鍼灸師は大変?仕事が大変だといわれる理由ややりがい、向いている人の特徴やキャリアパスも紹介

保健医療を行う国家資格の鍼灸師は、お客様の不調を改善したり痛みの緩和をしたりと、施術によって人の役に立ち、感謝されるやりがいのある仕事です。

しかし大変だといわれることも多く、鍼灸師の道を目指すかどうか迷っているという方もいるかもしれません。そこで、鍼灸師が大変といわれる理由ややりがい、鍼灸院以外の進路について詳しく紹介します。

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鍼灸師が大変・しんどいといわれる5つの理由

鍼灸師は業務独占の国家資格で、社会的信用も高くやりがいのある仕事です。しかし、大変な仕事だからやめておけといわれた経験がある人もいるかもしれません。

鍼灸師の仕事が大変だといわれる理由を整理してみましょう。

1. 肉体的・精神的な負担が大きい

鍼灸の施術は、一歩間違うと事故につながりかねない繊細なものです。そのため施術中は神経を張りつめておかなければならず、精神的な負担はかなりのもの。

またカウンセリングから原因の特定、施術までを一人で担当することも多く、その間立ちっぱなしということもあります。忙しい鍼灸院では一人のお客様の施術が終わっても休憩する暇がないこともあり、張りつめた神経と肉体的な辛さが重なることで大変だと感じることも多いのは事実です。

2. 労働時間が長い

鍼灸院は8~9時ごろから営業開始し、19時ごろまで、長い店舗では22時くらいまで営業しています。交代制でなければ当然労働時間も長くなるため、プライベートを充実させられなかったり疲れがとれないまま仕事に行かなければならなくなったりすることも。

仕事は施術だけでなく、営業前の準備や営業後の片付け、清掃や道具のメンテナンスなどもあり、長い拘束時間のなかで動き続けなければならないことは大変な負担だといわざるを得ません。

3. 給料が低い

鍼灸師は給料が低いといわれることがあります。実際には、鍼灸院によって給与システムは異なり、経験年数やスキルによっても違いがあるのが実情です。

国内の給与所得者の平均年収は458万円。鍼灸師の平均年収は約459万円なので、決して低いわけではありません。それでも給与が低いといわれがちなのは、労働時間の長さや精神的・肉体的負担に見合わないと感じる人がいることも理由のひとつでしょう。

引用元
令和4年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 jobtag|はり師・きゅう師

4. 競争率が高い

厚生労働省が発表した「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、令和4年のはり師は13万4,218人、きゅう師は13万2,205人ですが、そのうちの多くが鍼灸両方の資格取得者であると考えられます。

一方で鍼灸を行う施術所の数は3万3,986カ所で、令和2年より1,800カ所以上増えているものの、一人で営業する個人開業の鍼灸院も含まれており、鍼灸師の数と比較すると就職先が十分あるとはいえません。

さらに個人で開業した場合も競合が多いことから、集客の工夫をしなければ売上の確保は難しいといえるでしょう。

引用元
厚生労働省|令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

5. 一人前になるまでに時間がかかる

鍼灸師は一定期間専門の学校で学び、国家試験に合格しなければならないため、そのハードルは高いです。しかし国家試験に合格したからといって、すぐに鍼灸師として活躍できるわけではなく、就職後に研修を受けたり、見習い期間を経なければならなかったりと、一人前になるまでにもハードルがあります。

一人前と認められなければ納得のいく給料ももらえないため、大変だと感じることもあるでしょう。

鍼灸師のやりがいはどんなところにある?

鍼灸師が大変だといわれる一方で、多くのやりがいがあるからこそ鍼灸師を目指す人も多いのではないでしょうか。

ここからは、鍼灸師がやりがいを感じることを見ていきましょう。

1. 施術をして感謝される

鍼灸師は「その他保険医療従事者」に分類される仕事で、社会貢献度の高い技術職です。治療によってお客様に感謝されたり、悩みや辛さが軽減されて喜ぶ姿を見られたりすることは、大きなやりがいとなります。

また医療現場で医師の指導のもと痛みの緩和やリハビリを行ったり、福祉施設で利用者の機能回復のサポートをしたりと、多方面で人の役に立てるため充実感を得られるでしょう。

2. 努力が収入に反映されやすい

鍼灸師は技術職なので、知識を深め技術力を高めることが評価につながります。技術が認められればお客様をより多く集めることができ、指名が増えれば給料にも反映されるでしょう。

また固定客がつけばその分独立開業もしやすくなり、高い技術力で評判を呼べば事業として店舗拡大することも可能です。努力して技術力を磨くことが、高収入につながりやすい職業だといえます。

3. 独立や海外での活躍も可能

鍼灸師は独立開業が認められているため、開業して一国一城の主になる夢を叶えられます。また店舗を構えずとも訪問鍼灸師として活躍することもできるので、まさに腕一本で稼ぐことが可能です。

鍼灸の技術は国外でも広く認められています。アメリカでは毎年百万人以上が鍼治療を受けているとされ、多くの州で鍼師の免許発行や登録制度を実施。WHO(世界保健機関)でも鍼による治療が有効である可能性が高いとして、約40の病状をリストにして公表しています。鍼灸師の需要は海外でも高いことから、海外を拠点に活躍することも可能です。

引用元
全日本鍼灸学会雑誌|米国国立衛生研究所(NIH)合意形成声明
厚生労働省|「統合医療」に係る情報発信等推進事業(鍼治療)

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鍼灸師のキャリアパスと将来性

鍼灸師は独立開業ができる資格で、鍼灸師として活躍できる場は開業以外にも広く開かれています。

鍼灸師の進路やキャリアパスについて見ていきましょう。

介護・医療分野

鍼灸師は、介護施設で利用者の機能回復などのリハビリを行う「機能訓練指導員」として働くことができます。また治療院以外で鍼灸師の就職先として挙げられるのが、病院やクリニックです。

病院やクリニックでは、介護施設での仕事と同様機能回復の訓練やリハビリを行うほか、鍼灸の知識と技術を活かして痛みを緩和したり自律神経を整えたりすることも。病院やクリニック、介護施設や福祉施設では、西洋医学だけでは補いきれない部分のサポートをする、重要な役割を担います。

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スポーツ分野

鍼灸師の技術に「スポーツ鍼灸」と呼ばれる分野があり、通常の体の不調を整えたり痛みを軽減したりする技術をさらに進化させ、スポーツによる筋肉や関節などの故障の治療や疲労回復をサポートしたり、予防したりしてアスリートの体調管理を行います。

予防やケガの治療、痛みの軽減だけでなく、メンタルの不調や緊張の緩和などにも重宝され、アスリートのコンディションを全体的にサポートする仕事です。

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独立開業

鍼灸師は、鍼灸院や整骨院だけでなく、美容鍼サロンなど美容の分野でも活躍しています。

独立開業では他院との差別化をはかるため、得意の分野に特化して強く打ち出すことが大切です。そこで、ひとつの悩みに特化して不調の改善を強みにしたり、美容の分野でアンチエイジングやリフトアップに特化したサロンを開業したりして集客できます。

鍼灸師に向いている人はどんな人?

冒頭でお伝えしたとおり、鍼灸師は肉体的・精神的な負担が大きいなど大変だといわれる仕事である一方で、やりがいもたくさんあります。

大変だといわれる部分とやりがいを踏まえて、どんな人に向いているのかを紹介しましょう。

コミュニケーション能力が高い人

鍼灸師は人を相手にする仕事です。どの分野に進むとしても、人と関わることは避けられません。

カウンセリングで悩みを聞き出し不調の原因を特定したり、お客様の気持ちに寄り添って治療方針を決めたりする必要があります。そのため、コミュニケーション能力が高い人に向いている仕事だといえるでしょう。

人の気持ちに寄り添える人

体調不良の原因が、生活習慣や体の不調だけとは限りません。心配ごとやストレスが原因のケースもあるため、人の気持ちに寄り添える人が向いています。

いくら技術力が高くても、相手の気持ちを考えずにきつい言い方をしたり適当にあしらうような態度をとったりすると、信頼関係を築くことはできないでしょう。誰かに話を聞いてもらい共感してもらえるだけで、気持ちが晴れることもあります。そのため、他人の繊細な心の機微に敏感な人は、お客様に信頼される鍼灸師になれるはずです。

洞察力がある人

鍼灸では、悩みや体の不調の原因を特定して治療方針を決め施術を行います。上述したように、その原因を聞き出すためには高いコミュニケーション能力が必要ですが、それだけでは十分とはいえません。

お客様の言葉や見た目でわかる表面的なことだけでなく、もっと深い部分に原因が隠れていることもあるからです。その原因を突き止めるには、鋭い洞察力が求められます。

表情や些細な言葉などから多くの情報を受け取ることができる能力に長けた人も、鍼灸師に向いているでしょう。

向上心をもっている人

鍼灸師は、スキルを磨くことが長く活躍するために欠かせません。謙虚に勉強を重ね、技術の習得や鍛錬をもってお客様の信頼を勝ち取ることで、高い収入を得たり違う分野で活躍したりできる道につながります。

資格をとったからと慢心せずに、常に学び続ける向上心のある人が重宝される仕事です。前向きに頑張れる人、努力することが苦にならない人が向いているでしょう。

鍼灸師の平均年収と一日の流れ

これから鍼灸師を目指す方にとって、年収の目安や一日の流れは気になるところでしょう。鍼灸師の平均年収と一日の流れを紹介します。

鍼灸師の平均年収は約459万円

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、鍼灸師の平均年収は459万3,000円です。あくまで平均値なので、高いスキルをもっている鍼灸師はもっと高い給料をもらっていると考えられます。

次に求人情報サイト「リジョブ」に掲載されている鍼灸師の求人の給料を紹介しましょう。

東京都の正社員の求人で月給25~60万円程度、大阪・愛知県でも同様で、なかには上限100万円という求人も(2024年6月現在)。

やはりスキルや指名数などの条件によって、かなり給料には差がでることが求人情報からも読み取れます。開業して軌道に乗れば、さらに収入を上げることも可能です。

引用元
厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag

鍼灸師の一日の流れ

鍼灸院での鍼灸師の一日の流れを紹介します。当然鍼灸院によって変わるため、参考程度にしてください。

8:30
出勤→開店準備

8:45
ミーティング・予約内容の確認

9:00
午前の診療開始

12:00
ランチタイム

14:00
午後の診療開始

19:00
道具類の片付け、カルテの整理、清掃、レジ精算など

19:30
退勤

鍼灸師の仕事はどうやって見つける?おすすめの方法を紹介

鍼灸師は業務独占の国家資格ですが、豊富な人員体制の鍼灸院ばかりではないため競争率が高いのが現状です。鍼灸師の仕事で、理想の職場環境をなかなか見つけられないという経験がある方もいるかもしれません。

そこで、鍼灸師の求人を探すのにおすすめの方法を2つ紹介します。

転職エージェントを利用する

転職エージェントとは、企業と就職希望者をマッチングさせるサービスで、経歴や希望などを伝えておくことで、合いそうな起業を紹介してもらうことができます。書類添削や面接対策などのサポートを受けることも可能で、初めての就職活動におすすめの方法です。

ただし登録のためにエージェントまで足を運ばなければならなかったり面談があったりするため、求人紹介までに時間がかかるのが難点といえます。

求人サイトを利用する

求人サイトは、自分でいろいろな求人を見比べて選びたい方におすすめの方法です。できるだけ多くの求人が掲載されているサイトを利用することで、理想の就職先を見つけやすくなります。

そこで、業界最大級の豊富な求人数を誇るリジョブがおすすめ。豊富な選択肢から選べるため理想の職場環境を見つけやすく、スマホアプリもあるので隙間時間を活用したい方にもぴったりです。

リジョブの理想の求人を見つけやすい機能や特徴を紹介します。

便利な絞り込み検索機能

リジョブは絞り込み検索機能が充実しており、詳細なこだわり条件を指定することができます。たとえば「未経験者歓迎」「年齢不問」「研修制度あり」などの条件はもちろん、「病院」「スポーツ外傷」「美容鍼灸」など、施術の分野を指定することも可能。

客層や給料、福利厚生なども詳細に指定できるので、理想の求人を見つけやすいのが特徴です。

スカウトのチャンスも

リジョブにはスカウト機能があり、企業から直接オファーを受けられる可能性も。リジョブのスカウト機能は内定率が通常の1.4倍と高く、スマホアプリユーザーのスカウト受信数は平均8件です(2022年4~6月集計)。

スカウトを受けとるには、リジョブで会員登録をし、プロフィールを入力するだけ。さらに、気になった求人をキープすることで企業に通知がいき、アピールすることができます。

スカウトにあたって個人を特定できる情報を企業が知ることはないため、お断りする際も心配はいりません。プロフィールを登録して、内定がもらえるチャンスを増やしましょう。

鍼灸師は活躍の幅も広くやりがいのある仕事

鍼灸師は一人前になるまでに時間がかかることや、肉体的・精神的な負担が大きいことから大変といわれる仕事ですが、スキルを磨くことで開業したり収入を上げたりすることが可能です。

身につけた技術で人に感謝されたり鍼灸院以外でも幅広く活躍できたりと、メリットややりがいも大きく、身につけたスキルは一生もの。

鍼灸師の仕事を探すには、豊富な求人から詳細な条件指定で理想の職場を見つけやすいリジョブを活用するのがおすすめです。スマホアプリを活用すれば、隙間時間で効率的に求人探しができるうえに、スカウトを受け取ることもできます。

ぜひ会員登録をして、理想の仕事を見つけましょう。

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