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特集・コラム 2022-09-09

ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格って?資格の種類・受験条件・受験方法などをまとめて紹介

高齢化社会が問題視されている現代、介護に携わる仕事の需要は増加傾向にあります。なかでも訪問介護を専門とするホームヘルパーは、資格取得が必須なことからも介護のプロとして将来性の高い仕事といえるでしょう。

そこで、この記事では、ホームヘルパーに必要な資格について、受験条件や受験方法など詳しく解説していきます。

ホームヘルパー(訪問介護員)になるためには資格が必要

ホームヘルパーになるためには、資格の取得は不可欠です。2014年にホームヘルパーに必要な資格の名称が「ホームヘルパー2級」から「介護職員初任者研修」へと変わりました。

これは、ホームヘルパーから介護福祉士にキャリアアップする道筋が多様で不透明だったため。「認知症の理解」が追加されるなどカリキュラムの変更もありますが、資格の効力は同等のため、ホームヘルパー2級があれば、介護職員初任者研修の取得は不要です。

ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格①介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護の仕事には資格不要の求人もありますが、ホームヘルパーになるためには、身体介護が可能になる介護職員初任者研修の資格が必要です。介護職員初任者研修の受験条件と資格取得までの流れについて解説します。

介護職員初任者研修の資格取得までの流れ

介護職員初任者研修の受験条件は日本語を理解できること。資格取得までの流れは以下のとおりです。

(1)養成スクール探し
(2)研修130時間、講義40時間、実技実習90時間を修了
(3)筆記の修了試験へ合格

スクールによっては、平日や夜間などさまざまなコースを設けているため、無理なく受講可能なスクールを選びましょう。また、研修130時間のうち、40.5時間までは通信学習も可能。最短1ヵ月で取得できます。

介護職員初任者研修の受験内容

介護職員初任者研修130時間の内容は、職務の理解や介護の基本から、医療との連携やコミュニケーション技術まで多岐にわたります。

なかでも、生活支援技術に関する項目は、130時間のうち75時間と大部分を占めており、実務にも直結する内容です。また、ホームヘルパー2級にはなかった認知症に関する項目は12時間設けられています。

ホームヘルパー2級は廃止され介護職員初任者研修へ|制度変更の背景や新カリキュラムなどについて解説

ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格②介護職員実務者研修(旧ホームヘルパー1級)

介護職員実務者研修は、介護に関するより高度な知識や技術を身に付けられ、介護福祉士へのキャリアアップに必要な資格です。ここでは、介護職員実務者研修の受験条件と資格取得の流れについて解説します。

介護職員実務者研修の資格取得までの流れ

介護職員実務者研修は介護職員初任者研修の上位の資格にはなりますが、資格や経験問わず誰でも受験できます。資格取得までの流れは以下のとおりです。

(1)養成スクール探し
(2)研修450時間

研修は450時間ですが、介護職員初任者研修などの資格を保有していると免除される項目もあり、研修時間は短縮されます。また、研修修了後に修了試験が設けられていることも。養成スクールによって試験の有無は異なるため確認しておきましょう。

介護職員実務者研修の受験内容

450時間の研修の内容は、大きく分けて「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」の4つです。介護職員実務者研修は介護の基礎が主な内容になりますが、介護職員実務者研修はより実務的で専門性の高い知識が身に付きます。

また、喀痰吸引(かくたんきゅういん)や経管栄養などの医療ケアも学べるため、介護職員初任者研修よりも難易度は少し高い傾向にありますが、その分キャリアアップにも直結する資格といえるでしょう。

介護福祉士実務者研修とは? 取得するメリットや初任者研修との違いを解説

ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格③介護福祉士

介護福祉士は、安心して介護を任せられる証しともいえる国家資格です。ホームヘルパーとして働く場合、現場責任者の立場を任されることも。ここでは、介護福祉士の受験条件と資格取得までの流れを解説します。

介護福祉士の資格取得までの流れ

介護福祉士の資格取得の流れは以下のとおりです。

(1)介護職員初任者研修※省略可
(2)介護職員実務者研修
(3)介護福祉士試験への合格

介護福祉士の試験は、年に一度。全11科目あるマークシート式の筆記試験で、125点中75点以上かつすべての科目で得点があれば、合格です。合格率は約70%と難易度はそう高くはありません。該当者は少ない傾向にありますが、実務経験がないなど、場合によっては実技試験もあります。

介護福祉士の受験条件

介護福祉士の受験条件には、以下の3パターンがあります。

(1)従業期間3年以上の実務経験かつ介護職員実務者研修の資格保有
(2)指定の養成施設の卒業
(3)福祉系高校の卒業または特例高校卒業かつ9ヵ月以上の実務経験

介護福祉士の受験者のうちの多くは(1)のパターンです。実務経験が必要なため、実際に現場で働き経験を積みながら、介護職員実務者研修の養成スクールに通ったり、介護福祉士の勉強をしたりして、合格を目指しましょう。

介護福祉士の資格取得は意味がない? 取得のメリットと目指せる方法を解説

ホームヘルパー(訪問介護員)から将来見込めるキャリアパス

介護福祉士を取得した場合、ホームヘルパーで現場責任者として働くのみならず、介護のプロとして活躍の場はさらに広がるでしょう。ここでは、介護福祉士取得後のキャリアパスについて解説します。

現場介護におけるプロフェッショナルになる

介護福祉士取得後も、より介護のプロフェッショナルとなるための資格もあります。たとえば、認定介護福祉士は、これまでに習得した知識や技術を利用者や地域などで幅広く活用する介護サービスのマネジメント業務も可能です。

また、利用者のプライバシーや自立を尊重するユニットケアのある施設で、ユニットリーダーとして働けるユニットリーダー研修や、実際に喀痰吸引ができるようになる喀痰吸引等研修といった資格もあります。

利用者や家族の援助を実施する相談援助員になる

介護福祉士を取得すると、相談支援員としてのキャリアを歩むこともできます。相談支援員とは、利用者の生活援助や介護サービスをおこなうだけでなく、利用者の家族からの相談窓口となり、介護に関する役所での手続きなどが仕事です。

サポート内容は多岐にわたるため、豊富な知識と広い視野が求められます。その分利用者や家族との関係も深まるため、やりがいのある仕事といえます。自治体によっては実務経験が必要なこともあります。

ケアマネージャー(介護支援専門員)になる

介護福祉士取得後、ケアマネージャーを目指すこともできます。ケアマネージャーとは、支援が必要な方の介護サービスについて、今後の計画を練り、計画どおりに進むよう介護サービス事業者と調整する仕事です。

サービスの手配ができたら終わりというわけではなく、定期的に利用者の状況をモニタリングし、適宜調整や計画の変更もおこないます。ケアマネージャーの試験を受験するには5年の実務経験が必要です。

介護施設の管理者・施設長になる

介護福祉士取得後は、介護施設の管理者・施設長へのキャリアアップも可能です。介護施設の管理長・施設長は、介護の知識や技術はもちろんのこと、法令に遵守した施設の運営やスタッフの教育・管理、労務や経理など介護の枠を超えた知識が必要になります。

介護の種別によってはさらなる資格も取得しなければなりません。これまで紹介してきたさまざまな職種を経験することで、自分が目指したい理想の介護施設を実現できる管理長・施設長になれるでしょう。

ホームヘルパー(訪問介護員)の資格を取得し自分らしいキャリアに進もう

介護に携わる職種は多種多様です。「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」「介護福祉士」などのホームヘルパーの資格取得は、将来選択肢を広げる足掛かりとなるでしょう。

無資格でできる介護の仕事もありますが、努力さえできれば難しい資格ではないため、介護に関わる仕事を希望する方はぜひチャレンジしてみてください。資格の取得で自分らしいキャリアに進みましょう。

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