ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2022-07-13

医療事務は二度とやりたくない|辞めたい人の理由と経験を活かせる職種について解説

医療事務の仕事は、ブランクがあっても復職が可能で、安定的に長く働けると言われています。しかし、いざ働いてみると、想像以上の負担を感じて早々に「辞めたい」と考える人も少なくないようです。

本記事では、医療事務を辞めたい人の理由と、医療事務の経験を活かし、自身に合った職場へ転職するために必要なステップをご紹介します。

医療事務を辞めたい理由として主に挙げられる3つの要因

医療事務の仕事を希望し、念願の職種に就いたものの、辞めたいと考える人が後を絶たない理由は何なのでしょうか。ここでは、医療事務で働く人が仕事を辞めたいと思う主な要因を3つご紹介します。

仕事が多忙な職場の場合

医療事務の仕事は、業務の幅が広く多忙であるといわれています。受付・会計業務に始まり、クラーク業務やレセプト業務など、業務の種類によって仕事内容は大幅に変わります。

そのぶん覚えなければならないことが多く、豊富な知識と臨機応変な対応力が求められます。また、患者さんの来院数が多い医療機関では、毎月のレセプト請求日は残業で対応せざるを得ないケースもあります。

このように、業務の負担が大きいことから、仕事を辞めたいと考える人もいるようです。

人間関係でストレスがある職場の場合

仕事内容にやりがいを感じていたとしても、人間関係の負担があまりに大きい場合、その職場で長く働くとストレスが過剰になってしまう場合も多いです。

医療事務だけに限らず仕事には複雑な人間関係を伴う場合もあるので、ストレスがかかりやすいこともあります。

また医療事務は日々訪れる患者さんとも接する仕事であるため、従業員同士の関係性が円滑だったとしても、対人面のストレスからは避けられないことも。

その他にも、時間制で働くパートさんと正社員による業務の負担の違いが、人間関係に軋轢を生むケースも存在します。

人間関係のストレス度合いは職場によりバラつきがあるものの、医療事務を辞めたいと考える人の多くが、人間関係を要因のひとつとして挙げているようです。

医療現場ならではの緊張感による重圧を感じる場合

医療事務の仕事は、当然のことながら医療現場と直結しています。患者さんの命に関わる薬の処方箋など、取り扱いにミスを許されない業務が多々あるため、そこにプレッシャーを感じる人も少なくないようです。

医師や看護師などの医療スタッフも、日々神経を張り詰めて仕事をしています。人の命を預かる仕事は、やりがいも大きいですが、緊張感や重責も同時にのしかかってきます。

このような環境下においても、冷静・沈着にミスなく業務をこなすことを求められるため、医療事務は、事務職の中でも負荷の大きい職場といえるでしょう。これらの負担に耐えきれず、仕事を辞めたいと考える人もいるようです。

医療事務の経験を活かせる他職種3選

様々なストレスや仕事の重圧により、医療事務の仕事を続けるのが困難になってしまった場合、
医療事務の経験を活かし、他の職種に転職するという選択肢もあります。自分にとって最適な道を選ぶためにも、選択肢の幅は広く持っておくといいでしょう。ここでは、医療事務の経験を活かせる他職種を3つご紹介します。

介護など近い業界の事務

医療事務として様々な事務作業に携わってきた経験は、他の事務職でも活かすことができます。その中でも、介護・福祉など、医療の業界に近い職場の事務職ならば、経験を活かせる場面が多いでしょう。

PCスキルはもちろんのこと、接客などの接遇スキルも医療事務の経験を通して身につけていることが多いため、一般事務の仕事ならば、さほど苦労することなく馴染めるでしょう。

また、他の事務職では医療事務ほど業務の幅が広くない場合も多く、医療事務よりも仕事の負担や求められる知識量が少ないです。

心身にかかる負担も軽減されるので、医療事務よりも楽な気持ちで仕事に向き合えるでしょう。

介護など近い業界の広報

医療事務として資料作成や患者さんへの対応を行った実績は、広報の仕事にも活かすことができます。事務職と同じく、医療の業界に近い介護・福祉の業界における広報であればこれまで培った知見も活かして仕事ができるでしょう。

広報の仕事は、いわば企業の顔といわれる窓口にあたる業務です。医療事務の仕事は、医療機関と患者さんをつなぐ窓口の仕事であるため、広報の仕事内容と重なる部分が多いです。

年代問わず転職が可能な職種で、間口は広く、未経験者を受け入れている企業も多々あります。コミュニケーション能力に自信のある人には、おすすめの職種といえるでしょう。

また、接遇スキルだけではなく、医療事務として資料作成や情報整理をしてきた経験も、広報の仕事には大いに活かせるはずです。

介護系、美容系などの受付職

病院の窓口として働いてきた医療事務の経験は、受付業務に活かすことができます。介護系・美容系の受付職であれば、医療事務との接点も多いため、業務に馴染みやすいです。

様々な患者さんへの対応を通して、複雑な事情を説明する能力も鍛えられているため、企業の顔となる受付業務に転職しても、スムーズに業務を開始できるでしょう。

社内の動きを把握し、周囲への気配りができる人には、おすすめの職種といえます。また、受付業務は求人も豊富で、転職先を探しやすいのもポイントです。受付業務から秘書業務へと昇進のチャンスもあるので、キャリアも築き上げやすいでしょう。

医療事務の経験を活かした転職における3つのポイント

さまざまな事情から医療事務を辞めた後も、それまでの経験を活かして転職することは可能です。ここでは、医療事務の経験を生かした転職における3つのポイントについてご紹介します。

医療事務ならではのキャリアを棚卸しする

転職活動をおこなうときに大事になるのはキャリアの棚卸しです。医療事務ならではのキャリアを棚卸しすることで、次の転職先の業界や業種の絞り込みにつながります。

現在の自分のスキルやこれまでの経験から、目指せる会社や職種、業種の幅を知ることが、転職への第一歩です。また、これらを振り返って確認することで、新たに転職の幅が広がる可能性もあります。

履歴書や職務経歴書など、面接の土台にもなる作業なので、一度ご自身の経験を振り返ってまとめてみましょう。

医療事務に携わったからこそできることを整理する

医療事務で求められているスキルセットの中でも、自分が強みにしていることは何かを明確にすることで、さらに転職先の業種を絞り込むことができます。

医療事務の仕事を通して高められるスキルとして、PCスキル、コミュニケーションスキル、臨機応変な対応力、スピード感を持って正確に業務をこなせる判断力などが挙げられます。

これらのスキルセットの中で、自身の得手、不得手を把握し、強みにできることを明確にしておきましょう。

「医療事務の経験」と一口に言っても、その中で苦手だったこと、得意だったことがあるはずです。せっかく転職するからには、得意分野を活かせる業種、職場に巡りあえなければ意味がありません。

長く働き続けるためにも、転職前の経験をまとめることと、そこから判断できる自身の長所や適正を正しく認識しておくといいでしょう。

医療事務に携わったからこそやりたいことを明確にする

「医療事務に携わったからこそ、やりたいと思うことは何か?」を明確にしておくと、転職における志望動機につながります。

医療事務の経験から学んだこと、仕事を通して感じた思いなどを振り返り、その中からやりたいことにつながる要素を探ってみましょう。

志望動機は、転職時に必ず企業が尋ねてくる大事な選考基準のひとつです。転職理由を曖昧にしないためにも、医療事務としての経験をしっかりと深掘りしておくといいでしょう。

医療事務の経験を活かして働ける職場を探そう

医療事務の仕事に対する印象は、人や就職先によりケースバイケースです。一生涯の仕事として、医療事務の仕事に従事する人も数多くいます。

しかし、さまざまな理由から転職を考えている人もいるので、そういった場合はそれまでの経験を活かして無理なく働ける職場を探すこともできます。

心身共に安心して働ける職場に巡りあえるよう、ご自身の経験・スキルセットを把握し、前向きに転職活動に取り組める土台を作れるといいでしょう。本記事を参考にしながら医療事務の経験を活かした職場探しをしてみてくださいね。

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事