國見 大 interview #3:幸せをおすそ分けしてもらう日々
1932年に神楽坂で創業したブライダルサロン『株式会社原良子美容室』は、これまでに10万件を超える結婚式のお手伝いをしてきました。今も、年間200組以上のウエディングを手掛けています。また、2011年6月には創業の地、神楽坂に新しくヘアサロン『kasane』をオープン。創業80年以上を誇る美容室でありながら、常にトレンドを意識し、時代に合ったサービスを提供しています。
今回は、そんな歴史ある美容室の4代目、國見大さんにインタビュー。後編では、ブライダルに関わる魅力や今後の目標について伺いました。
お客さまの理想を超えるために
――結婚式には、具体的にどのように関わっていくのでしょうか?
「結婚式の前に、新婦さまとお会いしてヘアメイクのリハーサルを行います。当日は式場でお支度をし、挙式中は常に近くでスタンバイをしていますね。披露宴中の介添えを行うこともあります。そして、結婚式後に着物を脱ぎ、新郎さま、新婦さまがお帰りになるまでをお手伝いすることが仕事です」
――ヘアメイクのリハーサルでは、どのようなことをするのでしょうか?
「リハーサルでは、カウンセリングで希望を伺いながら、お客さまの理想を超えるようなヘアスタイルを作っていきます。たとえご本人が気に入っても、友人や親族の方が納得しなければ、何度でもやり直しますね。また、流行に合わせたヘアスタイルを作ることも求められるので、雑誌やインターネットを見て研究することも大切です」
――ブライダル用のヘアメイクを作る際に、気をつけている点はどこですか?
「普段のメイクとかけ離れすぎないように気をつけています。華やかなヘアメイクを作ることはもちろんですが、結婚式に訪れた方々が新婦さまを見た時に、違和感を感じてしまわれないよう、自然に仕上げることが大切です。そこで重要になるのが、リハーサル時のカウンセリングです。ナチュラルなヘアメイクを作るために、普段のメイクの仕方などをしっかりと聞いています」
特別な一日を作りだす魅力的な仕事
――結婚式当日に意識していることはありますか?
「新郎さまと会話をすることを意識しています。リハーサルは、新婦さまだけでいらっしゃることが多く、新郎さまとは当日が初対面となることが多いんです。結婚式という緊張感がつきまとうデリケートな場ということもあり、新婦さまとだけ会話が盛り上がらないよう積極的に新郎さまに話しかけるようにしていますね」
――式中は、ヘアメイク以外にどのような仕事があるのでしょうか?
「新郎、新婦さまをリラックスさせることも私たちの仕事のひとつです。声のトーンや表情をやわらかくし、身のこなし方で安心感や優しさが伝わるように意識しています」
スタッフがより働きやすい環境を目指して
――今後の目標を教えてください。
「会社をもっと大きくしたいですね。ヘアサロンの店舗と神社や結婚式場の提携先を今の倍にしたいです。また、勤務時間や、勤務日数を減らすなどして、スタッフが結婚しても働きやすい雇用形態を整え、よりよい労働環境作りにも力を入れたいです」
結婚式の後に手紙をもらうことも多く、「幸せのおすそ分けをもらっている気分になり、とても嬉しい」と言う國見さん。伝統を守りながらも、常に新しい美を提案する『原良子美容室』。今後の活躍に注目です。
Profile
國見 大さん
株式会社原良子美容室 代表取締役社長。
全日本婚礼美容家協会講師。十二単の結婚式やフォトウェディングサービスを提供する『kaluxa』を経営するほか、2011年に神楽坂にプライベートサロン『kasane』をオープン。
國見 大 interview #1:創業1932年。80年以上の歴史を誇る『原良子美容室』>>