「売上はもちろん、人間性も大切」。キャリアアップの指針となった先輩の言葉「sand Ikebukuro」丸山悠斗さん

「誰もが笑顔になれる場所」をコンセプトに、東京、横浜、大阪などに11店舗を展開している「sand」。ショートカットとボブを得意としている人気のヘアサロンです。

今回は「sand Ikebukuro」で店長を務める丸山悠斗さんに、新人時代の体験についてお話しを伺いました。前編では学生時代とアシスタント時代の経験についてお聞きしました。

後編では丸山さんのスタイリスト就任後のキャリアについてお話しを伺います。現在、店長を務めている丸山さん。キャリアアップのために技術や売上を伸ばすだけではなく、自社の理解やスタッフとのコミュニケーションを大切にしていたそうです。

今回、お話を伺ったのは…

「sand Ikebukuro」スタイリスト／店長

丸山悠斗さん

熊本県出身。福岡ハリウッドワールド美容専門学校を卒業後、1社を挟み「sand」に就職。現在入社5年目。「sand Ikebukuro」で店長を務める。

インスタグラム

オーダーの背景を考えたカウンセリングでリピートを獲得

――スタイリストになったのはいつごろですか。

「sand」では2年目です。前社でスタイリスト経験があったため早期デビューを実現できたのですが、新卒入社ながらほとんど同じ時期にデビューした同期がいて少し悔しかったです。

――スタイリストになってみて、どのようなことを感じましたか？

ようやくスタートラインに立てたと思いました。僕はデビューがゴールではないと考えていたので、これから活躍に向けた更なる努力をしていこうと身を引き締めました。またデビューしたことを親に報告できるうれしさと安心感もありましたね。

――なるほど。

あとは集客の難しさを実感しました。はじめはスタイリストに就任すれば自然とお客様が増えると思っていましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。ほかのスタイリストの予約が埋まっているのを見て悔しさを感じたこともあります。集客のため積極的にSNSでの発信や予約サイトにスタイルを投稿したり、フリーのお客様をリピートにつなげる努力をしました。

――丸山さんがリピートにつなげるために大切にしていることを教えてください！

とても多くありますが、最も大切にしているのはカウンセリングです。僕はカウンセリングのとき、お客様がなぜその髪型をオーダーしたのか、背景を探ることを意識しています。お客様の好きなことやライフスタイルなどの趣味趣向が詰まっているはずですし、それを踏まえてお客様に合わせた提案をすれば満足度につながるのではないかと。

人間性を磨くことがキャリアアップの秘訣

――新人時代のモチベーションはどのように保っていましたか。

モチベーションが下がることはほとんどなかったです。どんなに辛いことがあっても、それは美容師としての成長の糧につながると考えていましたし、ストレスは睡眠をとったら解消できる性格なんです。また褒めてくれたり、厳しく指摘してくれたりとモチベーションを上げてくれる先輩たちが多かったのも維持できた理由のひとつだと思います。

――現在は店長を務めているとのことですが、キャリアアップの秘訣は？

先にお話しした我部さんにキャリアアップについて相談し、人間性を磨くように言われたことです。我部さんは現在マネージャーを務めていますし、スタッフのなかでもとくに信頼しています。そんな我部さんから「売上はもちろん大事だけど、人間性も磨かないと店長になれない」とアドバイスされたんです。それから、スタッフとのコミュニケーションや、お店のために何ができるかなど自社への理解を大切にして仕事に取り組むようにしました。自主的に朝から晩まで店舗に残って、後輩の練習に付き添ったりもしていましたよ。

誰にでも失敗はある。だからこそ、挑戦し続けてほしい

――振り返ってみて、取り組んでおけばよかったと思うことは？

ありとあらゆるヘアスタイルに挑戦しておけばよかったと後悔しています。当時はショートカットがSNSで流行していた時代でしたし、僕が苦手な技術だったので克服のためにショートカットばかり練習していました。でも、トレンドは移り変わっていくものです。ひとつのヘアに固執せず、さまざまなスタイルの練習に取り組んでおけば、トレンドが変わっても対応できる美容師になれると思います。

――新人時代と現在のご自身を比べて、どのような違いがありますか？

自信がつきました。当たり前ですが、新人時代と比べて現在はより多くのお客様の施術を経験しています。そのなかで提案力が向上したり、似合わせの幅が広がったりと成長してきたので、一段と自信を持ってお客様にサービスを提供できています。

――最後に、いま新人時代を過ごしている方へアドバイスをお願いします。

誰にでも失敗はあるからこそ、挑戦し続けることが大切です。辛いことや悩みごとがあると立ち止まりたくなるかもしれませんが、それを乗り越えた先に成長があります。自分を取り巻く環境やメンタルの浮き沈みを言い訳にして、逃げたくなることもあるかもしれません。ですがそんな自分こそが最大の敵だと思って、美容師として成長する努力を続けると、きっと素敵な未来が待っているはずです。

丸山さんが充実した美容師人生を送れている3つのポイント

1.美容師として更なる成長を目指して転職に踏み切った

2.アシスタント時代からSNS発信に尽力していた

3.先輩のアドバイスを参考に人間性を磨き、キャリアアップを実現した

自信を持ってサービスを提供するために再びアシスタントから学び直したり、キャリアアップのために積極的に行動したりと、成長に対しての貪欲さが伺える丸山さん。こうなりたいと頭で考えるだけではなく、実際に行動に移すバイタリティは見習いたいと感じました。美容師として活躍したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。