商品ができ上がったときはホッとして、嬉しくて、まるで難産を終えたよう IPSA 商品開発グループ 松原愛子さん#2
IPSAレシピストを経験した後、兼ねてからの希望だった商品開発グループに異動し、人気商品を手掛けてきた松原愛子さん。前編では、レシピスト時代に努力したことや、IMA(イプサメイクアップアドバイザー)資格取得とその活動内容についてお伺いしました。
この後編では、商品開発のために日々アンテナを張り、お客さまの動向を読み取っていること、またレシピスト経験が現在の業務にどう活きているかなど教えていただきました。
日々アンテナを張り、お客さまの動向を読み取る
――商品開発グループには何名のスタッフがいるのでしょうか。
11名です。基本的に2チーム(1チーム5~6名)に分かれて動いていますが、グループリーダーやチームメンバーも「もっとこうしたらいいのでは」と一緒に考えてくれます。ひとりでたくさんの企画を出すというよりも、チームでひとつのものを深く練るという感じですね。
――アイディアはどこから生まれるのですか。
日々アンテナを張って、いろいろなところから情報収集しています。毎月店舗から上がってくるレポートやお客さまの声にもくまなく目を通して、お客さまの動向を読み取るようにしています。
――松原さんはレシピスト経験がありますが、現在のお仕事に活かされていますか。
とても活きていると思います。お客さまと触れ合った時間があったからこそ、店頭レポートを読んでいてもイメージしやすいですし、商品を作っている段階で自分がレシピストならお客さまにどうやって紹介するだろうと考えることができるからです。そうするとだいぶモノ作りがクリアになってきます。レシピストと商品開発の仕事にはすごく繋がりを感じますね。
自分が作った商品で毎日のお手入れをサポートできることが嬉しい
――松原さんが商品開発に携わった商品にはどんなものがありますか。
セラム アクティブは初期段階に携わりました。こちらは運動と美肌の関係に着目した美容液になります。
――運動と美肌の関係?
運動後の肌っていきいきとすがすがしい印象だよねという声がチームで上がったのですが、実は研究所でもそのような肌について研究を進めていました。研究の結果、仕事やプライベートでアクティブに活動される 方の肌をサポートできるイプサ独自のテクノロジーを搭載した、新しい美容液が生まれました。
――商品はどのように誕生したのですか。
知見を活かして、日中の長い活動時間を積極的に活用し、美しい肌に導くイプサ独自技術「ACT5テクノロジー(※)」を新たに開発し、うるおいとハリにアプローチできる設計にしました。
また、使うたびに“いきいきとすがすがしい肌“を感じていただけるよう、みずみずしくなめらかなテクスチャーにもこだわっています。
――商品ができ上がったときはどんな気持ちですか。
ホッとして、嬉しくて、まるで難産を終えた感じでしょうか。
――終わりがない業務のような気がしますが、残業が多かったりしますか。
基本的には勤務時間内で進めていますので、それほど残業は多くないです。社長に企画書を提案したり、新商品発表会前など山場を迎えるタイミングでは少し忙しくなりますが、それでも残業は月に10~20時間くらいです。それ以上にならないように業務効率を上げることに努めています。
――商品開発の楽しさはどんなところですか。
まずお客さまが自分がつくった商品を選んでくださり、身近に置いて毎日のお手入れをサポートできていることがとても嬉しいです。それが目に見えて分かるのがベストコスメの受賞や口コミ評価などになりますが、そういったものを目にすると達成感を感じます。
自己研鑽した結果が世のため人のためになる。それが働くということ
――現在の課題はどんなことですか。
1才の子どもがいるので平日9:30~16:15の時短勤務をしていますが、育休前の業務量になるべく早く近づけるようにがんばりたいなと思っています。
――時短はいつまで可能なのですか。
子どもが小学校4年生になるまでです。1日最大2時間、勤務時間を短縮できます。
――実際ママになって働きやすさはいかがですか。
それまではあまり気にしていませんでしたが、産育休を取得してみてすごく環境が整っているのだなと実感しています。育休は子どもが満3才になるまで取得でき、出産祝い金、カンガルーム、子ども看護休暇、マタニティウェアなど育児支援制度も充実しています。
チームにもママがたくさんいるので子育てに理解があり、復帰したては子どもが体調を崩しやすいからとあらかじめ業務分配してくださいました。そのため子どもの急な発熱でも休みやすいです。もちろん、自分自身の業務にかかわることは事前にチームメンバーや上司に報告するなどリスクマネジメントをしながら進めていますが、整ったサポート体制がとてもありがたいです。
――すごく働きやすい環境なのですね。では業界を目指す方にアドバイスをお願いします。
化粧品はとても美しくてきれいなものなので、それにずっと触れ合って仕事ができることはとても魅力的だと思います。その一方で化粧品がお客さまの手元に届くまでには、いろいろな人と関わってスケジュールを組んでと、地道で細かいことも求められます。そのためコミュニケーション能力があるととてもよいと思います。また化粧品業界は少し先を見る目が大切なので、流行等に対してアンテナを張るのが好きな方に向いていると思います。
――最後に松原さんにとって働くとは?
自己研鑽。自分のために働くというよりも、自己研鑽した結果が世のため人のためになる。それが働くということなのかなと思っています。もうひとつ、ひとりでは働けないのでおごらず謙虚に仕事することを心がけています。ちょっとしたことでも相手に感謝する。そういうことが働く上で大切なことではないかと思います。
松原さんが化粧品業界で輝いている3つの理由は
1.企業理念に重点をおいて就活した
2.商品開発で働くという明確な目標があった
3.目標を達成するためにIMA資格取得や社内公募にチャレンジをした
レシピストから兼ねてからの夢だった商品開発へ異動し、人気商品を手掛けている松原さん。レシピスト経験があったからこそ生み出せる松原さんの商品作り、今後がますます楽しみです。

撮影/大崎聡
取材・文/永瀬紀子

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