インテリアに溶け込むように花を飾る【花やグリーンでサロンを演出】#2
お客さまがホッと和めるサロンの雰囲気づくりや、自分が家に帰ってくつろげる空間づくりのための、花やグリーンの飾り方を提案します。
暮らしの中で、手軽に花やグリーンを楽しむことを提案しているプランツスタイリストの井出 綾さんに、普段の花の飾り方を教えてもらいました。
サロンでも家でも、実践できるアイデアを紹介します。
インテリアとして飾っていたカゴや雑貨を花器として使う
花を飾ることに慣れてきたら、ただ置くだけでなく、「インテリアの一部になるように飾る」ことも心がけてみましょう。花単体ではなく、部屋の一部として花を見ると、もっとインテリアが素敵になります。
「インテリアとして飾っているカゴや雑貨を、花器として利用することはおすすめです。もともとその部屋に置いてあったものなら、花を入れてもしっくりなじむはず。特にかごのナチュラルな雰囲気は、花やグリーンとも相性が良いですよ。中に水が入れられないものは、落とし(水を張れる容器。コップなどでよい)を入れて生けましょう」と井出さん。
カゴにも、形、大きさ、色などのいろいろなタイプがあるので、花によって変えると違った雰囲気が楽しめそうです。床に直置きもできるので、サロンで飾るスペースがない場合にも重宝します。
カゴだけで飾っても素敵ですが、クロスを組み合わせてワンランクアップ。白いクロスが、グリーンやカゴのベージュをより引き立てて、心を和ませてくれるアレンジになりました。主役の花は真ん中のブルーのチョウジソウ。グリーンの中に少しの青が入ることによって、全体を引き締めています。
スタイリング小物もいっしょに飾る
お気に入りの雑貨やポストカード、石や木の実などの自然素材を花にからめて飾ると、インテリアのプチスペースが完成します。特に、石、木の実、貝殻などの自然素材は、花やグリーンとしっくりなじんで、季節感をさらに盛り上げてくれます。
また、クリスマス、お正月、節分など季節の行事にまつわる小物も活用すると、お客様とのコミュニケーションのきっかけになるはずです。入り口、受付、会計の場所など、部屋の中で自然に目が行く場所などに飾るといいですね。一度、お客様目線で、どこに目がいくのかを確認して、飾るスペースを確保しましょう。
ヒヤシンスをすりガラスのグラスに飾り、石を合わせて空間を作ります。花だけを飾るよりも立体感が出て、より素敵に見えます。ヒヤシンスの脇役として枝もの(シロモジ)、実もの(ヘデラベリー)を合わせて、主役をより引き立てました。
小さな瓶を複数並べて飾る
ジュースやジャムなどの空き瓶は、花器として重宝します。でも、いつも同じ飾り方になりがちで、物足りなさを感じることはありませんか。そんなときは、複数の瓶を並べてみましょう。瓶の種類、大きさや高さを変えると動きが出て、いつもと違うアレンジになります。
さらに、マットやトレイを敷いてステージを作るのもおすすめです。一体感がでて、スペースとしてまとまります。花やグリーンは違うものを飾ってもいいのですが、何か一つ共通したものをそれぞれの瓶に入れると、バラバラな印象になりません。
色違いのクレマチス1本ずつ生けた空き瓶を2個並べました。違う瓶でもトレイにのせると、まとまりが出て、インテリアになじみます。少ない花でも素敵に見えますね。
Column
花をもっと長持ちさせるコツ
① 花器の水を入れ替える
花を長持ちさせるには、水を替えてあげるのが一番です。生けてあった花やグリーンを花器から出し、水を捨てます。花器の内部が汚れていたら、食器用洗剤などで洗ってよくすすぎます。
② 茎の先をカットする
しおれていた花や葉を取り除きます。茎の先に元気がなかったら、茎を少しカットして切り口を新しくします。こうすると、水を吸い上げやすくなります。きれいな水を入れて、花や葉を戻します。
写真・取材・構成
花の写真:井出 綾
取材・構成:大橋史子(ペンギン企画室)
Profile
井出 綾さん
プランツスタイリスト。Bouque de soleil主宰。輸入雑貨店、デザイン事務所を経て、アレンジメント教室勤務。フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学び1994年よりフリーランス。雑誌、広告、イベント、商業施設でのアレンジやスタイリングと、「花あわせレッスン」「野山の花の会」やカルチャースクール、ワークショップなどのスクーリングを主に、自然と暮らしをつなぐ花を提案しています。
Bouque de soleil http://soleil-net.com
井出綾さんの著書「花の教室」(¥1400/グラフィック社)
なかなか花を上手に生けられない、どんな花を選んでいいかわからないと悩む初心者さんにはもちろん、もっと素敵に飾りたい!とワンランクアップを目指す上級者さんにも、参考になる1冊です。花の選び方、花器の選び方、色合わせのコツ、季節に合わせた花の飾リ方など、迷ったときに助けてくれるアイデアが満載です。
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