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特集・コラム 2023-11-15

生活相談員の志望動機には何を書く? 例文とうまく伝えるポイントを紹介

介護業界のなかでも人気を集める生活支援員は、介護スタッフやケアマネージャー、医師や看護師と連携を取り、利用者へ適切な介護サービスを提供するのが主な仕事です。

利用者に寄り添ったサポートができることにやりがいや魅力を感じるなかで、生活支援員に憧れ、実際に働いてみたいと考える人も多いでしょう。

今回は、生活支援員になるために押さえておきたい、履歴書の志望動機の書き方についてご紹介します。

生活相談員の志望動機は何を伝えるべき?

生活相談員の仕事はおもに介護関係の施設でおこなわれ、多くの場合、高齢の方やリハビリが必要な方、障がいを持っている方などへの対応をします。

そのため、生活相談員を採用する施設側は、その人が介護職に対してどのような考えを持っているのかを採用・不採用の判断基準としています。このことから志望動機は自己アピールにもつながる重要な要素です。ここでは、そんな志望動機としてなにを伝えるべきかを解説します。

志望動機は採用面接で必ず聞かれるポイント

生活相談員として採用されるためには、ほとんどの場合面接を受けることになります。その際、必ず聞かれるのが志望動機です。ここでは採用面接時に志望動機を聞かれた際に押さえるべきポイントをひとつずつ見ていきましょう。

なぜ生活相談員を志したのか

生活相談員として働きたいと考えたことには、なんらかのきっかけがあるでしょう。志望動機を聞かれた際には「なぜ生活相談員になりたいと思ったのか」を率直に伝えることが大切であるため、その「きっかけ」について説明するのがおすすめです。

たとえば「身近に介護を必要としている人がおり、その人の世話をする過程で仕事としてより広く介護に関わりたいと思ったことから志望した」といったことを伝えれば、面接官にもよい印象を持ってもらえるでしょう。

生活相談員の仕事で活かせる自分の強み

志望動機には生活相談員として働きはじめたあと、自分の強みをどのように仕事に活かせるのか、書くこともおすすめです。

その際には「どう働きたいか」といった意思や、「どう働けるか」といったこれまでの経歴などを具体的に記せば、自身の仕事に対する意欲だけでなく、適正もアピールできるでしょう。

以上のポイントを押さえたうえで志望動機を書く場合、たとえば「介護施設で資格が必要ない範囲の仕事を担当した経験があり、そこで培った技術や知識を生活相談員の仕事にも活かせると思ったため」といったことを書けば、うまく自己アピールができるでしょう。

なぜそのホーム・施設に応募したのか

志望動機には自分自身のことだけでなく、「なぜ生活相談員としてそのホーム・施設で働きたいと思ったのか」あるいは「なぜそのホーム・施設でなければならないのか」も書く必要があります。

この点については「家から近かったため」や「時給が高かったため」といったありきたりなことを書いてしまいがちです。しかし、これでは「なぜそのホーム・施設でなければならないのか」という点には不十分です。そのホーム・施設の特色をよく調べたうえで、うまく志望動機に折り込むとよいでしょう。

「施設の掲げている理念が自分と共通している」「いつもスタッフが丁寧にやさしく対応している姿を見て、自分もこのような場所で働きたいと思った」というような方向で話すのもおすすめです。

自己PRは何を伝えればいいの?

面接で志望動機を聞かれた際には、自己PRをうまく折り込むことも重要です。続いては、生活相談員志望の方が自己PRをする際に押さえておきたいポイントについて解説します。

所持資格は志望動機の中に折り込んで

介護関係の資格は数多く存在し、直接生活相談員の仕事に関係のない資格であっても自己PRとしては有効となる場合があります。社会福祉士などの国家資格を持っていることは、とくに大きな自己PRになります。保有資格も交え、その仕事に従事した年数やどんな仕事内容だったかなども志望動機に折り込んで話す練習をしておくと、意欲や熱意の伝わる自己PRにまとまるでしょう。

施設など介護業界で培った知識や経験をアピール

介護業界で働いた経験があれば、それも自己PRとなります。自分自身の経験について話す際には、具体的な仕事内容やその経験から学んだことなどを志望動機に折り込んで詳しく話せるようにしておくと、相手によい印象を与えられるでしょう。

サービス利用者に対しどう接してきたか、いきたいか

生活相談員の仕事は、介護を必要とする人やその家族と接する仕事でもあります。そのため、サービスの利用者に対して今までどう接してきたか、そして今後はどう接していきたいかを志望動機にうまく折り込んで説明できるようにしておくとよい自己PRとなります。

また、介護業界におけるサービスの利用者との接し方は仕事を通じて学ぶ部分も多いことから、介護職経験者の方であれば、自分がこれまでにサービス利用者に対してどのように接するよう心がけてきたかを詳しく話すことも自己PRとして有効です。

志望動機はどう書く? 失敗しない書き方のポイント

ここからは、志望動機の伝わる書き方について紹介します。志望動機は熱意を伝えるうえで大切な項目ですから、ポイントを取り入れながら書き進めましょう。

ポジティブな表現を心がける

前職で苦労したことや不満があって退職した場合でも、志望動機にそのまま書くのは控えましょう。できるだけポジティブな内容・表現になるよう、視点を切り替えて書くのがおすすめです。

退職理由を交えて志望動機を書くときは、その施設を志望する理由や福祉関係の職に就きたいといった理由と絡める方法や、生活支援員の業務内容に対して熱意がある、または意欲的だと判断されるような内容にまとめましょう。

不安・弱みを書かない

生活支援員の業務に自信がなかったり、未経験であったりしても、志望動機に書くのは控えましょう。ネガティブな内容を書けば、採用する側も不安を感じてしまいます。

たとえ不安があったとしても、仕事で学んでいく姿勢を見せることが大切です。ほかにも、なぜ生活支援員を志望するのか理由がわかる内容や、熱意が伝わる内容にまとめるのも効果的です。

面接では志望動機をどう伝える?

ここからは、面接で志望動機を伝えるための方法について紹介します。面接の発言で違和感を与えないよう、2つのポイントを参考にしましょう。

1. 履歴書に書いた内容と矛盾がないように

面接で失敗なく志望動機を伝えるためには、履歴書に書いた内容と矛盾しないようにまとめることが大切です。

面接は、企業に送付または面接官に手渡した履歴書の内容を見ながら、採用担当者が質問する流れがほとんど。そのことから、履歴書に書いた志望動機と発言に一貫性がなければ、矛盾が生じ、面接官へ違和感を与えてしまいます。

履歴書と回答した内容に大きなずれがあると、「本当の動機はなんなのだろう」と疑問を与えかねないので注意しましょう。

2. 伝えたいことをポジティブに

伝えたいことをポジティブな表現に工夫するのも大切です。たとえば、前職の退職理由を交えて志望動機を書くときは、面接でも同じくポジティブに伝えることが必要不可欠。

ネガティブな言葉を使ってしまうと、「前職と同じ理由で辞めてしまうのではないか」と思われてしまい、履歴書の志望動機とブレてしまいます。

今後の目標や取得したスキルなどを交え、どのように活躍することをイメージしているかを伝えられるよう工夫しましょう。

履歴書には何を書けばいいの? 例文を紹介!

生活相談員の求人へ応募するにあたって履歴書を作成する際には、介護職に従事した経験や資格の有無に応じて志望動機の内容を考えることが重要です。続いては、このような経験・資格の有無を強調する場合と生活相談員へ転職する場合の志望動機の例文をご紹介します。

資格や経験の有無を強調する例文

資格や経験があることは大きな強みとなるため、志望動機にも積極的に記載しましょう。一方で、資格・経験がない場合でも生活相談員として働くことへの意欲があることをしっかりと折り込めば、相手によい印象を与えることは充分に可能です。

介護関係の資格・経験がある場合

「私は介護福祉士の資格を所持しており、介護施設で3年間働いた経験があります。介護福祉士として働いた経験からは、介護を必要とする方への接し方や仕事との向き合い方だけでなく、広い視野で施設全体の業務を円滑に進めるにはどうしたらよいかを考える能力が身についたと自負しています。

このことから、さまざまな業務を担う生活相談員の仕事では私の経験を活かせたらと思い、応募させていただきました。」

資格を持っていないが介護職での実務経験はある場合

「私は介護関係の資格を持っていませんが、介護施設にて資格が必要のない範囲の業務を1年間担当していました。その過程で介護職全般に興味を持ち、より幅広い業務に携わりたいと考えたことから、生活相談員として働くことを志望しました。

また、生活相談員として働きながら介護福祉士の資格取得も目指し、より深い部分まで貢献したいと考えています。」

生活相談員へ転職する場合の例文

生活相談員へ転職する場合、どのような職種から転職するのかをしっかりと記載することが大切です。このようなケースでは、前職での経験のどのような点を生活相談員の仕事に活かせるのかをよく考えてみると志望動機も書きやすくなるでしょう。

ほかの介護職から生活相談員へ転職する場合

「私はこれまで2年間にわたってケアマネージャーとして働いてきました。ケアマネージャーの業務では生活相談員の方と相談をすることも多く、そのなかで生活相談員という仕事に興味を持ったことから、このたび応募をいたしました。

ケアマネージャーとして働いていたころには生活相談員の仕事を客観的に見ることが多く、私自身が生活相談員として働くこととなった際には、その経験を活かせると考えています。」

介護に関係のない職種から生活相談員へ転職する場合

「私はこれまで飲食店でウェイターの仕事に3年間従事してきました。この仕事で重要となるお客さまへおもてなしの心は、生活相談員の仕事においても活かせると思ったことから、貴社の求人に応募いたしました。

また、ウェイターの仕事では高齢の方や小さなお子さまへの格別の心遣いや食物アレルギーなどの健康面に関する正しい知識を持つことも不可欠であり、これらのことを生活相談員の仕事にも活かしたいと考えています。」

生活相談員に求められるスキルとは? どんな人が向いてる?

ここでは、生活支援員に求められるスキルや向いている人について紹介します。

1. 責任感

一つめは、責任感です。生活支援員には、利用者やその家族が抱える問題や不安、苦情などを解決に導くという仕事があります。たとえ解決が困難な問題であっても、最後まできちんと寄り添い、取り組む姿勢が大切です。

また、利用者を支える人たちをサポートする仕事も多いので、責任感の強い人は、大きな信頼を得ながら働くことができるでしょう。

2. コミュニケーション能力

二つめは、コミュニケーション能力です。生活支援員は、施設や利用者、その家族それぞれをつなげる窓口としての役割を求められる仕事です。そのため、コミュニケーション能力が高い人は、円滑な人間関係を築きながら、スムーズに業務に取り組むことができます。

これまでの職歴から、コミュニケーション能力の高さをアピールできるものがある方は、志望動機に絡めて紹介することで有利にはたらくでしょう。

3. 問題解決能力

三つめは、問題解決能力です。上述したように、生活支援員の業務の多くは、利用者やその家族が抱く問題や不安を解決へと導くこと。そのため、どうすれば解決するのか、問題をきちんと把握し、適切なアドバイスをすることが求められます。

相談者が抱える問題を頭の中でイメージし、原因究明までできる人は、生活支援員に向いていると言えるでしょう。

4. 調整能力・協調性

四つめは、調整能力・協調性です。介護サービスは、生活支援員の力だけでなく、施設のスタッフとともに一丸となって取り組むものです。そのため、施設のスタッフをはじめ、マネージャーや上司、第三者機関などと協力しながら問題と向き合い、解決することが求められます。

そういった意味でも、上述したコミュニケーション能力にあわせて、調整能力や協調性の高さも必須と考えられるでしょう。

生活相談員の志望動機は業務へ対する熱意をアピール!

生活相談員の志望動機では、それまでの仕事で培ってきた経験や資格を挙げ、業務においてそれらをどのように活かせると考えているのかを詳しく記載することが大切です。

前職を退職した理由がネガティブなものであっても、そのまま書くのは控え、視点を切り替えて「ポジティブに言い換えることはできないか」を考え、内容をまとめましょう。

自己PRへつなげられるような経験や資格がない方は、仕事への熱意を伝えるためにはどのような文章・話し方が有効かをよく考えてみることです。

これまでの職歴で積み上げた経験や学んだことを振り返り、どんな強みをアピールすれば熱意や意欲が伝わるかを考え、好印象となる志望動機に仕上げてください。

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