デイサービスの提供時間は種類で変わる! デイサービスの種類について解説
自宅などで暮らす高齢者の生活を支えるデイサービス。デイサービスでの入浴やリハビリ、交流を楽しみにしている利用者は少なくありません。介護保険では通所介護という名称で呼ばれるデイサービスはどのような要件を満たした人が利用できるのでしょうか。また、一般的なデイサービスの他にどのような種類があるのでしょうか。
今回は利用する時間の長さや時間帯による分類、利用定員や利用する要件、提供されるサービスの内容による分類について解説します。
デイサービス(通所介護)の時間帯は種類で変わる! 主な種類を紹介
日中の時間帯で施設に通って、支援を受けるデイサービス。ここでは、介護保険のデイサービスを受けるための条件と利用時間帯によるデイサービスの違いをご紹介します。
デイサービスの利用者さん|要介護認定を受けた65歳以上の高齢者など
デイサービスは、要介護認定調査の結果、要支援および要介護と判定された方が使うことのできるサービスです。介護保険の要介護認定は、65歳以上の高齢者または40歳以上で特定疾患がある方が対象となっています。
特定疾病は加齢との関連が深いものの、40~65歳でも発症することも少なくありません。長期にわたり、介助が必要になる若年性認知症や骨粗鬆症による骨折など16疾病が定められています。
半日型(短時間型)とは|3~5時間の利用
「朝から夕方までデイサービスに1日拘束されるのは疲れる」「短時間だけ通って希望のメニューを受けたい」などのニーズに合わせたのが、半日型(短時間型)デイサービスです。
通常のデイサービスが1日のうちの7時間前後を施設で過ごすのに比べ、半日型(短時間型)デイサービスでは3~5時間で希望するサービス内容を重点的に受けることができます。
リハビリ特化型|機能訓練や身体機能の改善がメイン
リハビリ特化型デイサービスは、身の回りのことは大体できるけれど、身体機能を維持したいという方に人気のデイサービスで、午前か午後の半日利用で食事の提供もありません。
マシントレーニングなどのリハビリ機器がそろっている施設、リハビリ専門職が常駐していて個別の利用者に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などがリハビリメニューを作成してくれる施設など、施設によって特徴があります。
リハビリ特化型デイサービスでは、午前午後で利用者が入れ替わるので、送迎にかかる割合が一般のデイサービスの倍です。迎え入れの際には体温や血圧、脈拍などの測定をおこなったり、水分補給をしてリハビリに誘導したりといった仕事が中心です。
日中型(一日型)とは|5~8時間程度の利用
日中型(一日型)のデイサービスは、5~8時間をデイサービスで過ごします。食事や入浴、排せつといった日常生活動作に関する介助を受けながら、レクリエーションやリハビリをして1日を有意義に過ごすためのサービスです。
日中型の仕事内容|入浴や食事の介助など
多くの日中型(一日型)デイサービスは送迎つきで、9~10時前ごろまでに施設に到着。体温や血圧、脈拍などの体調チェック後に午前中のうちに入浴を済ませ、水分補給やかんたんなレクリエーションがおこなわれます。
嚥下機能や好みに合わせた昼食の提供がされる場合が多く、午後は趣味活動や体操など。送迎と生活全般の介助、レクリエーションがおもな仕事となります。
デイサービスについてはこちら:デイサービスとは? 仕事内容を解説|デイサービスで働くには資格が必要なの?
宿泊型(お泊り)とは|介護保険サービスの提供時間を超える利用
宿泊型(お泊り)デイサービスは、日中のデイサービス利用者がそのまま夜間もその施設に宿泊できるサービスです。日中のデイサービスの延長として、一部の費用は介護保険サービスでまかなうことができますが、基本的にお泊りの部分は介護保険対象外のサービスとして扱われています。
ショートステイとはどこが違うの?|利用施設の違い
数日~数週間を施設で過ごすショートステイは、特別養護老人ホームや老人保健施設、ショートステイ専門の施設で提供されます。一方、宿泊型(お泊り)デイサービスは通常宿泊サービスのない、デイサービスの施設を使って提供されるものです。
宿泊型の仕事内容|夜勤対応
宿泊型(お泊り)デイサービスでは、夕食の提供や就寝介助、夜間巡回、起床介助、朝食の提供などのサービスを提供。夜勤の職員は1~2名で、1~9名の利用者の介助をおこないます。
利用定員や目的でも違いがある? デイサービスの種類を紹介
さまざまな状態の利用者がいるデイサービス。利用者の定員やスタッフの配置などによって、提供できる介護やケアの内容を特化したデイサービスもあるのが特徴です。ここでは、利用定員や目的から見たデイサービスの種類をご紹介します。
デイサービス|利用者19名以上
介護保険開始時からある入所施設などで提供されることの多い、1日の利用定員が19名以上の典型的なデイサービス。送迎つきで、体調チェック後、水分補給、入浴、昼食、趣味活動や体操、おやつと水分補給、自宅への送迎というパターンの日課です。
機能訓練指導員の配置の要件を満たすことで、リハビリ特化型のデイサービスとして、機能訓練や介護予防に特化したデイサービスとして認められます。
地域密着型デイサービス|利用者18名以下
2016年に新しくできたのが、地域密着型通所介護(地域密着型デイサービス)です。できるだけ住み慣れた地域でサービスを受けられるように、事業所のある区市町村の住民が利用することができます。
1日の利用者は18人未満と少なめなので、家庭的な雰囲気が特徴で、利用料金は19人以上のデイサービスに比べてやや高めに設定。地域密着型通所介護には、この利用者18人以下のデイサービスのほかに、認知症対応型通所介護と療養通所介護があります。
認知症対応型デイサービス|認知症の利用者さんに対応
認知症対応型デイサービス以外のデイサービスを利用している認知症の方は、大勢います。しかし、認知症の状態によってほかの利用者となじめなかったり、利用中に落ち着かなくなってしまったりということもあるでしょう。
認知症対応型デイサービスでは要介護1以上の認知症と診断を受けている人のみが対象となっているので、認知症ではないほかの利用者とのギャップがあまりありません。さらに、認知症対応型デイサービスは利用者定員12名以下の地域密着型サービスなので、住み慣れた地域で家庭的な雰囲気でサービス提供できます。
管理者が専門の研修を修了しており、スタッフも個々の利用者に合わせた手厚い介護を提供することが可能な体制です。利用者の家族との連携を密にし、認知症の人にとってわかりやすく安心できる環境を整えることができるので、認知症の利用者も落ち着くことができるでしょう。
療養通所介護|看護師の対応が必要な利用者さん
療養通所介護は要介護1以上で、つねに医療職による観察が必要な難病、脳血管疾患後遺症、がん末期の患者などを対象にしているデイサービスです。
利用定員9名以下の地域密着型通所介護のひとつであり、利用者1.5人に対して1人(うち1人は常勤の看護師)の配置が求められています。そのため、緩和医療ケア、注射や点滴、インスリン注射などをおこなうこともできるのです。
自分に合った職場を選ぶポイントとは?
デイサービスにはサービスが提供される時間の長さや時間帯が異なるものがあり、なかにはデイサービスといいながらも宿泊サービスがあるものも。また、サービス内容も大勢の利用者をワンフロアで介護するタイプ、少人数を家庭的な雰囲気で介護するタイプ、疾病に特化した人員配置が厚いタイプのデイサービスもあります。
夜勤はあるのか、何人くらいの利用者さんのお世話をするのかなどをしっかり調べて、希望の求人を見つけて応募しましょう。
デイサービスは事業所により働き方が違う! 自分に合った職場を選ぼう
デイサービスの利用時間には、午前午後のいずれかの時間帯に利用する半日型、午前中から夕方まで昼食をはさんで利用する日中型、日中型に介護保険外のサービスとして宿泊機能を備えた宿泊型があります。
通所介護の区分としては、利用者が19人以上の従来型のデイサービスと、18人以下の地域密着型通所介護に分かれているのが特徴です。さらに、地域密着型通所介護は利用者18名以下の地域密着型のデイサービス、利用人数が12名以下の認知症対応型デイサービス、利用人数が9人以下の療養通所介護です。
このように事業所によって勤務時間帯や仕事の内容が異なりますので、よく確認して自分に合った職場を選びましょう。
参考元:
みんなの介護 【科目】介護?在宅介護 【担当講師】高木 亨 【テーマ】利用時間によって異なるデイサービスの種類
福生会 デイサービス よくあるご質問
SEIWAEN 短時間型(半日型)デイサービス
緑陽会 サービスの種類
エリクシール リハビリ特化型デイサービス
介護求人ナビ リハビリ特化型デイサービスとは?仕事内容や施設の特徴を調査!