見慣れた髪型も何かが違う。「正解」だと確信できる環境で再スタートした美容師人生「bloc japon」池田裕和さん

一般のお客様はもちろん、芸能人やモデルからも愛され続ける、創業24年のヘアサロン「bloc japon」。トレンドを先取りしたクリエイティブスタイルとデザインカラーを得意としており、ファッション系学生などの若者を中心に支持を集めています。

今回お話を伺ったのは、美容師歴15年目で「bloc japon」のヘアディレクターを務める池田裕和さんです。前編では、キャリアの原点となる雑誌についてのお話から、1社目時代の経験と転職活動についてまでを伺います。

1社目時代、カットに苦戦したという池田さん。理論を理解していても実際に形にすることが難しく、同期が成長していく様子をみるなかで自信をなくしてしまったそうです。

今回、お話を伺ったのは…

「bloc japon」ヘアディレクター

池田裕和さん

愛知県出身。住田美容専門学校を卒業後、都内のヘアサロン1社を経て「bloc japon」へ入社。美容師歴15年目でヘアディレクターを務める。雑誌など外部の現場でも活躍する。

Ikeda’S PROFILE

お名前

池田裕和

出身地

愛知県

出身校

住田美容専門学校

プライベートの過ごし方

気になっていたご飯屋さんへ食事に行き、その周辺を散歩すること

趣味・ハマっていること

ラーメン、古着、お笑い番組、ラジオ、読書

仕事道具へのこだわり

シザーケースは白色にこだわっていますね。いろいろなファッションを楽しみたいので、どんな服装やカラーの邪魔をしない白色を選んでいるんです。

専門学校は現場で働く準備期間。知識を広げることに専念

美容師人生の原点には、雑誌の存在があるという池田さん

――美容師を目指したきっかけを教えてください。

雑誌の存在が大きいです。当時はいまと違ってSNSもなく、情報を簡単に手に入れる時代ではありませんでした。そんななかで、雑誌というメディアは僕にとってとても刺激的な存在で、よく読み漁っていたんです。

――そこから、どうして美容師に?

当時ストリートスナップの記事がとても流行っていて、おしゃれの参考によくチェックしていました。そのなかで「この人おしゃれだな」と感じた方の職業が、偶然にも全員美容師だったんです。そこから自然と美容師という仕事を意識するようになりました。もともとスーツを着て働くことに抵抗があったこともあり、「好きな服を着ながら、自分らしく働ける仕事なんだ」と憧れを抱き、この道を目指し始めました。

――専門学生時代の思い出はありますか。

常に反骨精神を持っていた学生だったと思います。愛知県の田舎出身ということもあり、都会出身の同期に対して「将来美容師になったとき、技術も知識も何ひとつ負けたくない」という強い対抗意識がありました。そのうえで、専門学校の2年間は「美容師としての自分にシフトしていく期間」だと捉えていたんです。

なので、卒業後は誰よりもスムーズに現場で活躍できるように、準備にはかなり力を入れていました。

――準備とは、具体的にどんなことを?

映画を観たり、美容室へ足を運んだりしていました。ファッションやヘアスタイルは、時代のカルチャーのなかから生まれてきたものだと思っています。だからこそ、その背景となる知識が浅いままだと、お客様をはじめ誰かと会話をしたときに、どこか薄っぺらく感じられてしまうのではないかと考えていました。

幸い、周囲にはさまざまな時代のカルチャーにくわしい方がいたんです。その方から吸収するために美容室に通い、理解を深めるために映画に触れていました。

――カルチャーに触れることを大切にしていたんですね。

はい。理解が深まると、自然とセンスも磨かれていくと感じています。美容師はデザインの幅や提案力が求められる仕事です。その土台を作る作業でもありました。さらに、話題の引き出しも増えていくので、結果的に接客力の向上にもつながります。技術だけでなく、人として厚みも育てることでお客様から信頼される美容師になりたかったんです。

理解はできても形にできない。カットの「流派」に苦戦した新人時代

1社目のカット技法は自分に合っていなかったと振り返る池田さん

――卒業後は、どのようなキャリアを歩まれてきたんですか。

最初は、クリエイティブなデザインを打ち出していた都内のヘアサロンに就職しました。

当時読んでいたスナップ雑誌のモデルが通っていたサロンで、以前から気になっていました。そんな時、偶然にも学校に求人が届き、『挑戦するしかない』と応募を決めたんです。

――働き始めてからはどんなことを感じられましたか?

カットにかなり苦戦しました。カットにはいわば“流派”のようなものがあり、理論やプロセスもサロンごとに異なります。1社目で教わった技法の理論自体は理解できていたんですが、実際に自分の手で形にしようとすると、なかなか思うようにいかなかったんです。

――美容師本人にしかわからない領域の話ですね。

そうかもしれません。同期がどんどんカリキュラムを進めていくなかで、自分だけが足踏みしている感覚がありました。特別不器用なタイプではないと思っていたので、「こんなにもできないのか」と当時は大きなショックを受けました。

――それは、どのように解消されたんですか?

解消することなく、転職という選択をしました。2社目となる「bloc japon」に入社してからは、驚くほどスムーズにカットのカリキュラムを進めることができたんです。そこで初めて、技術にも相性や流派との適合があるのだと実感しました。

以前の環境が間違っていたというよりも、技術面が自分に合う場所ではなかったのだと思います。「bloc japon」の考え方や技術の方向性は、自分の感覚としっかり噛み合っていました。

人生は一度きり。専門学生時代から憧れていたサロンへ挑戦

池田さんがキャリアを再スタートさせたヘアサロン「bloc japon」

――「bloc japon」には、どんな経緯で転職されたんですか?

美容師3年目のタイミングで、一度立ち止まって自分を見つめ直したことがきっかけです。

カットの悩みを抱えていた一方で、周囲のスタッフやお客様には本当によくしていただいていて、環境そのものには充実感もありました。だからこそ、簡単に決断できたわけではありません。それでも、心のどこかでずっと「このままでいいのか」という小さな違和感が消えずに残っていたんです。

そんなとき、専門学生時代から通っていた「bloc japon」の存在が頭に浮かびました。もともと憧れていた場所でもあり、「人生は一度きりだからこそ、挑戦してみたい」と思うようになったんです。そして、その思いに正直になって一歩を踏み出しました。

――実際に入社してみていかがでしたか。

先輩方が作るスタイルのかっこよさが、何より印象的でした。見慣れたはずの髪型なのに、仕上がりはどこか違う。目の前で当たり前のようにハイレベルなデザインが生まれていく光景を見て、「このレベルまで上達できるなら、ここに入社して正解だった」と心から思いました。

――かなりの衝撃だったんですね。

本当に衝撃でした。あと、先輩方がみなさん洒落ているんです。ファッションやメイク、ヘアスタイルはもちろん、「自分は〇〇のカルチャーが好き」と語れるものを持っていて。その知識の豊富さにリスペクトを抱くと同時に、だからこそクオリティの高いスタイルが生まれるのだと腑に落ちました。


後編ではスタイリストデビュー後のキャリアについて詳しく伺います。デビュー直後の入客は1日3名程度で、集客に苦しんだという池田さん。工夫を凝らしながらお客様1人ひとりに合わせた提案を行うことで、少しずつリピートが増えていき解消できたといいます。後編もお楽しみに!


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bloc japon
住所:東京都渋谷区宇田川町32-7 YY UDAGAWA BLD. 11F
TEL:03-3462-0070

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