ネイリストの業務委託とは|メリット・注意点や向いている人についても解説
働き方が多様化する世の中において、ネイリストも正社員やパート・アルバイトとしてサロンに雇用される以外に、「業務委託」という形で仕事ができるようになりました。
今やさまざまな職種で注目されている業務委託という働き方ですが、どのような業務形態で、どんな特徴があるのでしょうか。今回の記事で業務委託の概要やメリット・注意点を知り、自分にも向いている働き方だと感じれば、ぜひ転向することも視野に入れてみてください。
ネイリストの業務委託とは?
ネイリストの業務委託とは、ネイルサロンなどの企業と業務委託契約を交わし、フリーランス(個人事業主)として独立した立場でサロンのお客様に施術をするという働き方です。従業員のようなサロンに雇用される立場ではないため、サロンと対等な関係で業務を請け負えます。
言い換えると、従業員のように決まった時間に出勤し、所定時間内はサロンにいなければならないという働き方ではないので、比較的自由に働くことが可能です。
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ネイリストが業務委託で働くメリット
つづいて、ネイリストが業務委託で仕事を請け負うメリットを解説します。
1. 高収入を狙える
一般的に業務委託は成果報酬なので、仕事をすればするほど収入が増える仕組みです。たくさん働いて高収入を目指したい人にはおすすめの働き方といえます。
また、より多く働きたいなら、複数のサロンと業務委託契約を結ぶことも可能です。1つのサロンで正社員として固定給で働いていたときに比べて、高収入を目指しやすいでしょう。
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2. 働き方が自由
サロンの従業員であれば、決められた時間に出勤し、お客様が来ても来なくても退勤時間までサロンにいなければなりません。
一方、業務委託の場合は、勤務時間や休日を自分で決められるケースが多いです。仕事があるときだけ出勤するというようなやり方もできるため、自分や子ども、家族などの都合に合わせながら働きやすいでしょう。
3. お客様に寄り添った接客ができる
業務委託で働くと、サロンで雇用される場合に比べて自由度が高いため、自分の理想の接客を実現しやすいという一面も。そのため、「回転率を気にせずもっと個々のお客様と丁寧に向き合いたい」という人に向いているでしょう。
4. 開業に比べてコストの負担が少ない
ネイリストがフリーランスで働く方法として、独立して開業するというやり方もありますが、開業するとなると、店舗を用意したり必要なものを買い揃えたりと多くの費用がかかります。
一方、業務委託はサロンのスペースや場合によっては道具なども借りられるため、経済的な負担が少ないことがメリット。また、売上などの管理や集客は基本的にサロン側が行ってくれるので、目の前のお客様の施術に集中できます。
ネイリストが業務委託で働く際の注意点
ネイリストの業務委託における注意点も押さえましょう。
1. 収入が不安定
働いた分だけ収入を得られるということは、裏を返せば働かないと収入がないということです。お客様がいなければ収入ゼロという可能性も。さらに、毎月同じ金額を稼げる保証もありません。
2. 確定申告・納税が必要
前述した通り業務委託は個人事業主のため、給料から税金が引かれることはありません。そのため、確定申告を行う手間が発生するうえ、自分で所得税や住民税などを納めなければならないことを頭に入れておきましょう。
3. 福利厚生がなく自己負担
サロンの従業員の場合、厚生年金・社会保険・雇用保険・各種手当などの福利厚生を受けられることが多いです。しかし、個人事業主である業務委託は、国民年金や国民健康保険に自分で加入するなど、基本的に自己負担でまかなう必要があります。
休日手当や住居手当などももらえず、休みの日に仕事をしても報酬は同じ、家賃は全額自己負担など、福利厚生の恩恵は享受できません。
4. クレームやミスは自己責任
サロンの従業員が過失を起こした場合、サロンが対処してくれるケースもあります。しかし、業務委託では、自分が担当したお客様からのクレームやミスは基本的に自分の責任。自力で対処しなければなりません。
責任が重いことを逆にやりがいと感じ、プラスの力に変えられる人には向いているでしょう。
業務委託に向いているネイリストの特徴
ネイリストとして働く際に業務委託という形態が向いているのは、以下のような項目に該当する人です。
・バリバリ仕事をして収入を上げたい人
・資金面で独立開業をあきらめている人
・規則や時間などにしばられずに自由に働きたい人
・フルタイムで働くのは難しいがたくさん稼ぎたい人 など
いずれか1つでも当てはまるなら、業務委託という選択肢を検討してみてもいいかもしれません。
なお、自己管理がうまくできない人やプレッシャーを感じやすい人、安定的に働いて給料を得たい人などの場合、業務委託は向いていない可能性が高いでしょう。
ネイリストの業務委託の応募手順
ここからは、業務委託で働きたいネイリストが希望の職場に応募するときの流れを解説していきます。
1. 業務委託契約ができるサロンを探す
まず、求人サイト・就職エージェント・ネイルサロンの公式サイトなどで求人情報をチェックしましょう。インターネットやプロの力を借りるほか、知人の紹介というケースもあるかもしれません。
いずれかの方法のなかから、業務委託でネイリストとして働ける職場を探します。
2. 応募する
気になる募集が見つかったら、求人元の企業に応募し、相手側からの連絡を待ちます。
3. 履歴書などを提出し、書類選考を受ける
履歴書や職務経歴書といった、指定の応募書類を提出すると、サロン側で書類選考が行われます。
応募書類を書く際は、年は和暦か西暦かで統一する・略字や略称を使わず正式名称で書く・手書きの場合は修正液や消えるペンを使わないなどの点に注意しましょう。
書類選考では、即戦力で働けるかという実績はもちろん、志望動機や自己PRも重視されやすいため、自分の強みやその職場で働きたいという意欲をアピールすることが重要です。
ほかのサロンでも通用するような内容は避け、過去の体験談など具体的なエピソードを取り入れて書くとよいでしょう。
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4. 書類審査通過後、面接を受ける
つづいては面接です。応募書類と重なる内容もありますが、経歴・応募動機・目指す未来などを問われます。
面接で聞かれやすい質問があるので、本番でスムーズに回答するために、あらかじめ面接対策をしておきましょう。受け答えは礼儀正しくハキハキと行い、好印象を与えることも大切です。
また、面接時の身だしなみから、応募者のセンスやサロンの雰囲気とのマッチ度もチェックされます。スーツやオフィスカジュアルを着用し、長い髪はまとめるなど、華美になりすぎないよう清潔感やトレンドを意識し、職業柄ネイルも美しく整えて臨んでください。
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契約内容をしっかり確認
面接時に企業側から説明してもらえることもありますが、業務委託の契約内容をしっかり確認することも重要です。業務の内容や範囲・契約期間・報酬体系・契約解除や損害賠償に関する規定など、たくさんの項目があります。
気になる点があれば理解できるまで質問し、不安を解消しておきましょう。
実技試験が行われるケースも
面接とあわせて、ネイルの技術力を確認するために実技試験が行われることもあります。試験内容はサロンによって異なりますが、フレンチネイルやカラーグラデーションなど、応募者のセンスを問う内容が多いようです。
そのサロンの提供メニューから予測を立てるなどして、練習や対策をしておくと安心でしょう。
5. 合否結果が届き、合格なら業務委託契約を結ぶ
選考が終わったら、応募先企業から採用か不採用かの連絡が来ます。採用の場合は、正式に業務委託契約を結んで業務スタートです。
ただし、契約する前に今一度契約書の内容をよく確認しましょう。せっかく合格したとしても、万が一どうしても内容に合意できなければ、辞退するという方法もあります。
業務委託ネイリストとして活躍の幅を広げよう
ネイリストが業務委託で仕事をする場合、働き方の自由度が比較的高く、がっつりでも短時間でも働きやすいです。自己負担や自己責任が大きいという面もあり、仕事がなければ収入もゼロになる可能性がありますが、うまくやれば高収入を狙えます。
施術がメイン業務のため集中して対応でき、成果に応じてサロンに雇われるより効率よく稼げる可能性も高いので、興味がある人はぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
なお、ネイリストが業務委託で働けるサロンを探すには、美容業界専門の求人サイト「リジョブ」の利用がおすすめです。全国の豊富な求人のなかから、勤務地・給与・客層・特徴などの条件を決めて検索でき、自分に適した職場を見つけやすいでしょう。