【フリーランスのライフスタイル】YUKARIさんの仕事術に迫る
シェアサロンの普及などに伴い、最近耳にする機会が増えてきたフリーランス美容師。「どのようにして生計を立てているのか?」興味ある方も多いはずです。そこで、実際に活躍している現役のフリーランス美容師にインタビュー。今回は、2016年の7月からフリーランスとして働いているYUKARIさんに登場していただきました。
美容師として5年ほど働いたあと、フリーランスの道を選んだYUKARIさん。果たして、どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのでしょうか?「年に2回はしっかり休みを取り、旅行に行きます」と語るYUKARIさん。プライベートの過ごし方も気になります。
前編では、フリーランスに至るまでの経緯などについて伺いました。
自分を求めてくれる人の声に気付いて
――――まずは、フリーランスに転身するまでの経緯について教えてください。
「美容師歴は10年で、フリーランスに転身したのは2016年です。都内の美容専門学校を卒業した後、美容師として5年キャリアを積みました。その後、面貸しスタイルのサロンとフリーランス契約を結び、現在に至ります」
――――そもそも、フリーランスに興味はあったのでしょうか?
「まったく興味はありませんでしたし、それどころか、当時私の頭のなかに『フリーランス』という言葉もなかったくらいです(笑)。そんな私がフリーランスになったきっかけは、友人の『自分のお客さんだけやればいいんじゃない?』という言葉でした。
前のお店で働いていた当時、あまりにも日々の業務が忙しく、体調に支障が出てきていて。とてもいいお店だったのですが、『ここで長く働き続けるのは難しい』と思い辞めることを決意したんです。
その後のことはまったく考えていなくて、『美容師じゃなくてもいい、フリーターにでもなろうか』と。ところがカットを担当していた友人たちから、『じゃあ私たちの髪はどうするの?』と言われ、ハッとしました。今となっては反省ですが、当時はあまりにも疲れていて、自分のことしか見えていなかったんですね。その時に言われたのが、冒頭の言葉です。
そこで自分を求めてくれる人のために施術する方法はないかを考え、たどり着いたのが『フリーランス』という働き方でした。知り合いの紹介で今のお店を知り、契約させていただきました」
信頼を得るためにやっている3つのこと
――――フリーランスのメリット、デメリットだと感じた点はありますか?
「メリットは、時間の自由がきくことでしょうか。必ずお客さまと相談しながらですが、お休みの日も自分で決められますし、仕事が終わった後の時間もかなり自由に使えるようになりました。
デメリットというほどではないですが、集客をネックだと感じる人は多いと思います。私の場合はありがたいことに、お客さまからの紹介が多く、そこまで苦には感じていません。『新規の集客をしなければ』と焦るのではなく、まずは目の前にいるお客さまの信頼を得ることを大切にしていれば、自然とご紹介につながっていくと考えています」
――――お客さまの信頼を得るために、どのようなことに気を付けていますか。
「大きく3つの柱があります。1つ目は、料金形態をシンプルにすることです。元々美容室の料金設定が複雑だと感じていたので、カラーやパーマなど薬剤を使った施術料金には、トリートメント代を含めることにしました。薬剤を使った施術の場合は、仕上がりや持ちのよさからトリートメントが必須になると私は考えているのですが、そういったことを事前に話さずに、施術を始めてから『トリートメントもいかがですか?』と声を掛けるサロンがとても多いんです。
お客さまがトリートメントを受け、たとえきれいに仕上がったとしても、施術中は料金がいくらになるのかわからずに不安に過ごす時間が長くなってしまいます。こうなると『またこの人にお願いしたい』とは思いません。トリートメント分を料金に含めると完全に赤字になってしまいますが、わかりやすい料金形態にする必要があると感じています。ロング料金を別途いただくこともありませんね。
2つ目は、お客さまにこまめに相談することです。たとえば、お休みの日を決めるときも事前に、『今後はこの曜日にお休みを取っていこうかなと思っていまして』と相談しています。すると、みなさん『あ、そうなんだ。全然いいよ』と言ってくださって。こちらが一方的に決めたことを伝えるのではなく、きちんと相談する姿勢が信頼につながっていると感じています。
3つ目は、カウンセリングを重視することです。前のお店で働いていた時から、どんなに忙しくてもカウンセリングは丁寧に行っていました。ここをおろそかにすると、お客さまの不満につながりやすいからです」
ゴールを共有し合うことが安心感につながる
――――カウンセリングでは、どのようなことを大切にしていますか?
「一番大切にしていることは、ゴールをきちんとすり合わせてからスタートすることです。まずはお客さまがやってみたいことを、受け止めることから始めています。さらに『お写真などはお持ちですか?』と聞きます。実はお写真をご用意していても、出せずにいるお客さまが多いのです。
そして、写真を見た後には、どのようにすればその写真に近づけるかをきちんと説明しています。人はそれぞれ骨格や顔立ちも違い、その写真の通りの髪型を作っても必ず違和感が出ますからね。『ここがこう違うので、こうすると似合います』と、きちんとお伝えして納得するまで説明しています。そうするとお客さまは不安感なく、安心して施術を受けることができると考えています」
後編では、生活リズムの変化やプライベートの時間の過ごし方に迫ります。
▽後編はこちら▽
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