人は何度でもやり直せる。これが出産で学んだ大切なこと【Ash 日吉店 スタイリスト 依田寿美子さん】#2
6歳と4歳の女の子を育てながら、スタイリストとしてサロンワークをこなす依田さん。産休と育休を経て復職してから、いろいろな葛藤や困難を克服してきました。仕事も育児も楽しみながらハツラツと働く秘訣を伺います。
大切なのは家族それぞれと話す時間をつくること
—–パートナーやお子さんと一緒に過ごす時間をとっていますか?
主人は帰宅が遅いので、朝ですね。それか日曜日。
子どもたちとは、入浴から就寝までの時間ですね。ほとんど遊びのような戦争のような…。特に「何かを一緒にやる」という訳ではなく、そのときそのときに話を聞いて、コミュニケーションを取るようにしています。
—–ご自身の時間は、どの時間でとっていますか?
子どもたちが寝たあとか朝ですね。とは言え、夜は子どもたちと一緒に眠ってしまうことも多いんですけれど。サロンがお休みの火曜日は、自分がしたいことをしています。ネイルや整骨院に行ったり。自分のメンテナンスをすることが多いですね。
—–一日の中で大切にしている時間を教えてください。
時間というより、主人、長女、次女のそれぞれと話すことを大切にしています。女の子2人なので、片方ばかりかまうと拗ねてしまうんですよ(笑)。ちゃんと2人とも「大切にされている」と感じて欲しいので、同じようにコミュニケーションをとっています。
我が家のルールは「できる人ができることをする」
—–家事の分担は決めていますか?
特に決めていません。「できる人ができることをする」というのが我が家のルールです。
ただ、最近は主人の仕事が忙しくなってきたので、平日の家事全般は私がこなして、週末は主人が子どもの面倒をみたり、家事を積極的にやってくれています。
もともと主人は一緒に家事をしてくれる人なので、その点のストレスはありません。「家事はやれる人がやる」ことが当たり前になるように話して、一緒に協力してやっていくことが大事ですね。お互い働いているので、たいへんなのはお互い様。思いやりが大切だと思います。
—–依田さんが家事の中で大切にしていて、手抜きをしないものは何ですか?
家事に対するこだわりはあまりないんですが、強いて言えば夕ご飯は身体にいいものを食べさせたい、と思っています。
それもあって、最近は食物の栄養価を壊さない低温調理器とくず野菜で作る出汁にハマっています。毎日、最初から作るのはたいへんなので、週末に作り置きをして、すぐに出せるようにしているんですよ。
もちろん、それだけでは足りないので、その日に作るように下ごしらえをして、冷凍するものもありますけれど。
—–育児で大切にしていることは何ですか?
今も模索中ですが、家の中では子どもたちが素の自分でいられるように、言いたいことを言える場所であるように心がけています。2人の話をよく聞くようにして、どんなことを考えているのかたくさん話せるように質問するようにしているんですよ。
あとは、「本当にかわいいね」とか「すごいね!」とか、言われたら嬉しい言葉をたくさんかけます。たくさんハグもします。そのうちできなくなるので(笑)。でも、子どもたちって、怒っていてもギュッとするだけで収まったりするんですよね。やさしくしてほしいんだと思います。
仕事も家庭も充実している今が幸せ
—–仕事と家庭を両立させる難しさはどんな点ですか?
長い時間働けないので、スピードや技術力を上げることを考えないといけないですし、今やSNSを積極的にやることも当たり前の時代なので、家事の合間にこなすのもたいへんですね。
残業ができないので、アシスタントたちの練習をみられなかったり、ミーティングに参加できなかったりすることを申し訳なく思っています。たぶん、ママ美容師はみんな感じていると思いますよ。
—–家族が増えてよかった点は?
お客さまがいらっしゃるからプライベートが充実する。子どもたちがいてくれるから仕事を頑張れる。どちらも頑張れる素になっていますね。今はお客さまをはじめオーナー、スタッフ、主人が、働きながら子育てをすることのたいへんさを分かってくれているので、安心して働けます。大好きな美容師を思いっきりできて、元気に育っている子どもたちがいるので、細かな悩みはあっても充実しています。両方楽しめています。
—–家事や育児のことで、ご夫婦で話し合いはなさるんですか?
よく話し合いますよ。これまで何度もうまくいかないことがありましたけれど、そのたびに互いに向き合って、まずは子どもたちのことを考えて話し合ってきました。
いろいろたいへんですけれど、壁を乗り越えることは意外と楽しくもあります。もう若くはないので、互いに支え合って、少しでも楽しく充実した時間が過ごせるように…を心がけています。
—–理想としている家族・夫婦像はありますか?
好きなことを好きなだけやる。互いにそれを認め合って、応援し合うことですね。それから互いを思いやって、楽しむことができれば最高ですね。
—–2人のお子さんには、どんな風に育ってほしいですか?
自分の好きなことを見つけて、それに向かって前向きに進んでほしい。それから相手の気持ちを考えられる、やさしい人になってほしいですね。逆境を楽しめる強い気持ちも持ってほしい…挙げたらキリがないですね。
依田さんの子育て3カ条
1.子どもたちが素の自分でいられる環境をつくる
2.夫、長女、次女とそれぞれに向き合う時間をつくる
3.うまくいかないことは夫婦で徹底して話し合う
精神的にかなりキツかった産休明けの頃に比べて、今は仕事も家庭も充実している依田さん。「両方とも楽しめている!」とおっしゃるのも、辛い時期を乗り越えたからからこそ。
家族それぞれときちんと話をする時間をつくっていらっしゃるのも、依田さんならでは。お子さんひとりひとりと向き合うことで「自分は大切にされていると感じてほしい」とおっしゃっていたのが心に残りました。
▽前編はこちら▽
人は何度でもやり直せる。これが出産で学んだ大切なこと【Ash 日吉店 スタイリスト 依田寿美子さん】#1>>