたんです。はじめは、地元の知り合いに連絡して『お金はいらないから、とにかく靴を磨がかせてください』とお願いし、家を回りながら靴を磨きました。その後、静岡県のアイリッシュパブのマスターに直談判して、お店の一角を借り、仕事が休みの日に靴磨きを始めたんです。それから、異動で勤務地が横浜になり少し働いた後、フリーの靴磨き職人として東京で働き始めました」

60万円の高級な靴を任される

Barbering Method

――ちなみに、フリーになった当初はどのような活動をされていましたか?
「伊勢丹のなかで靴磨き職人として働きました。初めて任された靴が、60万円もする高級な靴だったんです。かなり緊張しましたが、お客さまから好評をいただいたのですごく自信がつきましたね」

――靴磨きをする際に、大切にしていることを教えてください。
「靴の特徴をとらえることですね。靴の全体をピカピカに光らせればよいというわけではなく、色味や靴の湾曲を考えながら磨かなければなりません。念入りに磨くところと、あえて光らせないところを作り、靴がより立体的に見えるように工夫しながら進めていきます。慣れない時は、一足で2、3時間かかることもありましたが、今では30分ほどできれいに仕上げることができるようになりました」

学生時代から今に至るまで、靴磨き職人の方をはじめたくさんの魅力的な大人に出会ってきたと言う坂爪さん。現在、靴磨き職人として活躍できているのはそういった師匠たちのおかげだと言います。。後編では、働いていてうれしい瞬間や今後の目標について伺います。

Profile

坂爪さん

坂爪亮介さん

『Barbering Method』専属靴磨き職人。1992年群馬県太田市生まれ。22歳の時に、アパレル業界に携わるかたわら、靴磨きの修行を開始。仕事の合間を使って、アイリッシュパブなどで靴を磨く。伊勢丹での勤務などを経て、25歳の時に『Barbering Method』の専属靴磨き職人になり現在に至る。

Salon Data

Barbering Method produced by ヘアサロン大野

住所:東京都港区南青山2-12-16 石塚商事ビル2F
TEL:0120-15-8138
http://www.hair-ono.com/

坂爪亮介 interview #3:靴の本当の魅力的を伝えるために>>

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