子どもが大好きだったのに襲った不安。先輩を観察し、何度も反復して乗り越えた壁「チョッキンズ」天野美月さん

関東を中心に店舗を展開する「こども専門美容室 チョッキンズ(以下、チョッキンズ)」。今回は二子玉川店でスタイリストとして活躍する天野美月さんにご登場いただきます。

前編では、天野さんが美容師を目指したきっかけや、1社目のサロンでの経験についてお聞きしました。

後編では、「チョッキンズ」に転職した天野さんが直面した壁について伺います。

子どもと関われる環境を楽しみに入社したものの、実際の現場では、想像以上に動いてしまう子どもたちへの対応や、入店から退店まで30分以内に施術を終えるというスピード感に戸惑う日々。その不安を、先輩の技術を間近で観察しながら学び、スタッフ同士で連携することで、少しずつ乗り越えていきました。

今回、お話を伺ったのは…

天野美月さん

「チョッキンズ 二子玉川店」スタイリスト

東京都出身。横浜fカレッジで美容師免許を取得後、都内の美容室に入社する。その後、子どもと関わる仕事がしたいという思いから、2021年に「チョッキンズ」に転職。現在は美容師歴7年目で、「チョッキンズ二子玉川店」でスタイリストとして活躍中。

ゼロからカット練習をやり直し。実践で身につけた技術

天野さんが入社した「チョッキンズ 二子玉川店」

――「チョッキンズ」に入ってから、仕事はどのように覚えていきましたか。

私は中途採用だったので、新卒のような一律の研修カリキュラムではなく、自分の経験やスキルに合わせて練習内容を組んでもらっていました。アシスタントとして練習の時間をつくってもらいながら、営業前や営業後には自主練という形で、カットの練習をしていましたね。

最初はウィッグで練習をして、そこから徐々にモデルさんに移行していく流れで、その点は一般的なサロンと大きくは変わらないと思います。

お子さんがいるスタイリストにお願いして、お友達のお子さんを呼んでもらい、カットさせてもらうことも多かったです。

前のサロンでも少しだけカットの練習はしていたのですが、ほぼゼロからのスタートだったので、最初はやっぱり苦戦しました。

――カット技術はどのように習得していったのでしょうか。

入社して半年ほどで前髪カットのお客様に入り始め、その後、女の子の全体カット、男の子の全体カットと、少しずつステップを踏んでいきました。本格的にスタイリストとしてデビューしたのは、入社から2年ほど経ってからです。

以前のサロンでは、テストに合格したらその技術に入るという流れだったのですが、「チョッキンズ」ではある程度できるようになったら「じゃあやってみよう」と、実践に入るスタイルで。実際にお客様を対応しながら、覚えていくことが多かったです。

想像以上だった、動いてしまう子どもと時間制限という壁

入社当時に感じていた壁について話す天野さん

――入社してから感じた壁はありますか?

暴れてしまうお子さんがいることと、時間への意識を強く持たなければいけないことです。

正直にいうと、私は子どもに慣れているつもりだったので、ここまで動いてしまう子がいるということは想像していなかったんです。

そして「チョッキンズ」ではヘアカットされるお子さんの集中力や負担を考えて、入店から退店まで30分で終わらせる必要があります。入社当時、暴れてしまうお子さんをなだめながら手早く対応する先輩を見て、「本当に自分にできるようになるのかな」と不安を感じていました。

――それをどのように乗り越えましたか?

暴れてしまうお子さんに対しては、受付スタッフがあやしてくれるなど、チームで連携する体制があるので、スタイリストとしてはとにかく技術と安全面に集中することを意識していました。

あとは、とにかく声をかけ続けることです。テレビに夢中な子や、恥ずかしがっている子、泣いている子でも、どこかで反応してくれるポイントがあるので、それを探しながら距離を縮めていきました。

――スピード感はどのように身につけましたか?

うまい先輩スタイリストの真似をすることを意識していました。

アシスタント時代、泣いているお子さんをあやす役割を任されることが多く、そのときが一番近くでスタイリストのカット技術を見られる場でもありました。

「早い人はどこでカットの時間を短縮しているのか」を見るようにして、吸収していました。今でも、うまい人を観察することはずっと続けています。見て学んで、実践するのが、技術力が高くなる一番の近道だと思います。

そうやって現場で経験を重ねながら、少しずつできることが増えていった感覚です。

――それを続けていくうちに、当初の不安はなくなっていったと。

そうですね。スタイリストデビュー後くらいから、少しずつ余裕が出てきたと思います。

それまでは、「早く切らなきゃ」という思いばかりが強くて余裕がなかったのですが、うまくいかないときも「じゃあこういう声掛けをしてみようかな」などと、選択肢が持てるようになってきて。

今はどんなお子さんがいらっしゃっても、落ち着いて対応できるようになったと感じています。

泣いていた子が笑顔に。その変化がやりがいに

仕事のやりがいについても伺った

――キッズサロンならではのやりがいは、どんなところに感じますか?

お子さんとたくさん関われることと、直接「ありがとう」と言ってもらえることです。

とにかくお子さんとの時間が私にとってはとても楽しいです。保護者の方から感謝されることも多いですが、少し大きいお子さんだと、最後にアレンジをしてあげたときに、「可愛くしてくれてありがとう」と言ってくれることがあって、それはとてもうれしい瞬間です。

――お子さんから感謝されるのは、大きなやりがいになりそうですね。

はい。あとは、お子さんの成長を感じられることもやりがいのひとつだと思っています。以前来店したときは泣いてしまっていたお子さんが、次に来店されたときに泣かずカットできたり、笑顔を見せてくれたり。

泣いてしまうのは普通のことですし、こちらも対応できるのですが、やっぱりここに来たお子さんに楽しんでもらいたい気持ちがあるので、少しずつ慣れていく様子を見ると、うれしく感じます。

私はお子さんにも自信を持ってもらえるように、できたことをたくさん褒めるようにしているのですが、最初は泣いていたお子さんも、帰り際には笑顔で手を振ってくれることも多くて、その瞬間にこの仕事をやっていてよかったなと感じます。

――仕事を通じて、ご自身に変化はありましたか?

元々は人見知りな性格でしたが、仕事ではそれを克服できたと思います。

最初はお子さんと話すのは得意でも、保護者の方と話すのは少し緊張してしまうことも多かったんです。でも、お子さんを通じて自然と会話する機会が増えていくうちに、少しずつ慣れていきました。

今では人見知りが発動してしまうことはほとんどなくなり、自分でも変わったなと感じています。仕事は、自分を成長させてくれる場だと思いますね。

――今後の目標を教えてください。

お子さんからも保護者の方からも信頼され、「この人にお願いしたい!」「このお姉さんにまた会いたい!」と思ってもらえるような美容師になりたいと思っています。

天野さんが充実した新人時代を送れた3つの理由

1. 違和感を無視せず、自分のなりたい美容師像を選び直した

2. 先輩の技術を観察し、実践のなかで学び続けた

3. 子どもとの関係性を築く力を伸ばしながら、自分の強みとして確立した

天野さんの話から見えてきたのは、「自分に合う環境を選び直すこと」の大切さでした。

一度は一般的な美容室に就職しながらも、違和感をそのままにせず、「子どもと関わる仕事がしたい」という思いに正直に向き合った天野さん。

お子さんと関わる仕事を、心から楽しんでいる姿が印象的でした。自分に合う場所で、自分の強みを活かすこと。天野さんの歩みは、これから美容師を目指す人にとって、大きなヒントになるはずです。


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チョッキンズ 二子玉川店
住所:東京都世田谷区玉川2丁目21-1 二子玉川ライズS.C. タウンフロント 8F
TEL:03-6805-7644

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