挫折の原因は他人との比較。自分のペースで最大限努力することが大切「AFLOAT RUVUA Smart Salon」岩田莉奈さん

全国各地に直営9店舗を展開する「AFLOAT」。技術力の高いカリスマ美容師が多く在籍しているヘアサロンです。その新宿店舗「AFLOAT RUVUA Smart Salon」にて、ヘアクリエイター（スタイリスト）を務めているのが、入社5年目の岩田莉奈さんです。

前編では美容学生時代の過ごし方と、アシスタント時代の悩みについてお話をお聞きしました。

後編では岩田さんがスタイリストデビューしてからのキャリアを中心に伺います。ある技術を学び始めたらテスト合格まで集中的に練習し、合格後はしばらく休む。このメリハリのある学習を繰り返すことで、岩田さんはいち早くカリキュラムを進めていたといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「AFLOAT RUVUA Smart Salon」ヘアクリエイター

岩田莉奈さん

北海道出身。札幌ビューティアート専門学校卒業後、「AFLOAT」へ入社。現在5年目でヘアクリエイターを務める。

インスタグラム

早期デビューを実現した、メリハリのある練習

――スタイリストデビューは、いつ頃されたのですか。

「AFLOAT」に入社してから2年と9ヶ月が経った頃にデビューすることができました。前編でもお話したように、カリキュラムはデビューまで3年かかることを想定して作られているので、とてもスムーズに進められたと思います。

デビューできたときはうれしかったですが、あと数ヶ月は早くデビューするつもりでカリキュラムを進めていたので少しだけ悔しい気持ちもありました。

――それでもすばらしいですね。カリキュラムをスムーズに進めることができた秘訣は何かあるのでしょうか？

インプットする時期としない時期を設けて、学習にメリハリをつけていました。「AFLOAT」では、技術分野ごとにテストがあり、合格すればその技術がサロンワークで行えるようになるという仕組みです。

当時の私は、ひとつの技術を学び始めたらテスト合格まで集中的に練習し、合格後は練習を少し休んで心と体を落ち着かせる。このメリハリのある学習を繰り返していました。ほかの技術と並行して練習を進めたり、学んでいる最中に休んだりしまうと、また一から感覚を取り戻さなければならず、より時間がかかってしまうのではないかと思っていました。

デビュー後の売上を見据えて、メニューアップの案内を鍛錬

――スタイリストデビュー後は順調でしたか。

以前よりお客様から喜びのお声をいただく場面が多くなり、仕事のやりがいを強く感じるようになりました。でも、その一方で集客に苦しむようにもなりましたね。

予約サイトやSNSなど思い浮かぶ限りの集客につながる媒体は取り組んできましたが、今も思うような結果は出ていなくて…。ただ「AFLOAT」では、ほかの店舗にSNSでの集客に成功しているスタッフがいたりするとノウハウを共有してもらえたり、マネージャーからアドバイスをもらえたりするので、今後も地道に頑張っていきたいと思っています。

───新人時代、美容師として活躍するために取り組んでいたことはありましたか？

アシスタント時代から、元々入っていたメニューにプラスアルファの提案をするメニューアップの案内をすることは意識していました。「AFLOAT」にはシャンプーの場合、炭酸シャンプーと頭皮用の炭酸トリートメントがあり、これらは当日でも追加できるメニューになっています。

当時、アシスタントだった私はメニューアップの案内の仕方を身につけておけば、デビュー後の単価、売上アップにつながるのではないかと思いました。

はじめは押し売りになってしまうのではないかと思うこともありましたが、実際は喜んでオーダーしてくださるお客様が多いことが徐々にわかっていって。それからは案内に対する不安や抵抗もなくなりました。練習を繰り返すなかでお客様に不快感を与えない自案内の仕方も見つけられたと思います。

周りと比べなければ、心はくじけない

――振り返ってみて、新人時代に取り組んでおけばよかったと思うことはありますか？

もっと接客を磨いておけばよかったと後悔しています。デビューしてから、施術中にカットに集中し過ぎて黙ってしまう場面がよくあって。そこでアシスタントの頃に接客を磨いておけば、カットと会話を両立できたのではないかと思うんです。

それにアシスタント時代は、さまざまなスタイリストのヘルプに入るので毎回、雰囲気の異なるお客様と出会えます。そこで積極的にお客様とコミュニケーションをとっておけば、どのようなお客様にも柔軟に接客できるようになっていたのではないかと思います。

――最後に、新人時代の過ごし方のアドバイスをお願いします。

私も意識していることですが、他人と比べないことが大切だと思います。新人時代は覚えることが多く、精神的にも体力的にも大変な時期です。でもそれを乗り越えなければ、美容師としての真の楽しさにはたどり着けません。

おそらく心がくじけてしまう原因の多くは、他人と比べてしまうことだと私は思います。他人と比べたところで成長スピードの違いに焦ったり、流されたりしてしまうだけです。ストレスを抱えずに成長できる自分のペースを見つけて、最大限努力してみるといいかもしれません。

岩田さんが充実した新人時代を過ごせた3つのポイント

1.時間を無駄にしないよう、学習にメリハリをつけた

2.デビュー後の活躍に必要なことを考えたうえで鍛錬した

3.他人と比べず、自分のペースで最大限努力していた

新人時代の苦労と努力を熱く話してくださった岩田さん。メニューアップの案内の練習など予測を立てたうえでの行動は見習いたいと思いました。新人時代を過ごしている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。