スポーツトレーナーになるには資格が必要? スポーツトレーナーにおすすめの資格とは
スポーツトレーナーは選手のケガの予防やリハビリ・体調管理など多方面で練習や選手生活をサポートするやりがいある仕事です。ところで、スポーツトレーナーになるには資格が必要なのでしょうか。
ここでは、スポーツトレーナーを目指す人におすすめの国家資格や民間資格について、くわしくご紹介します。
スポーツトレーナーに必須の資格はある?
スポーツトレーナーは選手の体調やケガの予防のためのケア、リハビリなどを専門的立場でサポートする役割があります。
スポーツトレーナーという資格はないものの、取得が必須となる資格が存在するのが特徴です。ここでは、スポーツトレーナーに必須の資格をご紹介します。
資格を取得するメリットとは?
スポーツトレーナーを目指すうえで、資格を取得するとどんなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、資格を取得するメリットをご紹介します。
1. 専門性を証明できる
資格を取得することで、高い専門性を有していることを証明することが可能です。資格があるのとないのでは、採用者に与える印象も異なります。
資格取得に向けて知識やスキルを得るために努力した証になり、職場でも学んだことを活かしてくれるという期待が持てるでしょう。また、資格があることで自分の自信に繋がり、仕事に学んだことを還元できます。
2. 就職・転職に有利になる
資格を取得すると、採用者に専門的な知識、スキルを有していることをアピールできるので、就職や転職で有利です。
また、資格の有無によって就職先も変わるのが特徴です。資格が無いと、働きたい場所に就職できないことも考えられます。しかし、専門的な資格を持っていれば就職先の選択肢を増やすことができ、働くフィールドも広げられるでしょう。
3. 独立するときに役立つ
独立・フリーランスになるときにも実績とともに売り込む要素として役立つ資格があると、独立開業やフリーランスとして働く際に、実績に加えて自分の力をアピールできる材料となります。
独立やフリーランスでは、起業・経営・自身で稼ぐ力が必要です。資格を取得して専門性を身につけていれば、周りからの信頼や安心にも繋がり、一人で会社を立ち上げて仕事をはじめるときにも役立つでしょう。
スポーツトレーナーを目指す人におすすめの国家資格4選
国家資格のなかには、スポーツトレーナーを目指すうえで役立つ資格がいくつかあるようです。ここでは、スポーツトレーナーを目指す人におすすめの国家資格を4つご紹介します。
1. 柔道整復師
柔道整復師は、国家資格として骨・関節・筋・腱・靭帯などに発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガに対して、手術をしない施術で治療をおこなう専門家です。解剖学や生理学など、身体の構造や働きなどの知識を持っているため、スポーツトレーナーとして役に立てるでしょう。
スポーツトレーナーは職業柄、選手の身体に直接触れ、応急処置やリハビリケア、トレーニングやマッサージを実施します。このことから、柔道整復師の資格を持っていれば、ケガの応急処置などを医療的な専門の立場として携わることが可能です。
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スポーツトレーナーに活かせる技術
スポーツによるケガに対して応急処置ができるだけでなく、回復するまで継続して専門的な視点からアプローチすることが可能です。
また、ケガを防止するトレーニングやパフォーマンスを上げるためのストレッチなどもスポーツトレーナーとして活かせます。
資格取得までの流れ
柔道整復師の資格を得るには、高校を卒業して、柔道整復師養成課程を有する専門学校や柔道整復学科を持つ大学へ入学し、必要な科目や単位を履修します。
座学のほか、技術習得のための実習、実技授業も受けなければなりません。そして受験資格を得たあとに国家試験を受け、合格することが条件となっています。
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2. あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、選手の身体に直接触れて、揉む・叩く・押すなどの手技により、筋肉の緊張緩和や血流促進、リンパ液の循環促進などができる国家資格です。
筋肉の凝りやケガ後の安静から復帰を目指す選手に対して、専門的な知識・スキルをもとに体の回復やコンディションを整えるためのサポートをおこなえます。
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スポーツトレーナーに活かせる技術
スポーツ選手にとって、マッサージは非常に重要なものです。練習前や練習後、試合後のマッサージによって疲労を軽減させて、ケガの防止やパフォーマンスの向上に繋げられます。
また、あん摩マッサージ指圧をおこなう際には道具や機械が基本的には不要なので、いつでもどこでも施術ができるのがメリットです。
資格取得までの流れ
あん摩マッサージ指圧師の資格を得るには、高校を卒業後、国指定のあん摩マッサージ指圧師養成施設へ入学し、必要な科目や単位を履修しなければなりません。
それから、年に1回おこなわれる国家試験を受験して、基準となる点数を満たせば、合格となります。
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3. 鍼灸師
鍼灸師は、からだの各所にある「ツボ」を刺激することで体の不調にアプローチできる国家資格です。東洋医学にもとづき、医療機関や美容の分野で活躍できるのが特徴。
最近では、「スポーツ鍼灸」が注目されており、選手の疲労回復やケガの予防、治療などの役割がスポーツ界においても期待されています。
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スポーツトレーナーに活かせる技術
全身にあるツボに対して鍼やお灸を使って、疲労や痛みを軽減できます。トップアスリート選手など、激しい運動後や大切な試合の前後などに鍼灸をおこなう人が多く利用されているようです。
全身のさまざまな症状に対して鍼灸は効果があるといわれており、心身ともによいパフォーマンスができるようにサポートします。
資格取得までの流れ
鍼灸師の資格を得るには、鍼灸学科を有する専門学校や大学・短期大学・養成所などへ入学し、必要な科目や単位を履修します。
就学先によって、3年あるいは4年通うこともあるようです。その後、国家試験を受験し、基準点をクリアすれば合格となります。
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4. 理学療法士
理学療法士は、リハビリケアや機能訓練をとおして、日常生活動作の改善をサポートできる国家資格です。
病気やケガなどでADL(日常生活動作)が低下した人に対して、運動療法や温熱、電気などを用いた物理療法で日常生活や社会復帰を支援します。
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スポーツトレーナーに活かせる技術
動作の専門家として、スポーツ時の痛みやケガに対して、痛みを軽減させたり、動作を改善して痛みを取り除いたりする施術がおこなえることは、スポーツ選手にとっても重要な技術でしょう。
リハビリが必要な選手に対しても、一緒にプログラムを組んで回復トレーニングをおこなうなど、多岐にわたってサポートすることが可能です。
資格取得までの流れ
理学療法士の資格を得るには、医療技術系の大学やリハビリテーション学科を有する3年制の短期大学、専門学校などの厚生労働大臣指定の養成施設へ入学します。
その後、必要な単位、科目を履修したのち、国家試験を受験して合格することが必須です。
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スポーツトレーナーを目指す人におすすめの民間資格3選
スポーツに関する民間団体が認定する認定資格を取得しておくと、スポーツトレーナーとして働く際に役に立つでしょう。ここでは、スポーツトレーナーを目指す人におすすめの民間資格をご紹介します。
1. 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
こちらは日本スポーツ協会公認の資格で、選手の体調管理・応急処置・教育的サポート・スポーツ外傷予防などを専門的立場でおこないます。
スポーツドクターやコーチと連携を図りながら、協力して選手をサポートする役割を担っているのが特徴です。
スポーツトレーナーに活かせる技術
テーピング技術やストレッチ・トレーニング・ケガの際の応急処置など総合的な知識と技術を持っているため、さまざまな場面で活躍できます。
また、特定の競技の知識や技術があれば、その競技の専門スポーツトレーナーとして活躍している人も多いです。
資格取得までの流れ
資格を得るには、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー養成校にて履修をおこなうことが必要です。
また、実技試験の受験には、180時間の実習を受けることが条件となっています。受験資格を満たせば、試験を受けられ、基準を満たして合格すると資格を取得することが可能です。
2. ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチックトレーナー
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会が認定する民間資格です。選手のパフォーマンス向上に向けて、医療的側面からのアプローチを中心に専門的サポートをおこないます。
比較的難易度の高い資格なので、取得すれば差別化を図れるほか、就職や転職にも有利となるでしょう。
スポーツトレーナーに活かせる技術
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチックトレーナーは、選手の健康管理やケガの予防、リハビリなど医療的なサポートがメインです。
スポーツの練習における、ケガの予防や体調管理、リハビリをおこなうスポーツトレーナーの仕事に活かせるでしょう。国家資格保有者におすすめの資格であり、専門的知識やスキルを発揮できます。
資格取得までの流れ
資格を取得するには、柔道整復師、理学療法士などの資格を持っていることが大前提で、協会の講習会および通信教育講座でスポーツ科学分野の単位を修得する必要があります。
また、2年制以上の専門学校、大学および大学院などでスポーツ科学系のコースを卒業したのち、協会が認定する臨床医学系専門科目の単位、スポーツ科学分野の単位を修得していれば資格を取得することが可能です。
3 全米アスレティック・トレーナーズ協会公認アスレティックトレーナー
全米アスレティック・トレーナーズ協会公認アスレティックトレーナーは、世界最高峰といわれており、アメリカのほとんどのスポーツトレーナーが取得する資格です。
看護師などと同様に準医療従事者として扱われ、メディカル的なサポートを中心におこないます。英語が流暢であることが求められ、国際的に活躍の場を広げられる資格です。
スポーツトレーナーに活かせる技術
全米アスレティック・トレーナーズ協会公認アスレティックトレーナーは、準医療従事者として、スポーツ障害の管理や評価、選手の教育やカウンセリングなど高い専門性を発揮できる資格です。
スポーツトレーナーにおいても、選手の練習におけるケガの予防やリハビリなどのケアに役立てられます。
資格取得までの流れ
資格取得までの流れは、日本の高校卒業後と大学卒業後とで異なります。日本の高校卒業後の場合は、MERCED COLLEGEへ進学し、アメリカの4年制大学を卒業後、NATA取得可能アメリカ大学院へ進学。
日本の大学卒業後の場合は、MERCED COLLEGE進学後、NATA取得可能アメリカ大学院へ進学します。なお、アメリカの4年制大学へ再進学することも可能です。
スポーツトレーナーの需要はある? 将来性は?
スポーツトレーナーはプロスポーツ選手がいるところはもちろん、実業団チームや選手がいるところなど、さまざまな場所で活躍しています。
また、各競技も技術の向上に伴ってケガのリスクや専門知識がより求められる時代になっているようです。競技開始年齢も低くなっており、早い段階から子どもに対して、専門的にスポーツをはじめさせる親も増えています。
ジュニアチームから年配の人まで
各競技において、世界で活躍する日本代表選手も低年齢化が進み、中学生や高校生が代表選手として活躍している競技も少なくありません。
しかし、成長期でもあるジュニア期にケガをしてしまったり、今後の生活に支障が出たりする障害リスクも考えられます。そういった場合では、専門的な知識を持っているスポーツトレーナーが求められており、技術指導以外の面でもサポートが必要です。
また、介護の現場でもスポーツメーカーやゲームメーカーが介護施設に機械を導入したり、運動したりする機会も増えていっています。そのため、専門的な知識を持ったスポーツトレーナーの存在が重要です。
若い人だけでなく、年配なども含めて幅広い年齢の人がスポーツトレーナーを必要とするようになるでしょう。
部活などの学校教育
国の方針として少しずつ、部活動などのスポーツは外部指導者による指導や活動の機会を増やしていく考えであると少し前に話題となりました。
現状では、学校の教員が顧問として指導をおこなっていますが、今後は外部の専門知識を持った指導者が活躍していくと考えられます。そういった場合には、スポーツトレーナーの需要は一気に高まるため、人材不足になる可能性もあるようです。
自分にぴったりの資格を見つけて活かそう!
スポーツトレーナーは選手の体調やケガの予防、リハビリなど専門的立場でサポートできるやりがいある仕事です。
国家資格や民間資格を取得することで専門性を高められるため、就職や転職をする際にも有利となります。ぜひ自分に合った資格を見つけて、取得を目指しましょう。
引用元
日本理学療法士協会 理学療法士とは
日本スポーツ協会 公認アスレティックトレーナー
ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 認定アスレチックトレーナー
全米アスレティック・トレーナーズ協会 公認アスレティックトレーナー