療養型病院で働く看護師の仕事内容について紹介!メリット・デメリット、求人を選ぶポイントも解説
看護師の資格を取得して、これから療養型病院へ就職を検討している、あるいは転職を考えている方へ向けて、療養型病院で働く看護師の仕事内容、メリットやデメリットをご紹介します。
求人を探している方の中には、求人のどこを見たらいいか分からず困惑している方がいるかもしれません。求人を選ぶ際のポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてださい。
療養型病院について
療養型病院とは、主なベッドが療養病床である病院の通称のことをいい、病状が慢性期で長期的な療養が必要な方が利用する病院です。療養型病院の特徴についてご紹介します。
病床は5つに分類されている
病床は、医療法第7条第2項第1号から第5号によって5つに分類されています。各病床にはそれぞれ定義されていますので、参考にしてください。
精神・感染症・結核病床は、特定の病気の方が入院します。それ以外の病気の方は、一般病床もしくは療養病床に入院します。
療養病床は長期療養を目的とした病床
繰り返し説明になりますが、療養病床は長期療養を目的とした病床です。そのため、急な病状が現われやすい急性期の患者や緊急の対応は行いません。療養病床に入院される方は、治療ステージが慢性期の方です。入院期間に制限はありません。
慢性期とは、病状が比較的に安定しており、病気の進行が穏やかであるものの治癒が困難で長期的な治療を必要とする患者のことをいいます。慢性期の患者は、医療療養だけではありません。病院によっては、介護医療院を設けています。
療養病床では、医師・看護師・介護補助師などの人員配置基準が決まっています。さらに、病室は長期療養にあった設計や設備を備えています。
一般病床と療養病床の違い
一般病床では、主に急な病状の発現や短い期間の治療が必要な患者を診るのに対して、療養病床は、病状が安定している患者を長期的に援助します。一般病床と療養病床では、人員配置が異なります。以下の表をご覧ください。
一般病床は、短期間の治療や緊急な対応を行うため、療養病床に比べて必要な人員の配置割合が高いです。
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療養型病院で働く看護師の仕事内容
療養型病院の特徴や、その他の病床との違いについて理解ができたかと思います。次に、療養型病院で働く看護師に焦点を当て、仕事内容についてご紹介します。他の病院で働く看護師とは業務内容が少し異なるため、違いを含めて知っておきましょう。
業務範囲が広く多くの患者さまを支える
療養型病院で働く看護師は、長期的な患者の日常的なケアを中心に業務を遂行します。慢性期疾患には、認知症や閉寒性動脈硬化などの病状の方がいます。患者の中には、寝たきり状態の方も少なくありません。そういった患者を、看護補助師と協力しながら援助します。主な業務は以下の通りです。
・バイタルサイン(呼吸・体温・血圧・脈拍)の測定
・入浴、排泄介助
・食事の準備と食事介助
・内服薬の投与
・点滴、注射等の処置
ここで紹介する業務内容は一例に過ぎません。医療行為よりも、日常生活の援助が多いです。
療養型病院で働く看護師の給料
仕事をする上で、給料は気になるポイントかもしれません。厚生労働省が公表した令和3年賃金構造基本統計調査の概況では、医療・福祉の平均年収は約292万円でした。全体の平均年収は約307万円であることから、給料は少し低いことがわかります。
しかし、医療・福祉のデータは看護師だけではなく、他の業種も含まれているため一概に少ないとは言えません。働く病院などで給料が異なるため、求人をよく確認するようにしましょう。
療養型病院に勤めるメリットとデメリット
療養型病院で働く看護師は、入院期間が長い患者と関わり、日常生活の援助を行います。基本的には毎日同じ業務を行うことが多いです。同じ業務を繰り返すことでクオリティが維持できるようになり、ミスが起こりにくくなるため、魅力的に感じる方がいるかもしれません。その他にも療養型病院で働くメリット、デメリットがあるので、ご紹介していきます。
メリット1.残業が少ない
療養型病院の仕事は、他の病院に比べてルーティーンワークが多いです。サポートする対象は、長期で入院している患者であるため、救急車や外来の緊急対応をすることがありません。
仕事はシフト制で交代するため、基本的に残業は少ないです。仕事と、子育てや家事などの生活をきっちり分けたい方には、おすすめかもしれません。
メリット2.長期的に患者と関わることができる
療養型病院では、長期で入院している患者が多いため、長い期間をかけて一人ひとりのケアをします。そのため、状態の変化に気づきやすいこともひとつの利点です。
患者の回復していく姿を見られることは、療養型病院で働く上でやりがいになるかもしれません。コミュニケーションを取ることが好きという方や、ひとりで生活を維持していくことが困難な方をサポートしたい方にはおすすめでしょう。
メリット3.医療行為が比較的少ない
療養型病床は、一般病床に比べて患者の病状が安定しているため、医療行為が少ないです。しかし、バイタルサインや医師とのやりとりがあることから、全く必要がないというわけではありません。
緊急看護師など、幅広い知識と医療行為が必要な仕事よりも、医療行為が少ない仕事に就きたい方にはおすすめでしょう。
デメリット1.生活リズムを合わせにくい
基本的に看護師は2交替制の日勤と夜勤に分かれて勤務します。病院によっては3交替制を採用しています。
勤務時間が固定されている公務員やサラリーマンに比べて、シフト制は勤務時間がバラバラで生活リズムが合わせにくいです。生活リズムを合わせたい方には不向きかもしれません。
デメリット2.力仕事が多く体力が必要
業務では、車いすへ乗せる・トイレ・入浴など患者の身体を支えることが多いです。腕や肩、腰に負担がかかる上に体力を消耗します。いままでデスクワークなどが多く、力仕事に慣れていない方は苦労するかもしれません。
しかし、日々仕事をしていると、ある程度の負荷に耐えられるようになるでしょう。
デメリット3.高度な医療知識が身に付きにくい
介助が主な業務である療養型病院では、高度な医療知識が身に付きにくいです。より高度な医療知識を得たい方にとってはデメリットになるでしょう。
より高度な専門知識を身に付けたい方は、専門看護師になることをおすすめします。
療養型病院の求人を選ぶ際のポイント
療養型病院での就職を検討している方へ向け、求人を選ぶ際のポイントをご紹介します。病院によって待遇や勤務形態、残業時間が異なるため詳細を確認するようにしましょう。特に勤務形態は大切なポイントです。2交替制か3交替制、どちらを選ぶかで生活のリズムが変わります。
また、待遇や教育体制が納得できるものか、病院の方針に共感できるかでモチベーションは違うでしょう。自分の生活スタイルと働き方に合わせた求人を選びましょう。
療養型病院で働くことがおすすめな人
今回の記事では、療養型病院で働く看護師の仕事内容やメリット、デメリットを主に紹介しました。一般病床に比べルーティンワークが多く残業が多くありません。療養型病院で働くことは、残業を少なくしたい・繰り返し業務が苦にならない・長期的に患者と関わりたいといった方がおすすめでしょう。
力仕事に懸念がある場合でも、徐々に慣れることで問題ありません。後は求人で詳細をチェックして自分に合う求人に応募してみましょう。