しっかりとした技術でお客様の要望に応える、「寄り添い型」美容師でありたい【Seek by Belle 佐野雄基さん】#1

千葉駅から徒歩5分の好立地にオープンした、Seek by Belle(シーク バイ ベル)。代表を務める佐野雄基さんは、原宿と銀座で経験を積み、サロンワークの傍らセミナーや業界誌などでも活躍する美容師です。

前編では、Belle入社の経緯や、ショートスタイルを武器にするために取り組んだこと、店長や統括マネージャーという責任あるポジションでの学びなどをお聞きしました。

お話を伺ったのは…

Seek by Belle

代表・美容師 佐野雄基さん

美容学校卒業後、都内1店舗を経てBelle入社。2017年にat’LAV by Belle(アットラブ バイ ベル)にてスタイリストデビュー。Belle Ginza 並木通り店(ベル ギンザ ナミキドオリテン)に異動し、副店長、店長、エリアマネージャーを歴任。2025年4月、千葉でSeek by Belleをオープン。顔や骨格、髪質に合わせたカットを得意とし、中でもショート&ボブが高く支持されている。

Instagram:@hairsalon_seek

SANO’S PROFILE

お名前

佐野雄基

出身地

山梨県

出身学校

日本美容専門学校

憧れの人

飯田尚士、堀之内大介、冨山倫宏

プライベートの過ごし方

子育て、作品撮り

趣味・ハマっていること

サウナ

就職後3ヶ月でフリーターに。美容師をあきらめずBelle入社

穏やかな口調で真摯に質問に答える佐野さん。インタビューを通して誠実な人柄が伝わってきました。

――美容師になろうと思ったきっかけは何ですか。

実家が美容室なので、物心ついた頃から美容師という仕事がすぐ近くにあったんです。小学生の頃にはもう、将来は美容師になりたいと思っていましたね。ただ、美容師になりたいと言った時は両親から反対されました。老後も困らないようなしっかりした大きな会社に入りなさいって。

――高校卒業後に専門学校へ?

そうですね。僕は山梨県出身なんですが、同じサッカー部だった仲のいい友達が、一緒に上京しようと誘ってくれて、日本美容専門学校に入りました。その友達は今、明大前の方で美容師をしています。

――Belleには新卒入社だったのでしょうか。

いえ、最初は代官山のサロンに勤めたのですが、3ヶ月くらいで辞めてしまったんです。あの頃の自分は社会人になりきれていなかったというか、社会人になりたくなかったというか…。単に根性がなかったのかな。

その後は1年くらい美容師をお休みした期間があり、居酒屋のキャッチのバイトをしたり、日雇いで働いたり、プラプラとフリーターをしていました。

――ご両親に心配されたのでは…。

地元に戻って来いと言われていました。でも実家に帰るという考えはなくて、東京のトップエリアで美容師をやりたいと思っていたんです。とはいえ最初のサロンを3ヶ月で辞めているから技術も何もなく、中途採用試験を受けてもことごとく不合格で。これがダメならもう地元に戻ろうと、最後に受けたのがBelleでした。

――あきらめなくて良かったですね!

本当に良かったです。当時のBelleは面接の次がサロンワークで、一緒に働くスタッフが評価をして採用を決めるというスタイルでした。大体みんな1日だけなんですけど、僕はなかなか決まらず1週間サロンワークさせていただいて。そんなに働かせたから採るしかないかという感じで入社できたんだと思います(笑)。

ショートスタイルの腕を磨き、自信と評価につなげる

カット技術のスペシャリストである冨山倫宏さん(at’LAV by Belle代表)に、スタイリストデビュー後もたくさん練習を見てもらったそう。

――アシスタント時代に理想としていた美容師像や、特に力を入れていたことはありますか。

お客様に支持されている、つまり売り上げのあるスタイリストに憧れを持っていました。客観的に見て結果を出していると思う人を目標にしていたのかなと思います。

僕はすごく能力が高いわけでもなかったし、とにかくアシスタントとしての業務をこなす毎日でした。振り返ると、あの頃にもっとこうしていたら良かったと思うことも多々あります。だからこそ今は、反面教師的な意味で後輩たちに伝えていけることもあるなと思うんです。

――スタイリストデビューしてから、顧客を増やすために工夫したことはありますか。

店が集客してくれることもかなり多かったので、デビューしたてでもいろいろなお客様を担当させてもらえるというありがたい環境でした。そこから次につなげるためにはやっぱり技術がないとダメなので、先輩方に見てもらいながらカット練習に取り組みましたね。

もうひとつ力を入れていたのが作品撮りです。作品撮りでは1時間くらいかけて可愛いスタイルを作ります。最初はなかなか思い通りに作れないのですが、そんなに時間をかけてもできないということは、お客様の髪を短い時間でうまく仕上げられるはずがない。そう思いながらやっていました。僕にとって作品撮りは、目の前のお客様をより可愛くして帰したいという延長線上にあるものだったんです。

――佐野さんといえばショートスタイルに定評がありますが、いつ頃から得意に?

最初から得意なわけではありませんでしたが、ショートの技術を磨いて武器にしたいという思いは早い段階からありました。というのも、ちょうど僕がデビューしたあとくらいに、ショートがすごく流行った時期があったからなんです。

前髪のニュアンスや顔まわりのデザインにこだわったショートスタイル作品。「ショートって結構奥が深いし、切っていて楽しいんです」と佐野さん。

――どういう風に腕を磨いたのでしょうか。

ショートが上手な先輩のカットや技術動画を見て学ぶのはもちろんのこと、営業中も貴重な勉強の機会ととらえていました。ただお客様の髪をカットして終わりではなく、「自分がこう切ったから、こう仕上がった」というのをきちんと振り返って分析するようにしたんです。

――実践から学べることはたくさんありそうですね。

ショートに限らずどのレングスにも言えますが、骨格や顔立ちに似合わせていくというところがとても大事だと思っています。練習用ウィッグはみんな同じ顔ですから(笑)、やはりリアルな人の髪を切ることでわかることがたくさんあります。

そうやって経験を積み重ねるうちに、ショートスタイルに対してじわじわと自信がついてきたり、周りから評価されたりするようになったと思います。美容師って、本当にいい仕事ですよね。自分が試行錯誤していくと、ちゃんとお客様がついてきてくれて、リピート率や売り上げという結果につながっていくので。

――ショートの中でも特に自信があるデザインというと?

ショート全般、何でも得意ですよ。お客様のやりたいスタイルやお客様に似合うスタイルというのを大切にしているので、強いて言えば「一人ひとりに似合わせること」が得意分野です。むしろ、いろいろ得意なことの中のひとつがショートというだけかも。

美容師はお客様と長い間寄り添っていく仕事だと思っているので、特化型というよりは「寄り添い型」の美容師でありたいんです。だからこそ、お客様の要望に合わせて提案できる技術をしっかり身につけておくことが大事だと思っています。今はショートの人でも、これから伸ばしてパーマをかけたくなることだってあると思いますし。

自ら志願した役職は「やりがいと学びが大きかった」

求人を担当していた時は、「僕のミスで、思う採用人数を満たせなかったらどうしようという怖さもあった」と佐野さん。

――原宿のat’LAV by Belleから、銀座の店舗に移られたんですよね。原宿と銀座で何か違いを感じましたか。

スタイリストデビューしてから1年経たないくらいで、Belle Ginza 並木通り店に異動しました。お客様層は全然違いましたね。原宿は学生さんなど若い人が多く、銀座は働いている大人の女性や男性がメインでした。その頃僕は27歳だったので、銀座のお客様の方が近い世代も多く、やりやすさを感じたのを覚えています。

――銀座では副店長や店長、統括マネージャーを経験されたそうですが、その頃の思いや得られたことを教えてください。

すべて自分からやりたいと意思表明して任命されたものなので、嬉しかったです。そういった役職をやらないという選択肢がなかったというか、やったほうが絶対自分のためになると思っていたんです。

実際経験してみて、お店の仕組み作りを知れたり、人に対してのマネージメント能力がないことに気づかされたり、いろいろな学びがありました。

――副店長や店長はお店のことを任されると思うのですが、統括マネージャーというのはどんなことをしていたのでしょうか。

Belleには3人のマネージャーがいて、教育、材料、求人という3つの担当に分かれています。僕は主に求人関係を担当していました。会社にとってとても重要なことのひとつである求人を任されるというのは、やりがいもあるけれどプレッシャーも大きかったです。でも本当にやって良かったと思います。美容専門学校に挨拶に行ったり、求人・人材系の会社の人とつながりができたり、すごくいい経験になりました。

――そういった役職を歴任して、サロンマネジメントのために必要な能力はどのようなものだと感じていますか。

ひとつ言えるのは、「人間力」は大事だということですね。ただ、Seek by Belleの場合はまだ立ち上げたばかりなので、経営やマネジメントがどうこうというよりは、スタッフにいろいろなことを教える段階にあります。プレイヤーとして成果を上げるためのノウハウや、僕自身がやってきて良かったと思っていることなどを、しっかり伝えられたらなと思っています。

どう伝えれば相手にちゃんと受け取ってもらえるかを考えるのも大事ですよね。僕としては、まず自分が実践した上で、みんなで一緒にやっていこうという伝え方が向いている気がするし、その方がわかりやすい言い方ができるかなと思います。


続く後編では、千葉にオープンしたSeek by Belleについて詳しくお聞きします。

撮影/生駒由美
取材・文/井上菜々子


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Seek by Belle
住所:千葉県千葉市中央区新町19-10 新町ふくろうビル3F
TEL:043-239-6614

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