感性でなくデザイン学理論に基づきお客さまにあった提案を『HAIR STREAM』
「プロフェッショナルとして、お客さまにしっかり応えたい」と話すのは、ヘアサロン『HAIRSTREAM』オーナーの片岡孝行さん。信頼して髪を任せてくれるお客さまの期待に添えられるようにと、NYで学んだ“デザイン学理論”について伺いました。
デリケートなことだからこそ提案には配慮を欠かさない
――接客で気をつけていることはありますか?
「お客さまからしっかり話を聞いてカウンセリングをして、配慮しながら提案するようにしています。プロだから、お客さまの髪質については正直に話さないといけないのですが、そこはデリカシーを持って、お客さまに寄り添いながら提案していきますね。会話のなかから、お客さまが気になっていると感じた部分はとくに。そのため初回はしっかり話をしますが、2回目、3回目の方もそのときどきで悩みがありますから、カウンセリングは常に大切にしています。でも、気心が知れて信頼してくれるお客さまも多い。『お任せします』って言ってくれるんです。だからこそ、お客さまを正しくリードしていくというのが大切ですね」
――“正しくリード”とは、たとえばどういったことでしょう?
「たとえば、いつもお願いしているヘアサロンなら『今日はどんな感じがいいかな』と、お客さまからスタイリストにたずねることもあるでしょう。そのときに、いくら任されたとはいってもスタイリストの主観でスタイルを作っていくのはよくない。きちんとデザイン学理論に基づいて客観的に提案していく必要があります。スタイリストの主観で根拠がない提案で出来上がったヘアスタイルというのは、ただの自己満足でできた作品です」
アーティストではなくヘアデザイナーとして提案したい
――デザイン学理論とはどういったものですか?
「デザインには意味がないといけません。僕たちはヘアデザイナーであって、アーティストではありません。お客さまの顔の形や目の大きさなどを見ながら、誰もが『素敵』だと思える提案をする必要があるのです。そのために必要なのが、デザイン学理論です。前髪を作るか作らないか、パーマをかけるかかけないか、それぞれで迷っているお客さまへの提案は、その方の顔のバランスはもちろん、目元がクールかフェミニンかなどで、変わってきます。それは僕の好みとは別の話です。これを知っていれば、トレンドを取り入れたいというお客さまにも、その方に合わせたトレンドの入れ方を提案できますし、デザイン学理論を基盤にするとぴったりのものを取り入れやすくなるのです」
――デザイン学理論はどこで学ばれたのですか?
「僕はNYに行って半年間学びました。友人がNYでお店をやっていたので、そこでサロンワークをしながら専門の学校に通いました。日本の美容学校では教えてくれなかったので、自分で動く必要があったんです。当時はバブルの時代で、お客さまに付加価値を提案しようという流れだったから。今はよく知られているパーソナルカラーもそのころから聞くようになりました」
若いころにはなかった探求心がこだわりにつながる
――本当に多くの知識を駆使してお店づくりをされているのですね。
「僕くらいの年齢になって現役で美容師をしていると、いろんな知識が身についてくるものなんです。若いころはそうではなかった。目の前の技術に追いつくことで手いっぱいで、それどころではなかったんです。でもそこをクリアしたときに、徐々に疑問に思うことが出てきました。ひとつずつ疑問を感じたことを追求していくようになって、自分なりのこだわりがでてきてお店に取り入れるようになり、今の形になりました。職人のようなものですね(笑)」
Salon Data
HAIR STREAM(ヘアストリーム)
住所:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-15-22 EIKUGARDEN 2F
TEL:03-5731-1578
“本物の優しさといたわり”を徹底追求『HAIR STREAM』>>