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介護・看護・リハビリ 2020-05-18

認知症患者のためのグループホームについて

家族が認知症と診断された際に考えたいのが、2008年に設立された認知症専門の施設である「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」の入所。グループホームの基本的な情報や、入所を検討する際に参考となるメリットやデメリットをまとめました。グループホームでの生活や気になる費用についてもチェックしてみましょう。

グループホームってどんなところ?

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、主に軽度の認知症になった高齢者が適切な介助を受けて、5~9人のユニット単位で共同生活をする施設です。専門のスタッフとともに、入浴、食事、排せつなどのサポートをされながら、症状の進行を緩やかにすること目指します。グループホームは、社会福祉法人や自治体などが運営します。

グループホームに入所するとどのような生活が待っているのでしょうか。
入所した場合の1日の流れは、各グループホームによって違ってきますが、午前中か昼食後に入浴をする所が多いです。「個人でできることは、介助に頼らないで自分で行うこと」がグループホームの生活では求められます。また、食事の準備・後片付け、掃除などは、入居者とともに行います。しかし、あくまでも入居者の意思が尊重されるため、自分ができることでお互いに協力し合います。

グループホームへの入所を申し込む場合は、各施設で行います。入所申込書や面談の後、住民票などの必要書類を提出し、スタッフが入所の可否を判断します。

グループホームに入るメリット・デメリットとは?

グループホームに入るメリットはどんな点にあるのでしょうか。
それは、認知症のために日常生活に問題が起きている人でも、アットホームな環境で、精神的にも安定した生活を過ごせることです。少人数で家族的な介護を行うため、そのようなメリットがあります。また、認知症に精通した専門のスタッフが常駐することもご家族の方にとっては、安心する材料となります。認知症の方は、さまざまな問題行動を起こします。そんな時に、家族だけでは対処しきれないことも多いのです。

施設では、専門のスタッフのきめ細やかなサービスがありますから、これはメリットです。また、少人数ですから、入居者に対して目が届きやすく、緊急時にも素早く対応ができます。また、落ち着いた雰囲気の中で生活ができるので、掃除や料理といったことを行うことで、脳の活性化にもつながり、良いリハビリとなります。ここまで、グループホームに入るメリットを見てきました。

では、デメリットはどんなこところにあるのでしょう。
それは、身体状態が悪化して、入居者が身の周りのことを自分でできなくなったりすると、退去しなくてはならない場合もあるということです。認知症以外に、治療をしなければならない病気になった場合などの医療的なケアが必要になった時も該当します。また、入居を希望する人に対して、施設の数が少ないので、入所までに時間がかかってしまうようなケースが多くなります。

グループホームについてもっと詳しく知りたい!

グループホームに入るためには、多くの場合で、初期費用と月額利用料がかかります。施設の場所や、設備などによって、具体的な金額は変わってきます。初期費用は、0~数百万円、月額利用料は15~30万円くらいが相場となり、サービスの内容によって金額の差があります。一般的に都市部の方が高めになっています。

グループホームに入所するためには、「65歳以上の要支援2または要介護1以上の認知症患者」「その地域に住民票があること」が基本的な条件となります。「認知症と診断された医師の診断書の提出」もしなければなりません。そのほかには、「自分の身の回りのことができる」「共同生活を行うことができる」といった施設によって条件を設定している場合もありますので、必要に応じて入所を考える施設に問い合わせます。

グループホームでは、浴室やトイレといった共同で使用する設備のほかに、機能訓練室などが設けられています。介助浴槽など機械式入浴設備はありません。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の基本的な情報や、入所するための条件についてまとめていきました。認知症になった高齢者を支えていくこのしくみを上手に利用しましょう。費用は安くはないかもしれませんが、グループホームを利用することで、一人でも多くの認知症の方やそのご家族が、穏やかな暮らしを過ごせるようになるといいですね。

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