長く付き合えるお客さまを大切にするため。予約枠制限を決断「GARDEN W.」泉愛美さん
「GARDEN W.」所属のスタイリスト、泉愛美さん。前編では、アシスタント時代に月100万円の売上を達成し、スタイリストデビュー後は月400万円前後の売り上げをキープする泉さんに、どのようにしてその実績を可能にしているかを伺いました。
後編ではスタイリストデビュー後、順調に売上を伸ばし400万円超えの売上も記録していた泉さんが、おこなった方向転換について伺います。今年の3月を機に、予約枠を制限。1人ひとりのお客さまとの時間をもっと大切にする方向にシフトチェンジしたといいます。
今回、お話を伺ったのは…
泉愛美さん
美容師/「GARDEN W. 」所属スタイリスト
鹿児島県、奄美大島出身。ハリウッドワールド美容専門学校1年生のときに、現役美容師も参加する「全日本理美容選手権九州大会」のワインディングプロ部門で優勝。2年生では、理美容師の甲子園ともいわれる「全国理容美容学生技術大会」のワインディング部門で、歴代最高得点をたたき出しての優勝をはたす。卒業後はGARDENに入社し、アシスタント時代に100万円の売上を達成、スタイリストになったあとは月に400万円前後の売上をキープし続けている。
暖色系カラーに特化した発信で、フォロワー数2万人超え
――インスタのフォロワー数が2.2万人いらっしゃいますね。やはりアシスタント時代からフォロワーを増やすために、努力されていたのですか?
いえ、スタイリストになる少し前に力を入れ始めました。私は今でもインスタを見るのもあまり好きではないですし、暇だからとりあえず見るということもないんです。投稿するのはもっと苦手で、アシスタント時代にはほとんどやってませんでした。ただスタイリストデビューするのであれば売上はあげられる状態にしたいと思い、インスタをがんばることにしました。
――具体的にはどんなことをしましたか?
1日5投稿はすると自分に約束をしました。最初はショートカットと暖色系カラーに特化した形で、投稿を始めたんです。ショートカットは来店ペースが早くなる傾向にありますし、暖色系カラーはブリーチをするので単価アップにつながると思ったからです。そこからだんだんと自分の好きなボブの投稿も増やしていきました。
――フォロワーが増えたきっかけはあったのでしょうか?
最初にバズったショートの写真があって、それ以降は投稿数が増えるにつれて、徐々にフォローしてくださる方が増えていきましたね。
――発信する際に心がけていることはありますか?
私が特に力を入れて作っているのがサイドバングで、それを見て来店してくださるお客さまが多いので、最近はショートでもボブでもサイドバングが写っている写真で統一するようにしています。あとはカットラインがきれいに見えることにもこだわっていますね。そしてその、サイドバックやカットラインがきれいに見える角度で投稿することも大切にしています。
1人ひとりのお客さまとの時間を大切にするため、予約枠制限を決断
――スタイリストとなってからは、やはり実直に数字を追い続けていらっしゃるのですか?
スタイリストになったあとは徐々に売上が増え、400万円オーバーのときもありました。もっと売上アップを考えていたこともあったのですが、今年の3月くらいに少し考え方が変わって、予約枠を制限しています。今は400万円前後の売上をキープしている状態です。
――なぜ予約枠を制限しようと思ったのですか?
1人ひとりのお客さまをもっと大切にしたいと思ったからです。売上を追うと、どうしてもお客さまと接する時間が減ってしまいます。400万円くらいであれば、なんとかできたのですが、これ以上は難しいなと考えたんです。
――予約枠を制限するようになって、お客さまとの関係に変化がありましたか?
関わる時間が増えてお客さまが喜んでくれて、リピートにつながる確率がもっと増えたと思います。元々、時間があればシャンプーにも入るタイプだったのですが、私が入る施術が増えてうれしいと言ってもらえることが増えましたね。
予約枠を制限してもうひとつ良かったと思うのが、私のフォローに入ってくれているアシスタントの負担が少しは減ったことです。アシスタントもお客さまと密に関われるようになったし、余裕ができていい接客や丁寧な技術につながっているのかなと思います。
チームでお客さまをもっと幸せにしたい
――最後に今後の目標を教えてください。
近い目標では、私についてくれるアシスタントのチームが新しくなったので、チームのみんなでお客さまを幸せにしていきたい気持ちがありますね。もうひとつはもう少し先の目標ですが、妹も美容師をやっているので、いつか妹と一緒にお店をできたらいいなと思っています。これからも現状に満足せず、高みを目指していきたいと思います。
泉さんが自分らしさを失わないために実践している3つのポイント
1.SNSは目的を持って使い、過度に依存しない
2.1人ひとりのお客さまとの時間を大切にするため、予約枠を制限
3.自分の仕事で、お客さまを幸せにすることを常に意識している
取材にはGARDENのプレス担当である佐久間さんも同席し、客観的に見た泉さんのすごさを教えてくれました。「情報があふれるこの時代に、ただただまっすぐに美容の道を進む泉の姿を、お客さまは受け入れてくれているのではないかと思います」と佐久間さん。確かに取材が終わる頃には、泉さんのギャップと、実直な姿に、余計な力が抜けていく自分がいました。泉さんがどんな美容師となっていくのか、今後も目が離せません。