スタッフもお客さまもワクワクさせ続けるサロン『rams』
池袋駅の繁華街からほど近く、アクセス抜群の場所にありながら、店内は上質で落ち着いたたたずまいを見せる『rams』。オーナーの佐藤さんが追求するのは、スタッフもお客さまもワクワクさせ続けるサロンだそう。そのためにどのような取り組みをされているのか、お話を伺いました。
美容師の地位を医者と同じくらいに高めていきたい
――スタッフの方をワクワクさせ続けたいとのことでしたが、具体的にはどのようなことに取り組んでいますか?
「まずは給与です。うちのお店は他店に比べてかなりいい方だと思います。新卒で20万円近くになるので。労働時間の面では世のなかの一般的な企業の就業規則を守るようにしています。10時間拘束の8時間労働ですね。あとは平日とたまに土日もなんですが、お昼にお弁当を頼んで、会社が半額負担しています。お休みの面ではもちろん有給を使ってもらっていいのですが、時間単位で使えるようにしていて、早く帰るときなどにも使えるようにしています」
――待遇面のほかにも、取り組んでいることはありますでしょうか?
「技術的なことでいうと、アシスタントは基本的に営業終了後に練習をするのですが、事前申請があれば営業中にやってもいいことになっています。スタイリストによるヘアスタイルのイメージは1、2ヵ月に1回撮影をするんですが、その都度撮影手当を出すようにしています。あとは商材はマニアックなものからスタンダードなものまで揃えていて、新しいものについては勉強会を設けています。他にも月に1回ドレスコードを決めた日があって、スタッフがそのドレスコードにあわせた服で出勤するんですが、その日は食事会を開くようにしています。大切なことは、ワクワクさせ続けることだと思っています。最初だけやってもしょうがないので、新しい取り組みを取り入れながら、継続するようにしています」
――離職率を下げる取り組みはありますか?
「系列店にカラーの専門店がありまして、美容師として働き続けられない人の受け皿にしています。美容師は離職率が高いのですが、大半はカットできるようになる前にやめてしまうんですね。なのでカットはできないけれど、美容師は続けていきたいスタッフや、美容師は辞めたいけれど、仕事がなくなるのは困るというようなスタッフ、あとは時給制のお店になるので、結婚出産をして短い時間で働きたいという人にも、そこで働いてもらうなどしています。そのお店には常駐しているスタッフがひとりいるのですが、カラーの試験に受かったうちのアシスタントが働いているんです。そこで働くことでアシスタント時代からお金の勉強をしてもらうという意味もあります。お客さまに来てもらいたいがために値引くのではなく、技術を提供してお金をきちんといただくというサービスに対する価値の勉強が必要だと感じています」
――美容師の地位を上げるという強い思いがあるとお聞きしました。
「美容師の地位を上げたいというのはよく聞く話ですが、じゃあ具体的に何をやるの?というところですよね。僕は美容師を医者と同じくらいのレベルにもっていきたいんです。僕が重要視しているのはカウンセリングなんですが、聞くことは髪を何センチ切るとか、色をこういう色にしたいとかじゃなくて、なんのためにその長さにするのか、骨格がこうで、顔の形がこうだからという裏づけをしっかり話して、納得してもらうことです。お医者さんもそうじゃないですか?明確な裏づけをもって、こうだからこう、と言い切れる。まだ途中ですが、これからも引き続きがんばっていきたいです」
どこにいっても通用する人材を育てていきたい
――随時スタッフを募集されているとのことですが、スタッフの方に求めるのはどんなことでしょうか?
「どれくらい覚悟をもって美容師という仕事をするのかというところですね。覚悟があっても絶対に1回2回は迷うんですけど、その意識が高いことと、あとは今いるスタッフと合うかどうかですね。新卒の場合は僕が面接するんですが、中途採用やスタイリストの場合はスタッフ全員で面接しています」
――このお店で働くとこういった部分が身につくというのはありますか?
「どこにいっても通用します。今、新卒が入ってカラーを教えているところなんですが、すごく細かい理論から入っているので、『他のお店ってここまでしますか?』とよく聞かれるんですけど、『しないよ。でも自分のものになるからね』と伝えています。技術差や考え方の差があるので、そこはちゃんとすり合わせていかないといけないですけどね」
――今後の目標を教えてください。
「個人的には、もっと売上げを上げられるスタイリストになりたいですね。あとは人を育てるという部分。うちのお店からスタイリストになった人はまだいないので、なるべく早く作りたいですね。見て盗めというような文化が美容業界にはあるんですけど、僕はそうではなくて、自分が経験してきたことをうまく伝えていければいいなと思っています。お店の目標としては、店舗展開と拡張をしていきたいと思っています」
「より少なく、しかしより良く」をモットーに掲げ!『rams』>>