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特集・コラム 2025-03-27

保育士の初任給はどれくらい? 給料アップを目指せる3つの方法を紹介

これから保育士として社会に出ていく多くの人が、初任給はどれくらいなのか気になっていることでしょう。それ以前に、そもそも「初任給」の概念を理解できていないかもしれません。

そこで、初任給とは何なのかを解説したうえで、保育士の初任給はどれくらいなのかをお伝えします。さらに、給料を上げるための方法も紹介するので、保育士を目指す人は参考にしてみてください。

保育士の初任給はどれくらい?令和5年賃金構造基本統計調査データをチェック

保育士の初任給は、どのくらいもらえるものなのでしょうか。ここでは保育士の初任給について、令和5年賃金構造基本統計調査のデータをもとにくわしく解説します。

引用元
厚生労働省:賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-Stat:賃金構造基本統計調査10 一般_職種(小分類)_年齢階級、経験年数階級別DB

そもそも「初任給」とは?

初任給とは、社会人になってはじめて会社からもらえる給料のこと。「社会人になってはじめて」なので、最初の就職先での第一回目の給料のことを指します。一般的に初任給は、基本給に住宅手当などの各種諸手当を加えた額です。

一方、厚生労働省の初任給の定義では、「諸手当は含むが残業手当を含まない所定内給与額から、通勤手当を除いた金額」とされています。

引用元
厚生労働省:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:主な用語の定義

初任給の平均額は約21万8,000円

令和5年賃金構造基本統計調査によると、勤務年数0年の保育士の初任給(所定内給与額)は21万8,400円です。あくまで目安なので、この金額よりも高いところもあれば低いところもあります。

また、同調査データをもとに算出された保育士の年収は396万9,000円と、400万円に迫る金額です。初任給はそこまで高額ではありませんが、次第に上がっていく可能性も高いので、経験を積んで高年収を目指しましょう。

引用元
job tag:保育士 – 職業詳細

賞与(ボーナス)の平均額は4万1,000円

同じく勤務年数0年の保育士の「年間賞与その他特別給与額」は、4万1,000円です。勤続年数の増加や役職などによってもらえる賞与の額も増える傾向にあります。

ただし、働いて間もない場合は、勤続年数やキャリアなどが反映されません。そのため、もらえる賞与の額も低くなる傾向にあります。

公務員保育士の場合は?|令和5年の地方公務員給与の実態

公立の保育園および地方自治体が運営する保育施設で勤務する保育士を、公務員保育士といいます。

令和5年の地方公務員の初任給データによると、全国の公務員保育士の初任給は自治体によって差があるようです。

なお、卒業した学校別では、短大卒で約16~17万円、高校卒で約15~16万円でした。

引用元
総務省:初任給基準関係

2年目からの給料はどうなる? 勤務年数ごとの平均給与を紹介

令和5年賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均の給料は、1~4年目で23万7,200円、5~9年目で25万4,800円、10~14年目で26万4,400円、15年以上で30万4,000円でした。

基本的には、勤続年数が長くなるにつれて平均の給料も高くなる傾向にあるようです。

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保育士のお給料・平均年収はどれくらい?|収入UPを目指す4つの方法

経験を積むとどれくらい増える? 平均年収の推移を紹介

令和5年賃金構造基本統計調査によると、保育士の賞与を加えた年収目安は、勤続年数1~4年目で345万8,000円、5~9年目で371万8,700円、10~14年目で390万7,200円、15年以上で463万7,300円でした。

このことから、勤続年数に応じて年収の金額も高くなっていることがわかります。

私立・公立ではどれくらい金額の違いがある?

保育士が働く施設には、私立と公立の施設がありますが、もらえる給料にどの程度の違いがあるのでしょうか。

2019年におこなわれた幼稚園・保育所・認定こども園などの経営実態調査の集計結果によると、公立の保育園で働く保育士の平均の給与は賞与込みで30万3,113円、私立の保育園で働く保育士の場合は賞与込みで30万1,823円でした。平均勤続年数に違いがあるので正確には比較できませんが、大きな差はありません。

引用元
e-Stat:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査
e-Stat:Ⅱ職種別職員一人当たり給与月額の状況,私立・公立保育所,総括表(ダウンロードデータ)

手取りとは? 手当とは? 知っておきたい給与の基礎知識

毎月もらう給料は給料明細をみるとわかりますが、手取りといって実際に手元に残る金額が給料より少なくなるのが特徴です。

ここでは、事前に知っておきたい役立つ給与の基礎知識や各種用語についてくわしく解説します。

なぜ? 給料が全額もらえない理由|手取りとは

手取りとは給料から税金や保険料が差し引かれて、実際に手元に残る金額のことです。

給与明細書をみれば一目瞭然ですが、社会保険料や各種税金などが給料から毎月天引きされるため、実際に手元で受け取れる額は全額よりも低くなります。

どんなものが引かれるの?|保険料・税金など

手取りは給料全額よりも低くなりますが、実際にどのような項目で金額が差し引かれるのでしょうか。
ここでは、給料から差し引かれる保険料や税金の種類や例を解説します。

健康保険料|医療費の負担を軽減するためのもの

健康保険料は、医療費の負担をみなで軽減するための公的な医療保険料です。会社に勤める人が加入し、労働者ひとりひとりが健康保険料を支払うことによって、けがや事故、病気などによる受診費の負担が安く済む仕組みです。

また、この保険料を毎月支払っていると、病気やけがなどで休業せざるを得ない場合に傷病手当金を受けられるなどのメリットがあります。

引用元
協会けんぽ:健康保険のはなし

雇用保険料|失業したときに手当を受け取るためのもの

雇用保険は会社の事業主が加入する保険制度で、労働者と事業主とで雇用保険料を支払う仕組みです。

雇用保険料を支払っておくと、万が一失業したときに、失業手当金をもらえるほか、育児休業給付金や就職促進給与など、さまざまな給付金を受けられるというメリットがあります。

引用元
厚生労働省:雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!

年金保険料|老後に年金を受け取るためのもの

厚生年金は国が定める公的な年金制度であり、会社に勤める人は要件を満たしていれば加入して、厚生年金保険料を支払う必要があります。年金保険料を支払っていると、退職後に年金を受給でき、老後の生活費などにあてることが可能です。

また、遺族厚生年金や障害年金など被保険者の万が一のときにそなえて、本人やその家族にも年金が支給されるなど保障が手厚いのがメリットです。

引用元
厚生労働省:国民年金と厚生年金の仕組み

所得税|収入額によって変動する

所得税とは、収入からもろもろの経費を引いて残った「所得」にかかる税金で収入額によって金額は変動します。所得税は国に納付する必要があり、給料だけでなくボーナス、賞与からも差し引かれるのが特徴です。

所得税の仕組みがあることによって、個人間での収入の格差による貧富の差をできるだけ減らすことができています。

引用元
国税庁:所得税のしくみ

住民税|勤務1年目は支払い義務なし

住民税とは、都道府県や市区町村に対して納付する地方税の一つで、通知書に記載の金額を会社が給料から天引きして代わりに納付する仕組みです。勤務して1年目は住民税を支払う必要はなく、2年目以降から支払いの義務が発生します。

住民税は地方自治体の公的なサービスの財源であり、地域を支えるのになくてはならない税金です。

引用元
財務省:住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?

手当とは? どんなものがあるの?|求人募集票をチェックしてみよう

保育士として働いていると、さまざまな手当の支給が期待できます。通勤手当や残業手当、住宅手当などのほかに、保育士ならではの資格手当や役職手当なども含まれるのが特徴です。

ここでは、保育士がもらえる手当の例を解説します。ただし、すべての園で支給されるとは限らないので、必ず求人要項をチェックするようにしてくださいね。

資格手当|保育士資格

資格手当は、保育士資格など保有する資格に対してつく手当のことであり、給料にプラスアルファでもらえる手当です。

手当をもらうことで働くモチベーションの維持、向上につながるでしょう。また、資格をとって専門性を実践に活かしたいという人が増えれば、園で提供するサービスの質の向上にもつながるなど、さまざまなメリットがあります。

役職手当|役職に応じて支給

保育園などで働く際に、役職手当といって分野別リーダーや専門リーダー、副主任や主任、園長と各役職に応じて手当が支給されます。

幼稚園・保育所・認定こども園などの経営実態調査の集計結果によると、常勤で働く保育士の月々の給料は賞与込みで平均して約30万円でした。しかし、主任になると私立保育園で約42万円、公立保育園で約56万円と、約10~20万円ほど上乗せされた金額です。

さらに園長は私立保育園で約56万円、公立保育園で約63万円で、約20~30万円プラスの給料です。

引用元
e-Stat:Ⅱ職種別職員一人当たり給与月額の状況,私立・公立保育所,総括表(ダウンロードデータ)

特殊業務手当|行事に関する手当

保育園では特殊業務手当といって、運動会や謝恩会、生活発表会など、さまざまな行事に関連して支給される手当があります。

行事にともなって、道具や衣装の準備、プログラムの作成など、さまざまな準備や裏方の仕事が増えると、保育士の負担も増えてしまい、残業や持ち帰りの仕事が発生することもあるでしょう。このような負担を考慮して、特殊業務手当を支給する園も存在します。

保育士が給料アップを目指せる3つの方法とは?

給与に関する基礎知識が身についたところで、ここでは、保育士が給料の向上を目指せる3つの方法をチェックしましょう。

1. 資格を取得する

まず、幼稚園教諭資格や児童発達支援管理責任者などの仕事に関連する資格を取得し、資格手当による昇給を目指す方法があります。勉強することにより子どもに関する知識が増えてスキルアップもでき、現場でもいっそう活躍できるでしょう。

引用元
job tag:幼稚園教員 – 職業詳細

2. 長く勤めてキャリアアップを目指す

初任給はそれほど高給でなくても、勤続年数が長くなるにつれて給与も上がっていくのは前述したとおりです。そこで、長く勤め続けて主任保育士や園長といった役職を目指すのもよいでしょう。

責任は重くなりますが、これまでの経験を武器にでき、後進の保育士たちや保護者からの信頼も得られます。

3. スキルを活かして転職する

これまでの保育士としてのスキルや経験をもとに、より待遇のよい職場に転職する方法もあります。勤める園によって給料はさまざま。今の職場の給料や賞与より好条件のところもあるでしょう。気になる人は、他の保育園の求人情報をのぞいてみてはいかがでしょうか。

自分に合った職場を探すならリジョブがおすすめ!

前述のように、現在の給料に物足りなさを感じる場合は、転職するという手もあります。より自分に合った職場に出会いたいなら、「リジョブ」を利用してみてはいかがでしょうか。

リジョブは保育士を含むヘルスケア業界専門の求人サイトで、指定できる条件も豊富です。こまかく条件を決めて検索すれば、希望にかなう職場にきっと出会えるでしょう。

初任給と併せて手当なども前もってチェックしておこう!

保育士の初任給では、税金や保険料が差し引かれるため、実際に手元に残るお金は表向きの金額より低くなることを理解しておきましょう。

また、保育士の資格手当や、経験・キャリアに応じた役職手当など、基本給に手当がプラスされるケースもあります。

勤続年数や個人の努力に応じて報酬を受けられるチャンスもあるため、求人票の内容をよく確認しておくことが大切です。また、各種振込などにも関わるため、給料の支払い日や締め日についても事前に調べておくと安心でしょう。

また、自分のスキルを活かしつつ、給料アップを目指して新たな職場探しをする際には、ぜひリジョブを活用してください。給料以外の待遇やこだわりたい点なども、自由に設定して仕事を探せます。

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