生活相談員になるための学校(大学、専門学校、短大、通信講座)とは
生活相談員として勤務するためには、都道府県ごとに定められている資格要件を満たしている必要があります。一般的に求められる資格としては、精神保健福祉士や社会福祉主事任用資格、社会福祉士が設定されていることが多いようです。では、生活相談員として仕事をするためには、どのようにしてその要件を満たせばよいのでしょうか。
生活相談員になるための大学、専門学校、短期大学
ひとつの方法として、まずは生活相談員になるための学校(大学、専門学校、短大、通信講座)に通うというものがあります。といっても、生活相談員は資格ではないので、生活相談員として仕事をするために定められている資格要件を満たすために大学や短期大学、専門学校に通うということになります。大学や短期大学では専門的な知識をしっかりと習得し、資格取得を目指します。一方で、専門学校は座学ばかりではなく、より実践的な経験を積むことができます。
例えば、介護をされる側の気持ちを知る介護体験の実習が設定されているところも。車イスに乗るとどのような不自由さがあるか、など普段体験できない介護される側の心を理解するいい機会となります。大学、短期大学、専門学校など、どの教育機関でも何の資格が取得できるか公表されていますので、しっかりとチェックしてみてください。
最後に、専門学校によっては「通信科」を設置しているところもあります。基本的にはeラーニングや、テキストによる独学をメインとして学習を進め、スクーリングも併用します。民間企業が提供する通信講座には、国家試験の受験資格を得るための養成講座というものはありません。開講しているのは、国家試験対策のための講座です。間違えないように気をつけましょう。
生活相談員になるために、一般的に求められる資格
生活相談員として仕事をするためには「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者」と規定されています。これに該当するのが「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」となっています。生活相談員として仕事をするためには、これらの資格いずれかがを求められることが一般的です。それでは、この3つの資格を取得するための方法を、具体的にみていきましょう。
社会福祉士
国家資格ですので、社会福祉士になるためには「社会福祉士国家試験」に合格する必要があります。国家試験の受験資格を得るためには、大きく分けると「大学等で指定科目を履修する」 「短期大学等で指定科目を履修し、かつ実務を1年から2年間経験する」「養成施設を経る」「指定施設で実務を5年以上経験する」という、4つの方法があります。このいずれかの道を経て、初めて受験資格を得ることができます。
精神保健福祉士
国家資格ですので、精神保健福祉士になるためには「精神保健福祉士国家試験」に合格する必要があります。国家試験受験資格を得るには 「大学等で指定科目を履修する」「短大等で指定科目を履修して実務を1年から2年経験する」「養成施設を経る」という3つのルートが一般的です。
社会福祉主事任用資格
社会福祉法で定められた「任用資格」です。資格取得には「大学等で厚生労働大臣が指定する社会福祉主事任用資格選択必修科目のうち3科目を履修する方法」 「厚生労働大臣の指定する養成機関、または講習会の課程を修了する方法」「厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格する方法」の3つがあります。
生活相談員の仕事には、資格は必須ありません。自治体によっては、ケアマネジャーや介護福祉士資格があれば仕事ができるところもあります。また、資格を持っていなくても、特別養護老人ホームでのケアプラン作成実務経験や、老人福祉施設での施設長経験などの条件をクリアしていれば、生活相談員として仕事をすることも可能です。
資格は、仕事をするうえでの分かりやすい判断基準となります。しかし、生活相談員の仕事の難しさは、役割や定義が明確ではないというところにあります。だからこそ、生活相談員になるための資格要件には幅広い経験と知識が求められます。また、都道府県によって違いはありますが、資格だけではなくそのキャリアや経験で、生活相談員として認められるケースもあるのです。