保育士試験の過去問は手に入れられる?|過去問を活用して合格を目指そう
保育士になるためには、保育士試験を受ける必要があります。確実な合格を目指すためには、過去問を手に入れて活用するのが効果的です。今回は、保育士試験の過去問に関する気になる情報を見ていきましょう。
保育士試験はどんな試験内容なの?
保育士試験は、保育士として働く資格を得るための国家試験のこと。この試験に合格しなければ、学校を卒業していたとしても、保育士と名乗れません。なお、保育士試験には筆記試験と実技試験の2種類があり、両者ともに合格する必要があります。
また、保育士試験は誰もが受験できるというわけではありません。保育士試験の受験資格をクリアしている人のみ、受けられます。
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試験日程は前記と後期の2回
保育士の試験は前期と後期の2回実施され、一度の試験で筆記、実技の両方がおこなわれます。
2022年度に開催予定の日程は以下のとおりです。
・前期
筆記試験:2022年4月23日(土)、24日(日)
実技試験:2022年7月3日(日)
・後期
筆記試験:2022年10月22日(土)、23日(日)
実技試験:2022年12月11日(日)
基本的には前期の筆記が4月、実技が7月ごろ、後期の筆記が10月、実技が12月ごろにおこなわれます。
試験内容は筆記と実技の2種類ある
先述したとおり、保育士の国家試験は筆記と実技の2種類がおこなわれます。筆記試験に受からなければ、実技試験を受けられません。
ここからは、具体的な試験内容についてご紹介します。なお、幼稚園教諭免許状所有者などにおいては、一部の試験が免除となることがあり、どちらかの日程だけ受ければよいという人もいます。
筆記試験|8教科9科目
この試験の試験科目は、児童福祉法施行規則第6条の10によって定められた以下の8科目となります。
・保育原理
・教育原理及び社会的養護
・子ども家庭福祉
・社会福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育実習理論
なお、試験の出題範囲は、「教育原理及び社会的養護」がそれぞれ1教科ずつとなるため、結果として9教科が試験範囲です。
実技試験|3分野のうち2つ選択
実技試験は3分野から2つを選び、実施します。
・音楽に関する技術
2021年度は、ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかを弾きながら、課題曲である『あひるの行列』と『揺籃のうた』を歌うという内容でした。
・造形に関する技術
2021年度は、表現に関する問題文と条件が試験当日に渡されます。そして、保育の状況をイメージした造形表現をおこないました。
・言語に関する技術
2021年度は、3歳児クラスのおよそ15人の子どもたちを相手に、子どもが飽きないように工夫しながら、3分間のお話をするという課題でした。
合格率20%前後の難関!
2020年度保育士試験の合格率は24.25%となっており、保育士試験が難関な試験であることがうかがえます。
保育士試験の合格基準は、9科目すべてを6割以上得点することです。この基準が合格率を低くしている理由のひとつと考えられます。
なお、保育士試験は、6割に達した科目については3年間有効となる制度があります。つまり、本年度落ちたとしても、6割に達した科目については、来年度受験する必要はありません。
保育士試験の過去問を手に入れることはできる?
難関な保育士試験に合格するためには、過去問を活用するのがベターな方法です。ここからは、保育士試験の過去問を手に入れる方法をご紹介します。
全国保育士養成協議会のWEBサイトで入手する
全国保育士養成協議会では、過去5年間分の試験の過去問と正答をWEBサイト上で公開しています。無料で問題が手に入るので、コストをかけずに学習に取り組めるという点が魅力です。
書籍を購入する
保育士試験の過去問が掲載された書籍を購入することでも、過去問を手に入れられます。上記WEBサイトで公開されているものを手に入れるよりも、コストがかかる点はデメリットです。ですが、書籍には問題と正答だけでなく解説も載っています。
そのため、自分がなぜ正答できなかったのか、解説を見ながら学習に活かせるでしょう。効果的な学習には、書籍の購入もおすすめです。
過去問を解くメリットは?
そもそも過去問を解くことで、どのような効果を得られるのでしょうか。ここからは、保育士試験の過去問を解くメリットを3つご紹介します。
1.自分の実力が把握できる
過去問を解くことで、今の自分の実力を把握できます。自分の得意不得意を早めに知れれば、試験勉強の対策にもなり、勉強の効率がよくなるでしょう。
保育士試験は1科目だけが得意で得点が高いからといって、合格することはできません。すべての科目をまんべんなく得点する必要があります。この試験の性質から考えても、自分の実力を知っておくことは、とても大切なことといえるでしょう。
2.出題形式や傾向がわかる
過去の問題を解くことで、国家試験がどのような出題傾向にあるのか、どのような問題が頻出するのかなど、問題の傾向を読み解けます。
問題の出題傾向を知れば、試験対策につなげることが可能です。たくさんの問題を解いて、試験の出題傾向を見きわめていきましょう。
3.実際の試験の練習ができる
本番と同じ問題を解くことで、実際の試験時にどの問題にどのくらいの時間を割くべきかなどを理解できます。問題の解き方や時間配分を知っておけば、試験時に焦ることなく本来のパフォーマンスを発揮することが可能です。
問題集としてではなく、本番の試験と同様の過去問を使えば、時間配分の練習などには効果的です。
保育士試験の過去問に過信は禁物!|うまく活用しよう
「過去問を解いていれば大丈夫!」と過信してはなりません。過去問を過信せずに、過去問とうまく付き合いながら試験対策をすすめていくことが必要です。
ここからは、過去問を過信してはならない理由3つをご紹介します。
法改正が多い|最新の情報を手に入れよう
保育業界は法改正が大々的におこなわれる年もあるため、過去問だと情報が古くなっている可能性があります。
2019年を例にとると、この年は幼児教育・保育の無償化がおこなわれたり、児童福祉法が一部改正されたりしました。保育士試験でも、この部分を問題にしています。
また、統計データはその年によって使われるデータが変わります。法律関係や統計データ関係は過去問ではなく、資料を活用しておさえておくとよいでしょう。
傾向が大きくかわることも
つねに同じ傾向で問題が出題されるのではなく、イレギュラーな問題が出されることもあります。過去問のみで対策していると、イレギュラーな問題が出題されたときにつまずいてしまうかもしれません。
あくまで本番の練習ツールと認識しよう
過去問の問題内容のみを過信しては、確実な合格にはつながりません。とはいえ、過去の国家試験に使われてきた問題は、出題形式や解答するためのコツをつかむためには非常に効果的なツールとなります。
本番どのくらいのペースで解けばいいのか、どんな問題が出題されるのか、あくまでもペース配分や出題傾向をつかむためのツールとして活用しましょう。
過去問を活用して保育士試験の合格を目指そう
保育士試験の過去問は無料で、手軽に、しかも5年間分も手に入れられます。これだけの量がカンタンに手に入るので、過去問だけ説いておけばコストもかけずに一気に合格へ近づくと思われるかもしれません。
ですが、試験ではイレギュラーな問題が出ることも多々あります。過去問だけ利用していればどうにかなるとは思わずに、過去問を活用しつつ幅広い資料や問題を活用して学習を進めていきましょう。
引用元サイト
全国保育士養成協議会 保育士試験を受ける方へ
全国保育士養成協議会 保育士試験とは
全国保育士養成協議会 保育士試験出題範囲
全国保育士養成協議会 令和3年実技試験概要
厚生労働省 保育士試験の実施状況(令和2年度)
全国保育士養成協議会 過去の試験問題