人を癒やすことが私の使命だと感じています。

この世に手業を生業にしているサービス業はどれぐらいあるのでしょうか?手一つで人を喜ばせたり、疲れを取ったり、美しくしたり、癒やしたり・・・。これってすごいことですよね。

このコラムは、手業を生業にしている美容からヘルスケアの業界の方々にフォーカスをしたプロフェッショナルインタビューです。その人の手が語る物語をお楽しみいただければ幸いです。

モアリジョブ編集部

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私の手にしか、できないシゴト。 松尾 春菜さん

――なぜ、セラピストになろうと思ったのですか?

松尾 前職の医療事務の仕事が忙しく、身体をこわしてしまって・・・。体調が回復した時に今度は自分が癒やす側になりたいと思ったんです。

――体調が回復してすぐにセラピストに転職されたのですか?

松尾 セラピストになろうと思って、まずは学校に行こうと考えていたんですけど、ちょうどその時に東日本大震災があって・・・。「ああ、もうすぐやりたいことやろう。いつ亡くなってしまうか分からないし」と思って、すぐにセラピストになろうと行動を起こし、この会社に就職しました。

――入社後はどのように過ごしましたか?

松尾 研修を1ヶ月と少しやってから、デビューしました。デビューしたスペース(店舗)は、新宿サブナード店で、オープンから7年間も同じお店でセラピストをやりました。

――セラピストを始めた時の気持ちをお聞かせください。

松尾 最初は不安と緊張と・・・ちゃんとできるかなっていう思いでいっぱいいっぱいでした。半年ぐらいでやっと手が慣れて、お客様の反応を感じはじめたときに、不安や緊張が自然となくなりました。

――セラピストになってから「ああだめだ」と思った失敗談はありますか?

松尾 新宿サブナード店でリーダー(店長)をやっていたときに、チームマネージメントに失敗してしまったんですね。18名ぐらいの大きなスペース(店舗)で、セラピスト全員のベクトルを合わせてやっていくのが難しかったですね・・・。

――それでは逆に、成功体験を教えてください。

松尾 同じスペース(店舗)で働き続けられたことと、お客様が付いたことですかね。

――ラフィネさんでは、同じスペース(店舗)に何年も在籍することはよくあるのですか?

松尾 そんなことはないです。私自身もアロマをやりたかったので、現在のブランド「Grand Raffine(グランドラフィネ)」に2、3年勤務したら行きたいなと思っていたのですが、お店への愛情もあり、役職に就いたと言うこともあり、気がつけば7年も新宿サブナード店にいました。

ラフィネ松尾春菜

――オープンから7年も同じお店にいたら、色々あったのではないですか?

松尾 そうですね・・・色々ありましたが、スペース(店舗)の経営が危なくなったことでしょうか。セラピストが辞めてしまったり、セラピストのモチベーションも下がってしまって、もう潰れるかもと思った事がありました。

――でも潰れなかった。

松尾 持ち直せました。スペース(店舗)を守るために、自分がリーダー(店長)を降りて、今のリーダー(店長)に任せたのが良かったんですね。自分がリーダー(店長)を降りてからは、ひたすら売上や技術に集中して、セラピストの模範となる役目として努めました。この大きな決断が、成功につながったと思っています。

――長年ラフィネで頑張られている松尾さんには難しい質問かもしれないのですが、忘れられない思い出に残っているお客様は?

松尾 う〜ん、いっぱいるので・・・決められません!(笑)。決められないのですが、しいて言えば、はじめて自分で指名が取れたお客様でしょうか。男性のご年配の方で、今でもたまにサロンに来てくれるんですね。私の“ここぞ”というときに、なぜかふらっとサロンに来てくれるんです。だから私にとって「キセキのおじいちゃま」なんです。私を指名してくれた第一号のお客様なので、大事なお客様の一人です。

――今の仕事を辞めたいと思った事はありますか?

松尾 去年の秋に私はこの仕事に向いていないのかなって・・・。セラピストという職業柄、自分をまず整えることが重要なんですけど、仕事が忙しかったこともあり、年齢もあり・・・。心がフラットな状態ではなく、ざわざわとした状態で入客してしまうことがあり、お客様からご意見を頂くことがあって・・・。セラピストできるかな、続けられるかなって思っていました。

自分のざわつき感がお客様に伝わってしまって・・・。心がお水みたいな感じがベストなんですけど、ちょっと色がついたり濁ったりしていると100%おもてなし、癒やして帰って頂こうというのがぶれる。その時はプロ意識が低かったですね。

――つい最近、辞めようと思った。でもこのお仕事を続けているのは何故ですか?

松尾 このざわついた感じは1、2ヶ月続いたんですけど、まずいと思って自分で業務量をコントロールをしたり・・・。それが良かったのか、自分に余裕が出てきて、原点に戻れました。自分の心が健康でないといけないなってシンプルな答えが見つかったんです。

この仕事を続けているのは、人を癒やすのが自分の使命だと思っているからです。私はセラピストという生涯手技を手に入れたので、この仕事をずっとやっていきたいと思っています。

ラフィネ松尾春菜

――気持ちをキープするのが大変なお仕事ですが、松尾さんにとってのモチベーションとは?

松尾 私の中で『人を癒すこと』と『素晴らしい音楽に触れること』が人生の目的の2本柱なんです。 昔、身体を壊した時に、自分が生きている意味を本気で考えて、本気でわからなかったんです。でも、この仕事に辿り着いて、お客様が元気になったり、ほんの少しでもお役に立てている実感を得られた時に、ただそれだけで、生きるに値するな、と思っています。それが私のモチベーションです。

――松尾さんが恩師と呼べる方はいらっしゃいますか?

松尾 沢山いて・・・。皆さん私にとっての恩師なので、一人を選ぶのは難しいですね・・・。4人いるんですけど。アカデミーの牧島講師、山口講師、安達講師ともうラフィネを離れられた河西さんです。河西さんは、全国で指名1位を取った伝説のセラピストで、一人しか選ばれないスーパーグランドマスターを2年連続で取ったすごい方なんです。河西さんからは、セラピストとしての接客など全てを教えてもらいました。いまだに自分の身体を視てもらっているんですよ。私が感覚で学ぶタイプなので、客として行って、河西さんからお客様との距離感とか色々な事を学ばせて頂いています。

――お休みの日はどう過ごしていますか?

松尾 ヨガに行ったり、ハーブをいじったり、何もしない日もあるし、音楽が好きなので、聞いたり歌ったり。休みの日は、仕事でちゃんとパフォーマンスが出せるよう、自分をメンテナンスすることに捧げていますね。仕事が好きなんでしょうね。

――将来の自分はどうなっていると思いますか?

松尾 南の島でアロマとかハーブを自分で作ってそれを使って、おばあちゃんになっても施術していると思います。死ぬまで人のために何かをやりたいですね。一生現役でいたいんです。役にたててやっと生きてて良かったなと思えるので。

――業界やセラピストを目指している方に一言。

松尾 これから多くの職種がロボット化して、人間の仕事がなくなるらしいですが、セラピストのお仕事は絶対になくなりません。人を傷つけるのも人かもしれませんが、人を救うのもやっぱり人だからです。直のコミュニケーションが希薄になりつつある時代に、思いやり温もりを手や表情から伝えることは、人間にとって大切なんだと証明していきたいです。

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