保育士を辞めたいと思ったら…対策方法と自分に合った転職先を見つけるポイントを紹介
保育士という仕事をしている人のなかには、辞めたいと思ったことがある人もいるでしょう。子どもと一緒に過ごす保育士の仕事は一見楽しそうに思えますが、実際は想像以上にハードな仕事だといわれているようです。
ここでは、辞めたいと思ってしまったときの解決方法、実際に辞めてしまったときによりよい転職につなげる方法、円満退職に向けた手順を具体的にご紹介します。
保育士を辞めたい…決断する前にできることは?
保育士は子どもの憧れの職業である一方で、職場の人間関係や給料、業務量、労働時間などの理由から辞めたいと感じている人が多い現状にあります。
保育士を辞めたいと感じている場合、どのような解決方法があるのでしょうか。実は、辞めるという決断をする前にできることがいくつかあります。ここでは、実際に辞めてしまう前にできることを確認しておきましょう。
1. 状況と気持ちを整理する|辞めるメリット・デメリットを書き出す
辞めるという決断をする前に、まずは辞めたいと思った状況と気持ちを整理してみましょう。辞めたいと感じている気持ちのままだと、どうしてもさまざまなことを嫌な方向、悪い方向に考えてしまい、冷静に考えられていない場合が多いです。
そのため、一度立ち止まって状況と気持ちを整理したうえで、辞めるメリット・デメリットについて書き出してみて、改善できないものなのかどうか考えてみましょう。
2. 改善できそうな問題に対応する|園長や上司に相談・提案など
さきほどご紹介した状況と気持ちを整理するところで掘り起こした原因のなかに、改善できそうなものである場合、園長や上司に相談、もしくは提案するなどして改善を図りましょう。園長であれば、園全体での解決方法を実行、支援ができるはずです。
たとえば、給料の交渉やキャリアアップを図って手当を支給してもらい、責任に応じた処遇を得られれば、辞めたいという気持ちが落ち着き、意欲を持って働ける可能性もあります。
待遇が理由ならキャリアアップを目指すのもおすすめ|キャリアアップ研修
もし、今の給料がネックなのであれば、キャリアアップを目指すのもおすすめです。厚生労働省が2017年にリーダー的職員の育成を目指し、保育士等キャリアアップ研修を制定しました。
この研修を受けることで副主任保育士、専門リーダーなどの役割を経験できます。園全体の仕組みを考えるといったマネジメント能力が必要となり、職場によっては各役割に手当が与えられるため、現在の処遇を改善につなげられるでしょう。
役割が変わることで業務量は増えますが、やりがいを持って仕事を続けられる可能性があります。
保育士等キャリアアップ研修とは? 受講するメリットと研修内容を紹介
3. 改善できそうにない場合|転職に向けて準備をする
辞める際のメリット・デメリットを整理するなかで、どうしても園長や上司に相談しても改善できそうにない問題が出てきてしまうこともあるでしょう。この場合は、転職に向けて準備をすることをおすすめします。
保育士の経験を活かした仕事、まったく違う業種など転職先は多いです。しかし、実際の転職活動をする前に、まずは現在勤務しているところを円満退職できるように準備することが重要となります。
年度途中の退職はできる? 就業規則をチェックしよう
転職するのであれば、なるべく波風を立たせず円満に退職したいものです。保育士に限らず、どんな職業でも、退職に適している時期は年度末だといわれています。1年の区切りでもあり、次の年の採用人数も決まっていることが多いので、自分が辞めることで勤務先に与える影響も少なくて済むでしょう。
保育士であれば、現在のクラスの子どもたちと最後まで一緒に過ごせるほか、子どもだけではなく保護者とも区切りよくお別れできるので、次のクラス編成にも影響がありません。もし年度途中の退職を希望する場合は、まずは就業規則を確認してみてください。この際に、どれくらい前に退職を申請すればいいのかを一緒に確認し、いきなり辞めるということがないようにしましょう。
自分に合った転職先を見つけるポイントを紹介!
改善できそうにない問題があった場合は、転職するのもひとつの方法です。つづいては、自分に合った転職先を見つけるポイントをいくつかご紹介します。
URL(K-476の記事が完成次第、リンク貼る)
1. 転職活動は早めにはじめよう
転職活動は、早めにはじめることが需要です。退職してからではなく、勤務している間に探すのがおすすめ。退職してから転職先を探しはじめると、お金の問題や生活の問題などの理由から焦ってしまい、十分に吟味せずに選んでしまう可能性があります。
働きながら転職先を探すのは負担が大きくなりますが、自分に合った転職先を見つけるために必要なことです。
2. 優先順位を決定しよう|職場環境・給与・勤務時間など
自分のなかで優先順位を決定することも、大切なポイントです。具体的に紹介すると、職場の環境、給与、勤務時間など、現在の職場を辞めたいと感じている理由と関連させ、転職活動においてなにを重要視して探すのかを決めておくと、転職先を探す際に考えがブレにくくなります。
ここが明確にならないことで、自分がどこを大切にしたいのか、どのような条件は外せないのかなどが曖昧となってしまい、よりよい転職につなげるのがむずかしくなってしまうでしょう。
3. 気に入った職場を見つけたら|施設見学をしてみよう
転職先の情報を集めていくなかで、気に入った職場を見つけたら、施設見学をしてみましょう。ホームページ上や求人情報に記載されている情報だけでは、その施設の中身をじゅうぶんに理解することがむずかしいです。
施設見学をすることで、施設の雰囲気やスタッフの雰囲気、実際の職場環境などホームページ上ではわからないところも見えてきます。可能であれば、施設見学を申し出てみましょう。
保育士の資格を活かせる職場は保育園以外にも!
転職先の候補として挙がるのは、保育園ばかりではありません。保育士の資格を活かせる職場としては、放課後デイサービスや児童福祉施設などもあります。
保育園の業務内容とは異なりますが、保育士の経験を活かせるほか、新しい分野でのやりがいを見つけられるかもしれません。
転職先が決まったら|円満退職のためにできること
転職先が決まったら、現在の職場に退社する意向を伝え、退職に向けて準備していかなければなりません。
退職するとはいえ、これまでお世話になった職場であるので、可能であれば円満退職したいものですよね。つづいては、円満退職できるようにするための手順を確認しておきましょう。
1. 退職の報告をして退職届を出す
退職をすると決めたら、報告はまず直属の上司におこないましょう。その後、園長にも伝えます。ここで退職が正式に受理されたら退職届を提出し、ほかの職員にも報告するようにしましょう。
退職する理由には、待遇や給料のことなどさまざまな理由があるかもしれません。しかし、ここで本当の理由を話すことで悪い印象を与えてしまう可能性があります。そのため、退職理由を伝える際は、もっとスキルを磨きたいなど前向きな理由を伝えるのがおすすめです。
2. 業務の引き継ぎをおこなう|子どもたちや保護者の情報など
報告のあとは、後任の職員がスムーズに業務を引き継げるように、必要な情報などの引継ぎをおこないます。子どもたちや保護者の情報、保育の内容、備品などについての情報も伝えなければなりません。
年度途中の退職であれば、大きな行事、現在取り組んでいる課題など、より詳細な情報を伝える必要があります。可能であれば資料としてまとめておくと、よりスムーズに引き継ぎができるはずです。
3. 支給されたものを返却する
園から支給された保険証やロッカーの鍵、社員証といった備品などがあれば、忘れずに返却しましょう。万が一、備品の破損、紛失などに気づいたら、はやめに報告することが大切です。
退職後に気づいてしまった場合、退職した園にもう一度行かなければなりません。その際、行きにくい雰囲気を感じることもあるため、退職前に整理整頓をおこない、返却することが大切です。
4. 退職に関する書類を受け取る
退職する際には、さまざまな手続きが必要です。同時に、再就職の際に必要な情報として、雇用保険被保険者証、離職票、源泉徴収書、健康保険資格喪失証明書などを受け取る必要があります。
書類のことでわからないことがある場合は、事前に園の事務などで確認しておきましょう。
5. 退職日当日|あいさつ回り・整理整頓など
退職日当日は通常どおり業務をおこない、終業したら退職の挨拶をして、自分のデスクの整理整頓をしましょう。このとき、個包装のお菓子があると、挨拶しやすくなるのでおすすめです。
退職の前日までには、全職員ひとりひとりに挨拶をおこない、感謝の意を伝えましょう。また、最終日に持ち帰る荷物を減らすためにも、少しずつ整理整頓していくことが大切です。
転職準備は早めに! 自分に合った転職先を見つけよう
保育園を辞めたいと思ったときは、そのまますぐに退職してしまうのではなく、一度立ち止まって問題点やメリット・デメリットを整理してみることが大切です。そこで、問題点などが改善できそうになければ転職することもひとつの方法となります。
よりよい転職をするためには、退職前から次の転職先を探し、時間をかけてじっくり検討していくことが大切です。転職先が決まったら、円満な退職に向けて行動し、新たなスタートを切りましょう。