一流をターゲットにし激戦区で大成功！ 本物にこだわった空間で人気を集める『LONESS』の経営戦略
2016年に表参道に誕生したヘアサロン『LONESS』。約700店が集結する激戦区で確実にファンを獲得し成果を上げ続けています。今年の3月には2号店を銀座にオープンするなど、その勢いは加速するばかり。そんな『LONESS』が成功した理由には、ターゲットを意識したコンセプトや本物にこだわった魅力的な空間がありました。
今回は代表の片山良平さんにインタビュー。一流のお客さまから信頼を獲得するサロン作りに迫ります。
共同経営だからこそ、バランスのとれたサロン運営が可能
————まずは『LONESS』の強みはどういったポイントにあるとお考えでしょうか？
「代表が僕と本田のふたりによる共同経営であることが強みだと思います。トップがふたりいればアンテナが倍になるので、美容業界の流行の移り変わりをいち早く察知できるんです。そして周りよりも早くサロンに落とし込むことができます。また、もともとお互いが違う美容室の出身であることも大きな武器です」
————それぞれが違うサロンの出身だと、どのようなメリットがありますか？
「経営方針や教育方法など、よいところをブレンドできるのでバランスのとれた経営が可能になります。代表がひとりだと、自分が育ったサロンの経営方法しかわからないので、たとえそのやり方が自分に合っていなかったとしても5年、10年経つと徐々にスタイルが似てくるんです。たとえば体育系の教育方法が苦手でも、気が付くと自分のお店でも同じような教育になっているなど。現在の美容業界は、このサイクルで回っているサロンがかなりあると感じていますね」
by your side be yourself （あなたに寄り添い、あなたらしく）
————おふたりでの話し合いのなかで、とくにこだわった経営のポイントを教えてください。
「まずはサロンのコンセプトにこだわりました。なぜならコンセプトが決まらなければ、スタッフがどのようなスタイルを目指せばよいのかわからないうえ、お店の内観も作ることができません。さらに集客のための発信もどのように打ち出せばよいのかわからないので、お店の魅力がまったくお客さまに届かないんです。ふたりで2年ほどをかけてじっくりと話し合って『by your side be yourself （あなたに寄り添い、あなたらしく）』に決めて、そのコンセプトに沿ったサロンを目指していきました」
————なぜ、そのコンセプトにしたのでしょうか？
「女性が憧れる女性をターゲットに決めたからです。つまり、おしゃれのトップを走っているような女性ですね。上位を満足させることができれば、憧れを抱いている女性たちも自然と足を運んでいただけると考えました。ハイセンスの方たちは、すでにさまざまな美容室をめぐり、ある程度どのスタイルも経験しています。それでも『何か足りない。もう少しよくしたい』と思い来店されるんです。その何かを見つけるために、僕たちがとるべき姿勢は、背後に立ってお客さまの新しいチャレンジを後押しするのではなく、また前方からさまざまな提案をして自分の得意なスタイルに引っ張り込むのでもなく、真横で目線を合わせてじっくり話を聞きながら、一緒のペースで歩き続けることです。そこで『by your side be yourself （あなたに寄り添い、あなたらしく）』をコンセプトに決めました」
本物にこだわった空間作り
————コンセプト作りの他に、こだわったことはありますか？
「技術の次に求めるのは居心地のよい内観だと思ったので、空間作りにはとてもこだわりました。飲食店でたとえれば、ステーキ屋でおいしいお肉料理を食べられるのは当たり前で、再来店したいと思うポイントは雰囲気にかかっていると思うんです。だからこそ、相当な額をつぎ込んで内装を作り込みました。周りのオーナーから『バカ』だって言われたぐらい（笑）」
————具体的にどのように内装を作っていったのでしょうか？
「住居をイメージした空間を作りました。一番落ち着ける場所を考えたときに、誰もが自分の家がもっともリラックスできると思ったからです。そこでまず、エントランスにあたるスペースを作りたいと思い、受付の前を少し広めにとっています。またカットスペースに向かう途中に木製の通路を作ったこともこだわったポイントです。ちなみに店内の木目の部分も、飾っている植物もすべて本物の木を使っています。床のレンガも本物です。一流の人がいらっしゃいますから、そういった細かな部分にこだわっていなければ満足してもらえません。また、本物の木を使うことで日々の仕事の軌跡が味わいに変わり、年数を重ねるごとに魅力的なサロンに変わります」
お客様に寄り添うサロン作りの極意
オープン後まもなく人気サロンに成長した『LONESS』。一流のお客さまから信頼されるサロン作りの極意をまとめると下記の3つでした。
１.共同経営で、お互いの強みをブレンドさせる
２.ターゲットを意識したコンセプトを掲げる
３.本物にこだわった空間作り
後編ではサロンのファンを獲得し、安定した成果を上げ続ける秘密に迫ります。
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