トレンドを創る人 Vol.7 CIECA. 野口和弘さん 組織ナンバー2の役割と使命 #1

表参道の人気サロン「Garland」の別ブランドとして、2年前に誕生した「CIECA.」(シエカ)。ガーリーな雰囲気の「Garland」とは一線を画す、エッジ―でクールな印象のサロンです。
こちらで代表を務めるのが野口和弘さん。東京ブレンドのメンバーでもある野口さんは、「Garland」グループの統括ディレクターも務めるなど、幅広く活躍しています。人気・実力共に折り紙つきの野口さんですが、あえて独立はせず、企業の中で別ブランドを手掛けることを選択しました。
実は最近、独立はしないで企業に残りながら活動を広げるスタイルが注目されています。早い段階からこのことを選択した彼の思惑やビジョンについて伺ってみました。

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佐賀で美容人生をスタート。わずか1年半でスタイリストに

――野口さんの出発点はどちらですか?
「僕は九州出身で、佐賀の美容室からスタートしました。東京とは違い、アシスタントの期間は本当に短いんです。僕の場合はわずか1年半でスタイリストに合格してしまいまして…」

――表参道界隈とは全く違いますね。ものすごくスピーディー!
「はい。ですから、今思えばカットもろくにできない状態でお客様を施術していました。
地方の美容師は、休みの日はセミナーに行くことが多いんですね。オーナーが“この日は東京の有名な美容師の○○さんが来るから、セミナーに申し込みなさい”と頻繁に言うんです。で、僕たちはそこへ行って勉強をする。これを繰り返していました」

――熱心ですね
「う~ん… ただ、ちょっとそれには疑問を持ちまして…」

――疑問ですか?どんな?
「東京の美容師から教わってこい!ということは、地方のオーナーさんにはその技術がないということかと。そう思ってしまうと、そのサロンは少なくとも発信する側の立場にはないというわけですよね」

“教わる側”ではなく“教える側の人間”になりたいと上京

24歳のとき、野口さんは一念発起し、美容の頂点を目指すべく上京する。目標はもちろん、発信する側の美容師になるということ。
そこで現「Garland」の代表である榊原章哲さんと出会います。再度3年間のアシスタント期間を経て、27歳で再デビュー。当時は撮影部隊のひとりとして、数多くの雑誌で作品を発表していました。

野口さん
美容師に教える側の人間に憧れていた新人時代。現在はセミナー活動もこなす人気スタイリストとなる。

――当時はサロンの中でどんな存在でしたか?
「一発芸を求められると即、応えるようなノリ重視のキャラでしたね。ただ、ある時期このサロンは独立する方がチラホラいまして。そんな中、独立する先輩から“一緒にやらないか”と声のかかるスタッフが何人かいたのですが、僕は全く声が掛からず。誰も頼りにしていないんだなぁ… なんて思うこともありました。そんなとき、榊原も独立することとなり、始めてお声がけいただいたんです。そのとき、僕を頼りにしてくれたことが本当にうれしくて、一緒にやることに決めました」

そして誕生したサロンが「Garland」。ここで野口さんはサロンのナンバー2としてサロンワーク、撮影、教育などを担い、忙しい日々を送ることになります。

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オーナーと僕は真逆の性格。

意見が食い違うことだって頻繁にあります

――「Garland」での最初の目標は?
「オープン当時、榊原は10年10店舗を目標にしていましたから、そのためには今からなにをすべきか考え、慎重に慎重を重ねて行動していました。榊原と僕の性格は真逆なんですね。榊原は人に任せることができるタイプで、楽天家。僕は言われたことをきちっとこなさないと嫌な真面目なタイプなんです。石橋も叩くほうですし。だから、榊原が“どうにかなるさ”なんて楽観視しているときこそ、僕は危機感を持って冷静に対応しないといけないと思っています。意見に齟齬をきたすこともありますが、そんなときは中間点を探しながら着地点をみつけたりしていますね。お互い、自分にない視点を持っていますから、それがいい結果を生むこともありますし」

――10年10店舗は二人三脚で今も目指しているところですか?
「現在「CIECA.」を含めて4店舗ありますが、「Garland」がオープンした7年前は店舗数を広げるサロン経営が注目された時代です。でも、今は少し違うのかなぁと思っていますね。色々と模索中です」

――2年前に「CIECA.」をオープンされましたね。
「はい。「Garland」の隣にオープンしてこちらで代表を務めることに。あえて別ブランドを作ることで、お客様の選択肢が広がればいいと考えています」

――と、同時にグループの統括ディレクターもされている。お忙しいですね。
「榊原は完全に経営脳ですから、教育やデザインの発信は僕の仕事です。経営とクリエイティブをひとりで行うことは無理が出る。セパレートすることでそれぞれの役割に尽力できればいいと考えていますし、それができるのがナンバー2の存在なのかもしれませんね」

サロンの役員として、クリエイティブな作業や教育に力を注ぐ野口さん。経営のことを任せられる榊原さんがいることで、それぞれの才能を開花することができるのかもしれません。
このように、企業内で役員を目指す働き方は、これからのスタンダードになると言われている時代。野口さんの働き方が、良いモデルとなることでしょう。2回目のインタビューでは、「スタッフ教育」と「必要な人材」についてお伺いします。

野口さん
店舗入り口にて。ウッディな内装にして男性も入りやすい印象にしたそう。

取材・文/小澤佐知子
撮影/石田健一

Salon Data

CIECA.

CIECA.(シエカ)

日常のヘアにほんの少しの変化を取り入れる。
そんな遊び心を持ったデザインを提案してくれるサロン。CAFÉをイメージして作られた一軒家の店内は、ユニセックスをコンセプトに掲げ、男女共に親しみのある空間作りに仕上げている。
また、オリジナルショコラやマカロンをお茶と共に提供するサービスもうれしい限り。サロンにいながら、ホッと安らげる素敵な時間が過ごせます。
http://garland-tokyo.jp/

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