鍼灸師の将来性は?活躍し続けるための秘訣を紹介

今では、同じ会社でずっと就業することは当たり前ではなくなりました。転職が当たり前になってきた世の中だからこそ、せっかくならば少しでも将来性のある仕事を選びたいものです。

医療の仕事は少子高齢化が進む中で需要があるように思えますが、とりわけ鍼灸師にいたっては将来性はあるのでしょうか?やっとの思いで国家試験に合格し掴んだ鍼灸師の免許ですから、出来るならば無駄にはしたくないものです。

これより、あなたが1日でも長く鍼灸師として活躍できるよう、鍼灸師の未来、将来性について一緒に考えていきたいと思います。

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鍼灸師の将来は明るい?

さて、鍼灸師は将来性がある仕事なのでしょうか?国家試験の受験資格を得るために、皆さんは認定された学校に進学し、3年以上の月日をかけて猛勉強に励まれたことと思います。

ですから、せっかくの時間と労力が無駄にならないよう、鍼灸師になった先の未来に将来性を持たせてあげましょう。そのためには、まず皆さんの進路にも関係する鍼灸師が活躍できるフィールドを知っておくと良いのではないでしょうか。

東洋医学への注目度は高まってきている

医学的な根拠を元に患者の治療を行う西洋医学とは違い、東洋医学は身体を元の健康な状態に戻すために身体のバランスなどを整え、自然治癒力を高める治療を行います。

原因の不明な病気にも効果が期待できることから、昨今では鍼灸のルーツである東洋医学に対する注目度が高まってきているため、将来性は高いと言えるでしょう。

鍼灸の有効性をNIHが認めている病気もある

今まで、鍼灸はどちらかと言うと肩こり、腰痛ぐらいにしか効果がないように思い込まれてきました。実際に、鍼灸院に通う患者もこれらに代表する疾患を持つ人がほとんどです。

しかしながら、NIH(米国国立衛生研究所)によって、脳卒中の後遺症、自律神経失調症、高血圧、リウマチなど様々な疾患に対して鍼灸の有効性が認められました。

ゆえに、日本国内ではまだまだ認知度は低いものの、世界的に見ると大変注目されてきていると言えるでしょう。特に、西洋医学の代替治療として鍼・お灸は非常に注目されていま
す。

引用元
厚生労働省:あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 (通称:あはき師)について
公益社団法人 大阪府鍼灸マッサージ師会:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の基礎知識

NIHが認めた病気・疾病とは

小児疾患 夜尿症、消化不良、小児神経症(夜泣き・不眠症)など
泌尿器/産婦人科系疾患 月経、逆子、不妊、失禁症、月経異常、更年期障害など
感覚器系疾患 眼精疲労、メニエール病、耳鳴り、難聴など
疼痛性疾患 頭痛、三叉神経痛、術後疼痛、坐骨神経痛など
運動器系疾患 肩凝り、腰痛、五十肩、腱鞘炎、テニス肘など
循環器系疾患 冷え性、本態性高血圧症など
消火器/呼吸器系疾患 便秘、鼻炎、慢性胃炎、気管支喘息、食欲不振など
その他 肥満、自律神経失調症、顔面神経麻痺、不眠症、アレルギー疾患など

引用元
公益社団法人 大阪府鍼灸マッサージ師会:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の基礎知識
厚生労働省:あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 (通称:あはき師)について

伝統医療としてWHOが認定

また、NIHが多くの疾患に対して鍼灸の有効性を報告しただけではなく、WHO世界保健機構もまたその有効性を認め、漢方とともに鍼灸を日本の伝統医療として認知、採択しました。

漢方、鍼灸双方は、元々は中国に由来しますが、その後西洋医学を融合し日本国内で独自の進化発展を遂げている観点から、日本の伝統医療として認められたのです。

引用元
厚生労働省:あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 (通称:あはき師)について
米国国立衛生研究所( NIH ):合意形成声明

中国灸との違い

そもそも中国鍼灸と、我々が知っている日本国内で受けることができる鍼灸の施術にはどのような違いがあるのでしょうか?実は、鍼の太さが違います。

中国ではボールペンほどの太さのものを使用するのに対し、日本式では髪の毛ほどの細さのものを使用しています。しかし、中国でも美容鍼には細い鍼も用いられており、これが根本的な違いとはなかなか言いづらいです。

最も大きな違いとしては、治療に対する考え方ではないでしょうか。中国では「医療」と捉えられていますが、日本ではまだ「医療の補助、代替え」と考えられています。実際に、一部の疾患にしか保険が適用されないのが、その証明です。

活躍場が広がっている

現代医療がどんどん進化するなかで、鍼灸師になること、鍼灸について学ぶことに将来性を感じられない人は当然いらっしゃるのではないでしょうか。

けれども、西洋医学と呼ばれる現代の治療の進化と共に、病気になる前に、病を予防し身体の自然治癒力を高める東洋医学への関心・評価も高まってきているのです。

よって、以前は鍼灸院ほどしか見つからなかった進路も、介護福祉の分野をはじめ、スポーツ・美容など活躍の場も広がってきています。では、それぞれの分野について見ていきましょう。

介護・福祉

高齢化が進む日本では、介護・福祉の現場で鍼灸の需要が高まっています。例えば、薬物アレルギーがあり薬を投与することができない方でも、鍼灸であれば治療可能な場合もあります。

また、病気にならない健康的な身体を維持するために、鍼灸を取り入れる高齢者が増えており、現在では老人ホームや訪問型のリハビリテーションなど鍼灸師の活躍できる場所がどんどん増えてきています。

西洋医学の欠点として、治療の内容によっては高齢者の体力を奪ってしまうものもあるという点ですが、鍼灸はこういった心配もありません。もちろん使用できない疾患の方もいますが、多様な疾患に効果がある鍼・灸は福祉、介護の現場ではとても大切な存在になっています。

スポーツ・フィットネス

最近、フィットネスジムが人気となり、あちらこちらで見かけるようになりました。中でも大手のSAVASスポーツクラブ内には鍼灸整骨院が入っているなど、スポーツ鍼灸への関心も高まって来ました。はりや灸でツボを刺激し、アスリートの身体のコンディションを整えます。

また、鍼灸はスポーツの分野でも非常に需要が高いです。ドーピング検査対策で余計なサプリメントや薬の服用ができないスポーツ選手を治療する場合にも、スポーツトレーナーと同じく鍼灸師も必要とされています。

美容・エステ

鍼灸には、肌のターンオーバーを活性化させたり、血液循環を改善したりする効能があることから、美肌を維持したいと願う女性たちから大変支持されています。

メディアやモデルも注目している美容鍼灸は、皮膚科医も推奨していることから初めての方も安心して施術を受けることができるでしょう。

特に、美容鍼はコラーゲンを生成し、筋肉を引き上げる効果があるため、リフトアップされて小顔になるだけでなく美顔を手に入れることができるとあって、人気です。

レディース鍼灸

鍼灸は女性特有のホルモンバランスの乱れ・肌荒れ・不妊・生理不順にも効果があることから、女性向けの鍼灸という分野も出てきました。これらは、婦人鍼灸・レディース鍼灸と呼ばれ、レディース鍼灸院が出来るほど注目度が高いです。

現代では、不妊治療を受ける女性も増えていますし、高齢化の影響を受けて更年期障害に苦しむ女性もより増えてくると予想できますから、今後ももっと鍼灸師が求められるようになるフィールドではないかと思います。

そして、まだまだ鍼灸が女性特有の疾患に効果があるという認知度は、とても低いように思いますから、この分野はより一層確立していくべきではないでしょうか。

鍼灸師の就職先

従来は鍼灸院や整骨院等に勤めるか、独立開業くらいしか将来の選択肢がなかった鍼灸師ですが、現在の進路は非常に多様化してきています。ここでは、鍼灸師の就職先について紹介していきます。

鍼灸院・整骨院など

鍼灸の主な就職先のひとつが、鍼灸院や整骨院などです。来院される患者は、地域の子どもから高齢者まで様々です。はりや灸を使用し、患者の心と身体の治療を行ないます。

子どもの夜泣きや癇癪に力を入れているところや、高齢者の不調を中心に治療をおこなうところなどがあります。

医療関係

医療関係での求人もあり、主に整形科やリハビリステーションで、医師の指導のもと施術などをおこないます。東洋医学で患者の心身のバランスを整え自然治癒力を促し、現代医学で病気そのものにアプローチをするという、包括的なケアができると期待されています。

また、患者の病気に関する情報を医師や看護師と話し合い、より良い治療を目指すことや、鍼灸治療の研修成果を発表するなど、医療機関における鍼灸師の仕事は様々です。

美容サロン

鍼灸師は、美容業界でもニーズが高まってきています。お客様のお肌や体調など不調を、はりや灸を用いて解決することが主な仕事です。お客様の悩みを丁寧にカウンセリングし、顔や頭部を施術したり全身をケアをします。

また、美容サロンに勤務することで、美容に関する知識も習得できます。

フィットネス・スポーツジム

スポーツジムなどフィットネス業界に所属する鍼灸師は、アスリートの肩・腰などの部位の痛みを和らげたり、試合に向けて心身ともにコンディションを整えることが主な仕事です。

また、スポーツ鍼灸を行う場合は、はりや灸の知識だけでなく、スポーツに関する知識が必要になります。

アスリートの良きパートナーとして注目が集まりつつあるスポーツ鍼灸も、鍼灸師の就職先におすすめです。

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鍼灸師として活躍し続けるためには

活躍できるフィールドが広がり、需要も益々高まっている鍼灸師ですが、出来るならば長く一線で活躍し続けたいという方は当然多いはずでしょう。

ここからは、あなたが鍼灸師として活躍し続けるためにどうしたらよいのか、について一緒に学んでいきたいと思います。

各分野でのスペシャリストを目指そう

鍼灸師の需要の高まりと比例するように、鍼灸師の数は年々増加傾向です。

一方、これだけの人数が居ても足りないという意見もあり、今後はもっと鍼灸が世の中に浸透していくのではないか、と考えることが出来るでしょう。

他方で、鍼灸師にとっては、他者との技術の差別化を図っていかなければ独立開業などで名声を得ることは難しいという現状があるようです。活躍するフィールドが広がり、注目が高まる一方で、現場の悩みも多いと感じます。

リハビリの専門になる

鍼灸師の資格を取得して一定の実務経験があれば、機能訓練指導員になることができます。機能訓練指導員とは、介護保険法により、施設に一人以上の配置を定められているリハビリの専門家です。

機能訓練指導員になるためには、鍼灸師を含む、看護師などの7つの資格を取得しなければなりません。鍼灸師としての知識や経験をいかして、高齢者の身体の痛みや不調を、はりや灸で緩和しながらリハビリをおこなうことができます。

引用元
公益財団法人:日本柔道整復師会 日本機能訓練指導員協会

鍼灸師のやりがい

ここからは、鍼灸師としてのやりがいについて、インタビュー記事とあわせて紹介していきます。

感謝される喜びがある

鍼灸師は、自らの手で直接患者さんを治療します。 そのため、患者さんの調子が良くなったり、直接感謝の言葉をかけてもらったりした時の喜びは計り知れません。 人を助ける喜びが得られるのは、鍼灸師の大きなやりがいといえます。

「ありがとう」と言われることで、自分の仕事のモチベーションも上がり、鍼灸師としての自信にもつながるのではないでしょうか。

モアリジョブでは、実際に鍼灸師として活躍されている、はりきゅうルーム岳 竹内岳登さんのインタビュー記事を掲載しています。

「ベタなんですが、一番はやはり患者さんから直接「ありがとう」と言ってもらえること。あとは、患者さんの体調が改善されていくのも、時には悪くなる時も、いつも寄り添っていけるところです。マラソンの並走者のように、患者さんに近い位置で寄り添えるのは、医者ではない鍼灸師ならではだと思います。」

引用元
鍼灸師になりたいと思った最初の気持ちを大切に【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.49 はりきゅうルーム岳 竹内岳登さん #2】

独立開業の道がある

鍼灸師は、独立や開業するという道もあります。開業には初期費用もかかったり、収入面のリスクがあったりしますが、自分の腕を磨くことで高い収入を得ることも可能です。

また、自宅で開業することもできます。テナントを借りた場合と比較すると、費用が安く抑えられることや開業の手続きなどが簡単なため、自宅での開業をする鍼灸師もいるようです。ただし、施術ベッドなど大型の器具の搬入は必要となります。

鍼灸師は将来性のある仕事! 活躍できる道を追求しよう

鍼灸師は、患者との関わりを通し感謝される喜びを得ることができる仕事です。自分の知識や技術を高めながら患者一人ひとりと向き合い、心身ともに健康になる手助けをおこなっていきましょう。

また、NIHやWHOが鍼灸の素晴らしさを世界に発信したことで、近年では鍼灸師を取り巻く環境も変化してきました。医療業界はもちろん、介護や美容業界における鍼灸師の需要も増えてきています。

今後の鍼灸師の活躍できる場の増加も、十分に期待できるでしょう。自分の長く活躍できる場を、ぜひ探してみてください。

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