【子育て応援メソッド】「お母さんともっといたい」子どもの一言で仕事と育児のバランスを見直し MICHIさん#2

美容業界で働くワーママ・ワーパパたち。子育てには目に見えない細かなお世話もあり、時間に追われている人も多いと思います。そんな多忙なママ・パパに「仕事と育児を両立するために助けられているもの」をインタビューする「子育て応援メソッド」。

今回は、フリーランス美容師&ヘアメイクのMICHIさんにインタビュー。前編では託児所併設のサロンに移られたお話を、この後編では子育てが仕事に与える変化などについてお伺いします。

子育てを通してお客様ママのライフスタイルが見えた

―― 一日のスケジュールをお伺いできますか?

「家が遠くなってから、バタバタなんです。『早くご飯食べて、早くお風呂入って、早く歯磨きして』と、いつも急かしていますね。

水曜は、主人の仕事が休みなので、子どもも保育園はお休みして、一日中主人にみてもらっています。そしてわたしにとっての水曜は、朝何時からでも、夜何時まででも気兼ねなく働ける日なんです。仕事帰りにしか美容室に行けないというお客様は、水曜に予約をいただくようにしています」

――MICHIさんの仕事愛が垣間見えますね。子育てで大変なことは何ですか?

「産後すぐは、高齢出産のどこに余裕があるの? というくらい余裕がなかったです。先輩ママに聞くと、『ミルクを飲まなくても生きているから大丈夫』なんて言われましたけど、その真っただ中にいるときは、不安で心配で。なんとかこの子を育てなければと必死でした。息子には申し訳ないですけど、正直生後6ヶ月くらいまでは、かわいいと思う余裕はありませんでした。

でもその頃から、だんだん表情が豊かになって、キャッキャッと笑うようになって、それを見ていると、あ~かわいい。離乳食が3回食になって、口のまわりをぐしゃぐしゃにしながら食べても、あ~かわいいと思えるようになりました。

2才くらいになると、すごくおしゃべりになってきて。言葉が早かったせいか、『お母さんはこう思うんだけど、どう?』と聞くと意外に通じたので、イヤイヤ期の大変さはあまりなかったですね」

――コミュニケ―ションがとれると楽になりますよね。

「そうですね。日々の成長をとても喜ばしく思っています。今年の春ごろまでは『お母さんってさあ、本当にかわいいよね』と言ってくれていたのに、夏休みに『ドラえもん』の映画を見に行ってから「お母さん、ぶっ飛ばしてやる」とジャイアンになってしまって(笑)本当におもしろいですね、子どもって」

――ドラえもんじゃなくて、ジャイアンになってしまうなんて面白すぎます! ママになってから、お仕事に変化はありましたか?

「美容師は、お客様のヘアスタイルを作るときに、その方のライフスタイルを考えます。どういうお仕事をされていて、どんなお洋服が好きで、ふだんスタイリングにどれくらい時間をかけるのか。働く女性のライフスタイルは見えやすかったけれど、結婚・出産・子育てとライフスタイルが変わっていく女性のお客様の背景は、分かっているつもりになっていただけだったことに気づきました。ママは朝早いんだよな、とぼんやり分かっているつもりでしたが、自分で実際に子育てをしてみて、こんなに大変なの? みんなこれで仕事していたの? これは大変! もっと楽に、簡単にキマる髪形を作らなければとすごく思うようになりました。自分がママになったことで、お客様ママに提案するスタイルについてより考えるようになりましたね」

――すごく説得力があります!

「先輩に『子どもを産んでからのほうが美容師は楽しいよ』と言われたことがあります。そのときはピンときませんでしたが、いまはとてもよくわかります。サロンには子育て世代のお客様も多いので、情報交換もできて楽しいです」

自分を見てもらい、息子の人生をうまく歩んでほしい

――今後、美容師としての目標は?

「ずっと美容師として現役で働けたらいいですね。実は、わたしが子どもの頃に亡くなった母も美容師だったんです。八百屋の長男に嫁いで美容師をやめたのですが、小さいときから姉と私の髪は母親が切ってくれていました。卒業アルバムには『美容師になりたい』と書いてあって、小学生の頃からリカちゃん人形の髪を切ったり、中学生になってからは友達の髪を切ったりと、美容師になりたい気持ちはずっとブレなかったんです。

お客様とともに歳を重ねて、お茶を飲みながら、『切っておく?』みたいなノリで美容師を続けられたらいいなと思います。90才を超えても現役だった亡メイ牛山さんは、本当にすごいですよね。時代の変化はあるので、その都度アップデートは必要だと思いますが」

――素敵な目標ですね。アップデートは具体的にはどんなことをされていますか?

「食や健康に関してお客様にアドバイスできたらいいなと思って、タカコナカムラ先生のマクロビオティックの講座を受講したり、産休中にはコスメコンシェルジュの資格をとって、化粧品の成分表示が読めるようになりました。フリーランスは、最新の情報を得るために、自分で情報収集することは欠かせません。PaL at Lanaiでは、メーカーさんを呼んでくれてフリーランスのわたしたちも講習を受けることができるので、新しい薬剤などの情報を得ることができます。それは本当にありがたいですね」

――ママとしての目標は?

「わたしが11才のときに母は亡くなりました。一緒に過ごす時間は長くはありませんでしたが、いま子育てしていくうえで、母はこうしてくれていたなと思い出すことがあるんです。自営業だった父もけっこう育児に参加していたようで、分からないことを聞くと『おまえのときはこうしていたよ』と予想以上のアドバイスをくれることもあるで助かっています。美容師になったのも母の影響が大きいですし、子どもは親をすごく見ている。だから、私も息子によく見てもらって、うまく人生を歩んでもらえたらいいなと思います」

MICHIさんが助けられているものは

ご自身の子育てを通して、育児中の女性のお客様の背景がよく理解できるようになったというMICHIさん。お客様から育児の情報をもらうことも多く、仕事⇔育児が双方向によい影響を与えています。

1.ご主人が休みの日は子どもを託す

2.育児でお客様ママのライフスタイルの理解が深まる

3.11才までの母の記憶と父の助言が子育てのお手本

慣れない育児と、仕事をがんばりたい気持ちとで、産後すぐはいっぱいいっぱいだった時期もあったMICHIさんですが、4才になった息子さんとの2ショットは幸せいっぱいの満面の笑み!「あ~かわいい」と思うシーンは、今後ますます増えそうですね。

▽前編はこちら▽
【子育て応援メソッド】「お母さんともっといたい」子どもの一言で仕事と育児のバランスを見直し MICHIさん #1>>

撮影/古谷利幸
取材・文/永瀬紀子

Profile

MICHIさん
インスタグラム:@hd_michi

PaL at Lanai

住所:東京都渋谷区神宮前4-3-15東京セントラル表参道401

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