ネイリストが独立するには?資格・準備・メリットを解説
近年、「ネイリストとして独立したい」という方が増えてきました。一人のネイリストとしてさらに活躍したい、独自の経営方針でサロン開業に挑戦してみたい、時間に縛られず自由に働きたい、など独立開業したい理由はさまざまです。
今回の記事では、ネイリストとしての独立開業に必要な準備を詳しく解説します。さらに、独立して働く場合のメリットと注意点もお伝えするので、独立を考えている方はぜひ役立ててください。
ネイリストの独立に必要な資格はある?
ネイリストとして独立開業するために、必要な資格はありません。しかし、お客様から信頼されるためには、施術者の資格の有無は非常に重要です。
資格は「この施術者は信頼できるスキルをもっている」ということを示すもの。プロフェッショナルとして独立するからには、取得できるものは積極的に取得したほうがよいでしょう。
おすすめのネイル資格
ここでは、ネイリストとして独立開業するときにぜひ持っておきたい資格を2つご紹介します。
JNECネイリスト技能検定1級
JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター)が主催する検定試験です。ネイリストとしての正しい知識とスキルを証明する検定として、これまで80万人を超えるネイリスト志望者が受験しています。
1級から3級まで分かれており、3級は基礎、2級はサロンワークに必要な内容、1級はトップレベルのネイリストとしての総合的な内容です。
独立してより信頼されるネイリストを目指すなら、やはり1級を取得しておいたほうがよいでしょう。
JNAジェルネイル技能検定上級
JNA(NPO法人日本ネイリスト協会)が主催する検定試験です。ジェルネイルに特化した検定であり、初級・中級・上級コースに分かれています。
もっとも上位の資格である上級では、ジェルネイルのスペシャリストとして通用する技術や知識を身につけることが可能。ネイルサロンのメニューは60%以上がジェルネイルといわれており、ネイルの現場においてジェルネイルのスキルは必須といえるでしょう。
JNAジェルネイル技能検定試験 | NPO法人 日本ネイリスト協会
ネイリストの独立開業でやるべきこと・準備
つづいて、ネイリストとして独立開業するときには何をすればいいのか、順を追って確認しましょう。
ネイルサロンを開く場所を決める
開業するためには、サロンを開く場所が必要です。開業の種類として、おもに下記のような4つのパターンがあります。
1. 自宅:自分の住む家でネイルサロンを開く
2. 賃貸物件:貸店舗を借りてネイルサロンを開く
3. レンタルサロン:設備が整ったレンタルサロンを借りて営業する
4. 出張サロン:店舗を持たずお客様のもとに出向いて施術する
自分がどの形のネイルサロンを開きたいか、どういう働き方をしたいかを考えたうえで選びましょう。
開店資金を用意する
開業するには、資金も必要です。
たとえば、賃貸物件を借りてネイルサロンを開く場合、物件の賃貸料や内装工事費用、宣伝広告費などで150~200万円ほどかかるといわれます。開業初期から従業員を雇う場合は、さらに費用がかかるでしょう。
自宅でネイルサロンを開業する場合は、賃貸料が発生しないのがいちばんのメリットといえます。施術に必要な家具やネイル道具一式さえ揃っていれば仕事ができるので、費用としては20~30万ほどあれば開業できるケースが多いようです。
自己資金で不足する費用については、日本政策金融公庫などの融資を受ける方法もあるので検討してみてください。
開業届を出す
開業届とは、新たな事業を始める際に、事業の新設あるいは事業所の移転などを報告する手続きのことをいいます。正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、独立する場合、事業を開始してから1カ月以内に税務署に提出することが必要です。
なお、個人事業主の場合、屋号(法人でいうところの会社名)をつけることができます。必須ではありませんが、店名などを設定してみてはいかがでしょうか。
確定申告時に税金の控除を受けたい場合は、開業届とあわせて「青色申告承認申請書」も提出しましょう。
引用元
集客する
ネイルサロンは競合が多いため、集客が非常に重要です。集客にはいろいろな方法があるので、可能な範囲で多くのやり方を試してみましょう。
また、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
ネイルサロンのおすすめ集客方法を紹介|集客を成功させるポイントと注意点とは?
ホームページを作る
自身のネイルサロンのブランドをしっかりと広め、認知されたいなら、公式ホームページの制作は必須です。ホームページにはサロンの詳しい情報を載せることができ、お客様への安心感にもつながります。
WEBサイトの制作会社に依頼するほか、月額1000円程度で自分でも簡単にホームページをつくれるサービスを利用する方法もあります。
ポータルサイトに掲載する
ホットペッパービューティーやエキテンといったポータルサイトに、お店の情報を掲載する方法もおすすめです。掲載費用がかかる場合がありますが、有名なサイトなら利用者も多く、高い集客効果を期待できます。
SNSを利用する
TwitterやInstagramなどのSNSもぜひ活用してみてください。拡散力に期待できるTwitterではキャンペーン情報など、視覚的に訴えられるInstagramではネイルデザインなどを掲載するのがおすすめです。
ネイルサロンを成功させている人の多くは、SNSを頻繁に更新して情報を拡散しています。SNSによって口コミを広げ、多くのリピーターを獲得しましょう。
チラシをポスティングする
自店の存在やニューオープンを知らせるチラシを作って、近隣の家庭にポスティングしたり、人が集まる場所で配布したりする方法もあります。アナログ方式ではありますが、地域の人々をターゲットにする場合は、ぜひ取り入れたい集客手段です。
チラシ限定のクーポンを付けたり、予約サイトやSNSなどに誘導するQRコードを載せたりするのもよい方法でしょう。
経営の知識も必要
ネイルサロンを開業するということは、自分一人でお店を経営するということ。そのため、ネイリストとしてのスキルだけでなく、経営者としての経営・経済に関する知識も必要になります。
そこで、お店の経営方法や売上管理方法、簿記などを開業前に学んでおくことが大切です。施術だけをすればいいのではなく、収益や経費などを計算する経理業務をおこない、自分で確定申告をしなければなりません。
ネイリストが独立して働くメリット
ここからは、ネイリストが独立して働くことのメリットをお伝えします。
1. 収入アップを目指せる
サロンに雇われているわけではないため、収入は固定給ではありません。そのため、自分でしっかり集客できれば雇用されているときよりも高収入を狙えます。自分の強み・特徴を活かして上手にお客様を取り込み、収入アップを目指しましょう。
2. 自由度が高い
独立すれば、さまざまな面で自由に働けるという点もメリットです。労働時間を調整できるだけでなく、メニューや料金、店の雰囲気なども自分の好きなようにすることができます。
シフト制で働く時間を決められていたり、店のルールに従わなければならなかったりして窮屈な思いをしていた人は、独立することで働きやすくなるのではないでしょうか。
3. お客様とより近くで向き合える
働くサロンによっては、回転数が重視されるなど一人のお客様に対する接客が充分行き届かないことも。もっとお客様に寄り添った対応をしたい人は、ジレンマを感じているかもしれません。
しかし、独立して自分の店を持てば、きちんと向き合って丁寧に接客できます。また、お客様のことだけを集中して考えられ、他のスタッフとの人間関係にも悩まなくて済むことがメリットです。
ネイリストが独立するときの注意点
では、ネイリストが独立する際に気をつけることはあるのでしょうか。3つの点を解説します。
1. 収入が不安定
「働けば働くほど収入が増える」ということはメリットでもありますが、逆をいえば仕事がなければ収入も全くないということです。
サロンで固定給が決まっている場合は、安定した収入が得られます。しかし、フリーランスには固定の収入がないので、収入が不安定になりやすいでしょう。
また、意気込んで独立してみたものの、想像していたほど稼げないというパターンもありえます。独立は慎重に検討することが大切です。
2. 自力で集客しなければならない
サロンに勤めるのであれば、集客や宣伝はすべてサロン側がおこなってくれます。しかしフリーランスの場合は、集客・宣伝をすべて自力でおこなわなければなりません。うまく集客できなければ仕事が減り、それだけ収入も減ることになるでしょう。
特に、はじめは知名度もなく信頼も低い状態なので、集客に苦労する可能性があります。
3. 開業資金が必要
前でも触れたように、開業にあたってまとまった資金が必要です。また、開業後は自分の力でしっかりやりくりをしなければなりません。最初から大きな利益を上げるのは難しいため、当面の生活費も用意しておくことが大切です。
ネイリストの独立は慎重に計画を
ネイリストの独立といっても、働き方はさまざまです。しかし、フリーランスであれば日時の都合がつけやすく、家庭やプライベートの時間を大切にしながら効果的に収入を得ることができます。
開業までにやるべき準備や独立開業時の注意点も知ったうえで、自分がどういう生活を目指しているのか、ネイリストとして何を目標としているのかを考えて、独立について検討してみましょう。
引用元
JNAジェルネイル技能検定試験 | NPO法人 日本ネイリスト協会