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特集・コラム 2021-12-12

看護助手と介護士の違いを解説|看護助手・介護士に向いている人とは

看護助手と介護士、このふたつの仕事の違いをご存知でしょうか。どちらも病院や介護施設などで、体の不自由な人や高齢者に対して身の回りのお世話をするお仕事だというイメージを持っている方も多いでしょう。共通している部分はありますが、勤務場所や支援対象などの点から見ると違いが発見できます。

また、どのような人が看護助手や介護士に向いているのでしょうか。今回は、看護助手と介護士の違いについてと、どんな人が向いているかをご紹介します。

看護助手と介護士はどこが違うの?

看護助手と介護士は、似たような仕事内容をしていると思う人は多いかもしれません。同じような部分もありますが、勤務場所・支援対象者・仕事内容などで違いがあるのが特徴です。ここでは、看護助手と介護士の違いについてご紹介します

勤務場所と支援対象者の違いとは?

看護助手と介護士の違いは、勤務場所と支援の対象者にあります。看護助手は病院、介護士は介護施設というイメージをお持ちの方もいるでしょう。大体の認識は合っているのですが、病院で働く介護士もいます。つづいては、勤務場所と支援対象者の違いについて確認しておきましょう。

看護助手|医療機関で患者さんをサポート

看護助手のおもな勤務場所は、病院やクリニックなどの治療を目的とする医療機関です。病棟での業務だけでなく、外来での業務でも活躍します。

看護助手の支援対象は、入院や通院をしている患者です。軽症や重症にかかわらず、サポートが必要な人に対して支援します。

介護士|介護福祉施設で利用者さんをサポート

介護士は、おもに介護福祉施設・訪問介護事業所・デイサービスなどの生活を支援する場所が勤務地です。病院によっては、介護士が患者の介助をおこなう場合もあります。

要介護や要支援の利用者さんや入所者さんが支援の対象で、必ずしも病気やケガを抱えている人というわけではありません。

仕事内容の違いとは?

看護助手と介護士の仕事内容は、ほぼ同じだと感じる人も多いのではないでしょうか。たしかに、共通している部分は多くあります。

しかし、こまかく見ていくと業務やその目的に違いが見えてくるでしょう。ここでは看護助手と介護士の仕事内容が異なっている部分をご紹介します。

看護助手|看護の専門的判断を必要としない補助業務をおこなう

看護助手のおもな仕事は、医師や看護職員の指導のもとで患者に対してお世話などをすることです。具体的には、食事・入浴・排泄・移動の介助が挙げられます。

その他にも、ベッドのシーツ交換などの環境整備・備品の管理・病室の清掃も重要な業務です。ただし、看護助手は国家資格を持たないので採血などの医療行為はできません。

介護士|施設や訪問介護などで利用者さんの介助などをおこなう

介護士は、要介護者や要支援者などの利用者や入居者の生活を支援することが目的です。サポート内容は、身の回りの介助をする点について看護助手と大きな違いはありません。

異なる点は、楽しみながら生活を送れるようにレクリエーションや体操などの活動をしたり、訪問介護において調理・買い物・洗濯など生活支援をおこなったりすることです。

資格の違いとは?

看護助手と介護士として、働くうえで資格の違いはあるのでしょうか。結論からいうと、どちらも必要ありません。しかし、認定資格やそれに関連した国家資格もあり、働く場所によっては必要となる場合もあります。ここからは、資格の違いについて確認しておきましょう。

看護助手|無資格でも働ける

看護助手は、資格がなくても働くことが可能です。認定資格として「看護助手実務能力認定試験」や「メディカルケアワーカ検定試験」はありますが、働くうえで必須な資格ではありません。看護助手をしていくなかで、専門性を高めるために看護師を目指す人もいます。

介護士|仕事に応じて資格が必要

介護士も施設で働く場合は、基本的に資格は不要です。しかし、訪問介護でヘルパーとして働くには資格が必要となります。

具体的には、「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」「介護福祉士」などが挙げられるでしょう。施設や事業所においては、資格を持っていることが採用条件となる場合が多いです。

お給料にも違いはある?

仕事内容や資格の必要性についてご紹介しましたが、給料面での違いも気になるところでしょう。給料に関しては、介護士のほうが看護助手よりも高い傾向です。これは介護職における資格の有無による差が関係しています。つづいては、給料の違いを見ていきましょう。

看護助手|平均年収は約312万円

看護助手の平均年収は、312.2万円です。ほかの医療職種のなかでは、給与は低い傾向にあります。

しかし、資格がなくても病院やクリニックなどの医療機関で働くことができ、経験を積むことで看護師への足掛かりにすることが可能です。

介護士(施設介護員)|平均年収は360万円

介護士の平均年収は、施設介護員に限定した場合で360万円です。看護助手よりも高い傾向にあります。

これは、無資格で働く介護士や介護職員初任者研修を修了した介護士も含まれる金額です。介護報酬の改定により、賃金の改善も図られていることから給与は改善傾向にあります。

どちらがぴったり? 看護助手に向いている人・介護士に向いている人とは

看護助手と介護士は無資格でも働くことができ、医療介護の現場で経験を積むことができるおすすめの仕事です。そんな看護助手や介護士に向いている人は、一体どんな人なのでしょうか。

看護助手に向いている人とは?

看護助手は、医療的判断をともなう行為はできませんが、介助場面などで患者と関わる機会が多くある立場です。また、外来や病棟での業務を円滑におこなうために、求められる能力があります。ここでは、看護助手に向いている人をご紹介します。

1. 誰かの役に立ちたい

誰かの役に立ちたいと思っている人は、看護助手に向いているでしょう。医療機関に訪れるのは、病気やケガを抱えている人たちです。看護助手は医療行為をおこなえませんが、身体的なお世話や心のケアという側面から大切な役割を持っています。

2. 人と接するのが好き・コミュニケーションが上手

人と接することが好きでコミュニケーションが上手なことも、看護助手に向いている要素です。身の回りや心のケアは、ただおこなうだけでは意味がありません。優しさや思いやりを持ちつつ、対応することが重要です。

3. テキパキと働ける

テキパキと働くことができる人も、看護助手に向いています。患者の介助やベッドメイクなど、業務は多いです。指示を待っているだけでなく、必要なことを先回りして対処することが看護助手として大切な要素となります。

4. 体力に自信がある

看護助手は、体力に自信がある人も向いています。排泄や入浴の介助などの業務は、肉体的に負担が大きいです。休憩時間以外は、立ちっぱなしで業務にあたることもめずらしくありません。そのような状況でも、耐えうる体力があることも重要な能力です。

5. 勉強熱心で向上心がある

勉強熱心で向上心がある人も、看護助手に向いているでしょう。現場では、医療や介護への知識を求められます。直接的な医療行為はなくとも、患者の命を預かる点では、ほかの職種と変わりありません。はじめはわからなくても、覚えようとする意識のある人は活躍できるでしょう。

介護士に向いている人とは?

介護士は、要介護者や要支援者の生活援助をおこなうことが目的です。そのため、看護助手よりも対象者ひとりひとりと深く関わる場面が増え、求められる資質が少し違います。つづいては、介護士に向いている人をご紹介します。

1. 思いやりがある

思いやりがある人は、介護士に向いています。人間相手の仕事であるため、自分とは合わない人やコミュニケーションが取りにくい人がいる場合もあるでしょう。どんな利用者でも、思いやりを持って接することができることは重要な要素になるはずです。

2. 高齢者を敬う気持ちが強い

高齢者を敬う気持ちが強い人も、介護士に向いているでしょう。介助内容によっては、介助される側が精神的ストレスや恥ずかしさを覚える場合もあります。そのような気持ちにさせず、高齢者の尊厳を守ることは介護士の重要な役割です。

3. 観察力がある

観察力があるということも、介護士にとって重要な能力です。日々、利用者と関わる介護士は、つねに相手をよく観察してちょっとした変化を見抜くことのできる立場です。そういった能力は、病気の予防にもつながるため、大切な役割となるでしょう。

4. メンタルが強い

利用者やご家族との関わりが深いぶんだけ、振り回されることもあるかもしれません。しかし、それだけ信頼されているといえます。オンオフの切り替えが素早く、自分をコントロールできる人は介護士に向いているでしょう。

5. コミュニケーション能力が高い・聞き上手

看護助手と重なる部分でもありますが、コミュニケーション能力が高く、相手の話を聞くのが上手な人は介護士にも向いています。利用者の要望などをうまくくみ取れる能力は、生活の支援をしていくうえで重要な要素です。

看護助手と介護士はどちらもやりがいのあるお仕事!

今回は、看護助手と介護士の違いについてご紹介しました。どちらも対象者のケアをするという点は似ています。看護助手は、医療機関での患者のサポートがおもな目的です。一方、介護士はおもに介護施設で、利用者の生活を支援することを役割としています。

看護助手と介護士は大変な部分もありますが、どちらもやりがいのある仕事です。また、資格がなくても働くことができます。もしも当てはまる要素があれば、目指してみてはいかがでしょうか。

引用元サイト
厚生労働省 職業情報提供サイト 看護助手
厚生労働省 職業情報提供サイト 施設介護員
日本看護協会 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド

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