【SNS活用術】自然光を取り入れて透明感アップ! 背景の演出でプロ仕様に【吉祥寺 Cream Puff MIKAさん】#1
「誰とも被らないネイルを」というコンセプトを掲げるプライベートネイルサロン「吉祥寺 Cream Puff」オーナーのMIKAさん。Instagramにはどこかエッジのきいた個性的なネイル作品が並びます。そのフォロワー数は2.7万人にも及び、ネイル作品の美しさだけでなく、つくり込まれた美しい背景にも注目。インテリアや雑貨のセンスを作品撮りでも存分に発揮しているようです。
前編では、雑誌さながらのクオリティーに仕上げる作品撮りのコツについてお聞きします。指先だけのカットにマンネリを感じている人は必見です!
教えてくれたのは…
「吉祥寺 Cream Puff」
オーナー MIKAさん
吉祥寺に構えるプライベートサロンには、無二のデザインを求めてコアなファンが足を運ぶ。一目見ると必ず印象に残るような個性的なデザインが得意。メーカーとのタイアップも数多くこなし、セミナー講師の活動にも精力的。Instagramのフォロワー数は2.7万人(2021年8月現在)で、海外のファンも多数。
Instagram:@lovepuff53
ごちゃごちゃしたコラージュ投稿から、メーカーの顔としてオフィシャル仕様へ
――以前はどのようにSNSを活用されていましたか?
私、SNSには少し疎くて「Instagramって何なの?」というレベルだったんです(笑)。
前職がグラフィックデザイナーだったこともあって、独立前からWEBのHPを自分で用意していて、サロンオープン当初はHPの方をメインに運用していました。
HPの効力をすごく感じていたので、HPからSNSに切り替えようとは特に思っていなかったんです。知り合いや紹介された方をちょこちょこと施術するくらいだったので、集客もそこまで意識していませんでしたしね。けれど、練習会などで他のネイリストさんに「Instagramやりなよ」と言われることが増えて、見様見真似ではじめてみたんです。
――最初はどんな投稿をしていたのですか?
最初の投稿はごちゃごちゃ(笑)。当時流行っていた、可愛いフレームを選べる画像加工アプリで画像をコラージュするのが好きで、謎に動物のキャラをネイルと一緒に載せたりしていました。しかも、画像加工アプリってコラージュするほど画質が落ちるんです。その頃はプロっぽい写真を上げるという意識があまりなく、長い間、画質の悪い写真を投稿していました。
――今のスタイルからは想像つかないですね。
あまりにも素人感丸出しだったので、周りのネイリストさんからは「いつまでもそれはちょっとね…」と親切心でアドバイスしてもらうこともありました。個人的にはコラージュ自体は今でも大好きですが。
その後、「ビューティーワールドジャパン」や「エキスポ」などの大型イベントに出演したことでフォロワー数が1万人とかまで一気に増えたんですよ。イベントに出演すると、ネイル関係者さんなどの間で名前が知れ渡るので、無名のネイリストはイベントなど何かの舞台に立つことで、急にフォロワーが増えるという方は多いと思います。
あと、イベント出演を機にメーカーさんに声をかけていただいたり、海外のセミナーに呼ばれたりすることも増えまして。メーカーの顔として活動する上で、あまりにも素人っぽい投稿はマズいなと思い、オフィシャルな感じに変えようと少しずつ意識するようになりました。
きれいな画質でシンプルな一枚絵にして、お店のロゴもつけることにしました。
ガラスやバック紙を活用して、自然光で撮る
――MIKAさんの投稿は、作品だけでなく背景もとても美しいですよね。やはり背景づくりにはこだわっているのですか?
そうですね。
昔、インテリア科に通っていたこともあって、家具や雑貨を集めるのが趣味なんです。あと、実は学生時代は写真部に入っていたくらいカメラが好きなんですよ。家族にもカメラマンがいるので、写真に関しては結構スパルタで(笑)。「そんなレベルで満足して良いの?」「もっとこう撮ったら?」とうるさく言われて、こっちも悔しくなり、背景にこだわりはじめた次第です。
――以前はネイルチップの写真がメインでしたが、最近の投稿では指先のカットが増えましたね。それにも何か意図が?
私、指先だけが並んでいるのがどうしても苦手で、初期は指先の写真を上げていなかったんです。断固としてネイルチップだけ。
けれど、お客様がデザインを参考にするには、チップだけよりも指先についている方がイメージしやすいと思い、意識して指先の写真を撮るようにしたんです。
――指先だけの写真を投稿する上で、気をつけていることはありますか?
同じポーズを連続で載せないようにしています。
お客様の時間は貴重なので、短時間で素早く仕上がったアートを撮らせてもらっていますが、ポーズに関しては毎回試行錯誤ですね。お客様は親切心で全ての爪を見せようと指先に力を入れてしまうのですが、一枚に全ての爪(アート)を写す必要はないと思うので、自然体で撮ることを大事にしています。お客様にはリラックスしてもらうために「力抜いてくださいねー」と毎回うるさくお願いしています(笑)。
お客様の写真は素早く撮らなければいけないので背景に凝ることができません。せめて明るさだけでも確保するためにライトの近くで撮影するようにしています。
チップ撮影のときには納得のいくまで撮影に時間をかけます。Instagramを一定のクオリティーに保つことで、アート作品に興味を持ってくださる方は格段に増えると思っています。
「明るさ」が写真のクオリティーを制する
――MIKAさんの投稿には海外の方からのコメントもよく見かけますね。
画質とシンプルさにこだわるようになってからフォロワー数はかなり伸びましたが、中でも海外の人からいいね! やコメントをいただくことが増えました。海外の人って画質が汚かったり、ごちゃごちゃした写真はあまり好きではないみたいなんです。海外の人の投稿を見てみるとわかると思うのですが、ネイル作品は一枚画像で、画質はきれいで、比較的シンプルなんですよ。
――デザイン以前に、写真の質ってかなり重要なんですね。
写真をきれいに見せるために一番大事なことは「明るさ」です。他のネイリストさんの投稿を見て、もったいないと思うときがありますが、デザインはすごく素敵なのに写真が暗いこと。おそらく自分の写真が暗いということに気付いていないと思うのですが、フィードにたくさんのネイル投稿が並んでいる中で、全体的に暗い写真ってほとんど目に止まらないんですよ。どんなデザインなのかよくわからないので、せっかく素敵なデザインでも伝わらないんです。
白飛びしてデザインの詳細がわからなくなるほど明るすぎるのはNGですが、できる限り明るく写すように意識するだけでも、写真のクオリティーは断然変わりますよ。なるべく自然光で撮ったり、照明を近づけてみてください。
ネイルアートを美しく撮るコツ
1. 自然光を取り入れて透け感を演出。アートによってはバック紙を使うのもアリ!
2. 指先のカットは、自然体なポーズで撮ると抜け感が出てよりおしゃれ
3. デザインの詳細がわかるように、明るいトーンで撮るのが鉄則
プロ並みの撮影テクニックを持つMIKAさんですが、きれいな写真を撮るために一番大事にしているのが「明るさ」。明るいトーンに見直すことは誰でも今すぐにでもできるはず。写真のクオリティーを上げたことで海外のフォロワーが増えたとのことですが、後編では海外の人を意識した投稿テクをご紹介。
▽後編はこちら▽
【SNS活用術】インスタはメーカーの目に留まるチャンス! 自由な発想力で行動を【吉祥寺 Cream Puff MIKAさん】#2>>
取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)
イラスト/なとみみわ