掃除をラクにするコツは、汚れが軽いうちにサッと!【「シンプル家事」で心地よく暮らす #2】
事に追われる忙しい毎日だけれど、自分の「日々の暮らし」も大切にしたいですよね。家の中がゴチャゴチャに散らかっていると、疲れて帰ってもホッとできないし、食生活がいいかげんだと、健康はもちろん、美容にも悪影響が……。
何より、雑な暮らしぶりをしていると、お客様にも伝わってしまうものです。
そこで、忙しくても自分なりの「シンプル家事」を実践して、小さな工夫をしながらていねいに暮らしている、人気ブロガーの中山あいこさんを取材しました。
よけいな物を持たず、日々の汚れをためず、シンプルに暮らす秘訣とは……? 自分の家だけでなく、サロンでも取り入れられるアイデアが見つかりそうです。
掃除をラクにするコツは、汚れをためないこと
意外ですが、「私は面倒くさがりでズボラな性格なんです」と中山さんは言います。えっ、こんなに家の中がピカピカなのに……?
「ズボラだからこそ、いかにラクできるかをいつも考えています。たとえば、汚れは時間がたつと、こびりついて掃除が大変だけど、すぐに拭けば簡単に落ちます。だから、『こまめに拭き掃除』をいつも意識しているんです」。
料理の最中にも、コンロ周りや冷蔵庫の取っ手、調味料の液だれなど、ふきんを片手にあちこち拭いているのだそう。「その都度サッと拭く作業は、最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、簡単に汚れが落ちるから、慣れるとすごくラクチンですよ」
お風呂上がりには、「使用済みのバスタオルを使って洗面台をサッとひと拭き」が日課です。
「所要時間は、1回1~2分です。汚れをためないほうが掃除がラクちんだし、毎日気持ちよく過ごせます」
「その都度掃除」を習慣にするために大切なのは、掃除道具をすぐ手にとれるところに置いておくこと。
たとえば掃除機は、以前は納戸に入れていたのをキッチンに置くようにしたら、掃除がグンとラクになったといいます。「子どもの食べこぼしなど、ちょっと使いたいときにもサッと手にとれるので、キレイをキープできるようになりました」
玄関用のほうきとちりとりは、下足入れの扉の裏にフックで吊るしています。「玄関や玄関の前は、毎日掃除してきれいにしておきたいので、すぐ手にとれるところにあると便利です」。
掃除がおっくうにならないための習慣や工夫、自分の家だけでなく、職場でも見習いたいですね。
人にも環境にもやさしい石けんを、家じゅうで使い回す
中山さんは、お気にいりの石けんひとつを、掃除から食器洗い、洗顔、身体洗いまですべてに使っているそうです。
「用途によって洗剤や石けんをそろえていると、場所をとるうえに、管理の手間もコストもかかりますよね。身体にも使えるようなやさしい石けんに統一しておけば、いちいち考えないで使えるのでラクですし、安心です」
中山さんが使っているのは、「松の力」という石けん。成分は「松の樹液と水のみ」とのこと。「原料の松は、無農薬で栽培されているそうです。安全性・使い易さ・容器ゴミ・輸送コストなど、様々な面で環境にも人にも優しいところが気に入りました。泡切れがよく、すすぎが短くてすむので節水にもなります。掃除はもちろん、洗濯は、普段着だけでなくおしゃれ着もこれで洗えるし、食洗機にも使えるんですよ」。
浴室には、水で薄めた石けんを泡ボトルに入れて、写真のように吊るしておき、洗髪、身体洗い、浴室掃除に使っているそうです。
透明な容器は、見た目にも清潔感がありますね。直に置かずに吊るしておくことで、手に取りやすいうえに、ヌルヌル防止にも!
大切な道具をお手入れして、永く美しく保つ
中山さんは、木製の家具が大好きなのだそうです。
「無垢材オイル仕上げのものは、木の肌触りがやさしく、ひとつひとつ表情が違うのも素敵。時間がたって使い込むほどに味が出てくるところも、気に入っています」。
でも、木製の家具は傷つきやすく、水や汚れに弱いという特徴も。そこで、定期的にオイルでメンテナンスをしています。
やり方は、まず紙やすりをかけて、ウエスで拭いた後オイルを塗り、乾いたらからぶきをするだけ。コップの跡やちょっとしたキズも消えてきれいになり、乾燥も防げて、ツヤが蘇ります。
長く使うためにていねいにお手入れをしているのは、家具だけではありません。たとえば、サロンでもたくさん使っているステンレス製品。
「ステンレスは丈夫でサビにくいはずなのに、いつの間にかサビが出てしまうことが……。キッチンばさみなんかは、水洗いしたときに、つなぎ目の部分がちゃんと拭けていないのが原因で、サビが出ることがあるんです」
「そんなときは、サビとり消しゴムとブラシを使って落としています。サビを少し濡らしてこするだけで、簡単にキレイになりますよ」。
洗面台にできたヘアピンの跡(もらいサビ)や、シンクに缶を置きっぱなしにしてできた輪のサビなどにも有効だそうです。「細かいところは、重曹とワイヤーブラシを使うのもおすすめです」
サビ落としも、「軽度なうちに早めに落とす」のがコツ。サロンの道具も、お客様の目に触れることが多いものですし、いつでもピカピカに、清潔にしておきたいですね。
「どんな道具でも、自分でお手入れをすると、ますます愛着がわいてきます。お気に入りの道具を、お手入れしながら何十年も大切に使っていきたいと思います」
写真/中山あいこ
取材・文/臼井美伸(ペンギン企画室)
Profile
中山あいこさん
10歳の息子、0歳の娘を育てるワーキングマザー。シンプルで心地のよい暮らしをテーマに日常を綴ったブログ「生活のメモ」を2013年にスタート。ていねいな暮らしぶりが反響を呼び、総アクセス数300万PV以上となっている。家事も子育ても、「楽しむこと」がモットー。身体にやさしくて簡単なレシピを、日々のごはんづくりの中で考案したり、掃除しやすい部屋づくりを実践中。
Information
中山あいこさんの著書『持たない ためない 使いまわす 家事がラクになるシンプルな暮らし』(\1400/エクスナレッジ)
「子育て、家事、仕事に忙しい毎日。家事が苦手だし、ズボラな性格だし、毎日がてんてこまい……。でも、ていねいな暮らしに憧れる。どうしたらいいの?」
そんな疑問にこたえる、生活のヒント集。家事、掃除、料理、家計のやりくり、手作り……など、家しごとを楽しむためのアイデアがたくさん詰まっています。
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