「態度が悪い」という指摘から一転、笑顔と思いやりで信頼できる人気スタイリストへ「BLANCO」藤澤菜々子さん

技術、接客、カウンセリングなど総合的な評価が高く、多くのファンを抱えるサロン「BLANCO」。若者を中心に幅広い世代のお客様が足を運んでいます。

今回はそんな「BLANCO」でスタイリストとして活躍する藤澤菜々子さんにインタビュー。サロンワークのほか、ヘアショーや撮影会などさまざまな挑戦を続けています。

前編では楽しく働いていたという新人時代のお話しをご紹介。充実した日々の一方で「態度が悪い」とお客様に指摘されたこともあったとのこと。それをきっかけに意識を変えたことでお客様やスタッフとの関係性もよくなったそうです。どのように気持ちを切り替えていったのか、そのポイントをお伺いします。

今回、お話を伺ったのは…

「BLANCO 表参道」

スタイリスト　藤澤菜々子さん

千葉県出身、国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。卒業後「BLANCO」に就職し、「BLANCO 表参道」にて3年でスタイリストデビュー。2025年8月現在、美容師歴は６年に。サロンワークのほか、コンテストやヘアショーにも積極的に参加している。

藤澤菜々子さんのインスタグラム

楽しく働く一方で、先輩とぶつかる経験も

――美容師になろうと思った理由を教えてください。

幼いころから美容室に通うのが好きで、髪を整えてもらうたびに気分が上がっていました。そんな体験を重ねるうちに自然と「自分も技術を身につけたい」と思うように。また美容師は「手に職」と言われるように、技術があれば長く続けられる仕事だと考えたのも理由のひとつです。働き方が変化していく時代でも、自分の力で生きていけるスキルを身につけたいという思いが、美容師を志すきっかけになりました。

――新人時代に苦労したことはありますか？

アシスタント時代を振り返ると、「苦労した」という記憶はあまりありません。拘束時間が長く毎日のように課題やテストに追われる日々ではありましたが、仕事が楽しくて気がついたらスタイリストになっていたという感覚です。常にやるべきことがあり、それを必死でこなしているうちに時間が過ぎていきました。

一方で自分としては楽しく働いていたのですが、接客態度について注意をされて考えが合わず、先輩と衝突したことは多々ありました。

反発していたアシスタント時代を乗り越え、お客様とのつながりの大切さに気づく

――「先輩と衝突した」とのことですが、具体的には何があったのでしょうか？

アシスタント時代、自分でも気がつかないうちにお客様にもスタッフに対しても無愛想な態度をとっていたんです。当時は効率よく仕事をすることや、お店全体をスムーズに動かすことにやりがいを感じていました。その分、無意識に接客がないがしろになっていたんだと思います。

アシスタントに入った際も早く次の予約につなげることばかり考えて、お客様との会話は必要最低限のみ。先輩に注意されても感情的になって反発してしまい、なかなか自分の欠点に気づくことができませんでした。

――どのようにして欠点に気づき、意識を変えていかれたのですか？

スタイリストデビュー前の試験期間に複数のお客様からも態度の悪さを指摘され、初めて真剣に考えました。先輩にも相談し、お客様に興味を持って笑顔での対応を心掛けるようにしたんです。少し意識しただけでお客様の反応がとてもよくなり、笑顔で応えてもらえるのがうれしくて、より仕事を楽しいと思えるようになりました。そのときに初めて人とのつながりやお客様と信頼関係を築くことの大切さに気がついたのです。

今振り返ると、本当によくない態度をとっていましたね。根気強く注意してくれた先輩や指摘してくださったお客様には感謝しています。

スタッフ全員で作り上げる思いやりにあふれたサロン

――今ではお客様やスタッフとのつながりについて、どのように考えていますか？

スタイリストデビューをして以来、指名してくださるお客様が増え、お客様一人ひとりを大切にする意識が高まりました。美容室は定期的に訪れる場所で、お客様のなかには友人よりも美容師のほうが頻繁に会うという方もたくさんいらっしゃいます。そのため技術や効率はもちろん、居心地がいい、また来たいと思ってもらえるような接客や雰囲気作りを意識しています。

――藤澤さんが仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

新人時代の反省から学んだことでもあるのですが「楽しそうにしている人のところに人が集まる」ということ。大変なときでも、笑顔で人と接することで周囲の空気もよくなりますし、自分自身も前向きな気持ちで仕事に向き合えるようになりました。「BLANCO」には美容師という仕事が好きで楽しく働きたいと考えている人ばかりが集まっており、周りのスタッフからも日々刺激や影響を受けています。

――「BLANCO」の魅力はどんなところだと思いますか？

一番の魅力は「スタッフ同士の仲のよさ」です。お互いによく気がつき、困っていそうな人がいると自然と声をかけ合える関係性ができています。悩みも相談しやすく、楽しさも共有しやすい。人間力を高める教育にも力を入れていて、それがこの空気感にもつながっていると感じます。プライベートも一緒に過ごすことが多く、上下関係も気にならないほどです。

日頃からいい関係性を築くことで、サロンワークで気になったことはすぐに周りに聞けるので、人間関係の良好さと比例して技術力の高さも上がっていると思います。

――藤澤さんがサロンの発展と自身の成長のために普段意識していることは何ですか？

サロンの雰囲気のよさに甘えるのではなく、私自身も普段からスタッフとの良好な関係づくりを心掛けています。問題やわだかまりがあればすぐに話し合い、気持ちを溜め込まない環境を作ることが大切です。そうすることで自分も働きやすくなりますし、お店全体の士気も上がっていくはず。

お客様からも「お店の雰囲気がいい」と評価してくださることが多く、これはスタイリストだけでなくアシスタントや受付など、「BLANCO」で働く全員が意識してお互いに思いやりをもっているからだと思います。

後編では藤澤さんがスタイリストデビューしてから挑戦を続けているというヘアショーの具体的な取り組みや美容師の仕事のやりがいについてお聞きします。