お客様も美容師も求めていたものに出会える。そんなサロン作りがこだわり【Seek by Belle 佐野雄基さん】#2
人気美容室Belleの新ブラントとして登場したSeek by Belle(シーク バイ ベル)は、ハイレベルな技術と接客が魅力のサロン。代表を任されたのは、美容師としての確かな腕と人間力を認められた佐野雄基さん。お客様とスタッフの幸せを一番に考えながら、理想のサロン作りをスタートしました
後編では、新店立ち上げの経緯から、力を入れている取り組み、今後の目標などをお聞きしました。
お話を伺ったのは…
Seek by Belle
代表・美容師 佐野雄基さん
美容学校卒業後、都内1店舗を経てBelle入社。2017年にat’LAV by Belle(アットラブ バイ ベル)にてスタイリストデビュー。Belle Ginza 並木通り店(ベル ギンザ ナミキドオリテン)に異動し、副店長、店長、エリアマネージャーを歴任。2025年4月、千葉でSeek by Belleをオープン。顔や骨格、髪質に合わせたカットを得意とし、中でもショート&ボブが高く支持されている。
Instagram:@hairsalon_seek
「求めていたものに出会える場所」を目指し、千葉に新店をオープン
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――いずれ独立したいとか、サロンを作りたいという思いはずっとあったのでしょうか。
そういう思いが出てきたのは、30歳になった頃だと思います。会社の代表に相談したら、「自分で独立出店しても成功すると思うし、Belleの新ブランドとして出してもいいし、美容師仲間と共同で店を持つこともできる。どの道を選んでもいいと思う」と言っていただきました。
いろいろな選択肢がある中で、僕はBelleというサロンが好きなので、今の形を選びました。すでにBelleの姉妹店を出している先輩方がいたので、具体的にイメージしやすいというのも良かったです。
――店を出すにあたり、千葉を選んだ理由は?
最初は、横浜、錦糸町、千葉の3つで悩みました。東京のいわゆるトップエリアはサロンがたくさんあって飽和状態ですし、厳しいなと思ったんです。長岡(knot by Belle代表の長岡信一さん)が大宮、新井(Unica by Belle代表の新井直樹さん)が吉祥寺に店を出していたので、1都3県の中で考えると横浜か千葉方面かなと。
――悩んだ末にこの場所にした決め手は何だったのでしょうか。
エリアを千葉に決めてから、柏駅周辺と千葉駅周辺で物件を探したのですが、駅の大きさや人の多さ、街の雰囲気を見てここにしました。古い建物が多い中でこのビルはきれいでしたし、自然光がたっぷり入って心地良いのも決め手でしたね。
――Seek by Belleのコンセプトを教えてください。
「Seek」には「探し求める」「追求する」という意味があるのですが、「千葉のお客様が求めていたものに出会える場所でありたい」という思いを込めて名付けました。それとともに、美容師にとっても探していたものに出会える場所でありたいと考えています。例えば求めている技術が学べたり、お金に困らず美容師を楽しむことができる環境だったり。この地域の美容師が働きたいと思えるサロンが理想です。
――今、サロンで力を入れている取り組みはありますか。
自分自身がスタイリストになった時に後悔したのが、アシスタント時代からもっとカウンセリング力を鍛えておけば良かったということでした。その反省を活かし、今は営業前に時間を作ってロールプレイングをするなど、カウンセリング力の強い店にしたいと思っています。
――カウンセリングの重要性について、どのようにお考えですか。
お客様の「なりたい」を叶えるには、カウンセリングが8割だと思っています。その人の要望をちゃんと聞き出せなかったり、気持ちに寄り添えなかったりすると、どんなにうまい技術があってもお客様は満足できないのではないでしょうか。美容師は技術職でもありサービス業でもあります。サービスの根本となる接客の中でも特に、一番最初にお客様と接するカウンセリングが、本当に重要な位置を占めているのかなと。
――美容師さんに自分の要望を伝えるのが難しいと感じているお客様も少なくないと思います。そこをうまく引き出すコツはあるのですか。
なるべくお客様に選んでもらえるようなカウンセリングを心がけています。例えば、こういうショートにしたいという画像を持って来てくださったとします。でもきっと、気になったのはその一枚の写真だけではないはず。他に保存している画像があるか聞いて、それをしっかり見るようにしています。複数枚を見ることでお客様の好きな系統をつかむことができるし、「これとこれなら、どちらがより好きか」をお客様に選んでもらいながら、要望を具体化していくことができます。
「人間力」の根源は、人が好きという思い
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――オープンから約5ヶ月(取材時)ですが、銀座と千葉の違いを感じている部分はありますか。
都内の技術を千葉で受けられるという打ち出し方をしているので、お客様の期待値はすごく高いのかなと感じています。
――期待にしっかり応えていかないとですね!サロンの代表という点で、理想像はありますか。
目標はやっぱりBelleの代表たちです。飯田(Belle代表の飯田尚士さん)は財務面、冨山(at’LAV by Belle代表の冨山倫宏さん)は技術面、堀之内(Belle代表の堀之内大介さん)は人間面と、それぞれ役割があるのですが、お三方のいいところをできるだけ多く吸収してやっていきたいですね。
――Seek by Belleで働くスタッフに求める能力や心構えはありますか。
美容師の本質は追求することだと思っているので、技術に対しても接客に対しても、その本質を追ってほしいなと。そういう意味も込めての店名でもあるので。
あとは、朝サロンに来てから帰るまで人と人とが接する仕事になるので、人に対して誠実でいられる人であってほしいです。お客様だけでなく、スタッフに対しても誠実でいられる人になってほしいと思っています。
能力や心構えとは違いますが、スタッフのみんなにはプライベートも充実させてほしいです。そのために推し活休暇とかも作っているんですよ。
――いいですね。どれくらい取れるんですか。
アシスタントが対象なのですが、年に2回取れます。推しに会うってすごいことだなと思っていて、それによって活力を得たり、それを目標に頑張れたりするのは素敵なことですよね。趣味や好きなことに時間を費やせるのは大切なことだし、それが人間力を上げていく秘訣のひとつでもあると思います。
――お話の中で何度か「人間力」というワードが出ていますが、飯田さんがSNSで「佐野さんは人間力の塊」とおっしゃっていました。そのように評価されることに対して、どう感じますか。
まだまだ人間力を磨き途中ですが…。そのように言ってもらえるとしたら、僕はたぶん、人よりも少しだけ「人のことが好き」という気持ちが大きいんだと思います。人が好きだから、人に対して何かをできるのかなと。自分だけでというよりは、みんなで一緒に上がっていきたい、何かを作り上げていきたいです。
みんなで一緒に、千葉をリードする美容室を作っていきたい
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――今現在の佐野さんにとって、「働く」ということは?
すごく難しい質問ですね!サロンの代表になってから特に、スタッフの成長を見守れたり、一緒に努力していけたり、そういうことが幸せだと実感していますし、それが僕にとっての「働く」につながっている気がします。みんなが成長してくれたら、お店も会社も大きくなっていくので。
――今後の目標や、叶えたい夢は何でしょうか。
今いるスタッフがしっかりお客様の支持を得て、千葉をリードする美容室になっていくというのがひとつの目標です。魅力的なスタイルを作る技術力とか、それを伝える発信力を各スタッフが上げていくことで、叶えられたらいいなと思っています。
――スタッフの成長のために行なっていることはありますか。
技術的な面では、なるべくたくさん練習を見てあげたいと思っています。基本的に週に一度勉強会を行なっていて、一人ひとりのカリキュラムの進み具合や課題に合わせて練習を見たり教えたりしています。それ以外の時間でも、誰かが練習を見てほしいと言えば、できるだけ応えられるようにしたいですね。
――お店や美容師の魅力を発信するということでは、SNSに力を入れているのでしょうか。
そうですね。僕自身はスタイリストデビューした時からSNSで発信をしていたのですが、銀座店時代に一度バズったことがあります。その頃はショート推しの人とブリーチ推しの人が特に注目を集めていた時期なのですが、僕は両方を掛け合わせて「大人ができるブリーチのショート&ボブ」を打ち出しました。それをきっかけに売り上げも一気に上がったんです。
ただ、僕は今SNSの更新を一旦お休みしています。既存のお客様が入る枠がなくなってしまうからです。
――爆発的に新規の方がいらっしゃっても、対応できる人数は限られていますもんね。
バズったことでSNSのいい面も悪い面も経験できました。SNSに限らずですが、僕は自分が経験せずに伝えるよりも、何かを経験した上で伝えたほうがいいと思いますし、一緒にやりながら伝えられたらベストだと思っています。
Seek by Belleというサロンも、みんなで一緒に育てていくことを大事にしたいです。
美容師として大切にしている3つのこと
1.人に誠実であること
2.本質を追求すること
3.何事もやってみる精神
撮影/生駒由美
取材・文/井上菜々子
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Seek by Belle
住所:千葉県千葉市中央区新町19-10 新町ふくろうビル3F
TEL:043-239-6614
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