介護支援専門員の就職先は?働き方の違いや3つのやりがいをご紹介
介護支援専門員はケアマネジャーとも呼ばれ、要介護者や要支援者の相談に乗り、心身の問題を解決するような介護サービスのケアプランの立案と関係機関と連絡調整する仕事です。
介護支援専門員は、公的資格の取得を義務付けられた専門職なので、多くの職場でニーズがあり、介護・福祉・医療・公的機関など、幅広い職場で活躍しています。
本記事では、介護支援専門員が活躍できる主な就職先・働き方・就職先別の介護支援専門員の平均給与額・介護支援専門員として働くやりがい・メリットについて紹介します。
介護支援専門員の就職先や具体的な働き方について知りたい方は要チェックです。
介護支援専門員が活躍できる主な就職先
介護支援専門員が活躍できる主な就職先には、介護福祉施設・老人介護施設・医療施設・公共機関など、さまざまな職場で介護支援専門員としてのニーズがあります。
主な就職先の概要や働き方について確認して、就職・転職先選びに活かしましょう。
1.居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所は、要介護度1以上の在宅高齢者を対象として、適切な介護サービスが受けられるように居宅ケアプランの作成と関係者・関係機関との連絡調整をおこないます。
居宅介護支援事業所で働く介護支援専門員は、ケアサービスを提供するスタッフではなく、利用者自身が適切なケアを受けられるようにプランを管理・実行します。
居宅介護支援事業所は、在宅介護と高齢者ケアに興味がある方におすすめの就職先です。
2.介護老人保健施設
介護老人保健施設は、要介護度1以上で入院治療が必要のない高齢者が入所する介護福祉施設です。利用者にリハビリや介護を提供して、最終的には在宅復帰を目指します。施設で働く介護支援専門員は、日常介護・リハビリ・レクリーション・食事管理などをおこないます。また、入所型なので、夜間も稼働している介護老人保健施設が多いです。
特徴としては、在宅復帰というゴールに向けて、ケアプランを作成・実行・調整をおこなう部分があげられます。
利用者と二人三脚で、在宅復帰に向けて中長期的にサポートしたい方におすすめです。
3.特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は、要介護度3以上の高齢者が入所して、入浴・排せつ・食事などの基本的な日常の動作訓練や機能訓練をおこないます。
特別養護老人ホームのうち、入所者が29名以下で利用者が自立的な生活を送れる介護施設は地域密着型介護老人福祉施設と呼ばれ、自立に向けたケアプランを提供しています。
高齢者に対する基本的な日常動作訓練や機能訓練に興味がある方におすすめです。
4.グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、認知症を患っている要介護度2以上の高齢者が入居して、ほかの利用者との集団生活の中で入浴・排せつ・食事などの日常生活上の世話と機能訓練をおこない、各人の能力に応じて日常生活を営めるようサポートします。
認知症を患っている高齢者をサポートするため、認知症ケアに興味がある方向きです。
引用元
厚生労働省:認知症対応型共同生活介護 (認知症グループホーム)
5.介護医療院
介護医療院は、要介護度1以上の高齢者で長期の療養が必要な高齢者に対して、施設サービス計画に沿って機能訓練・生活訓練・医療サービスを提供する施設です。要介護者の生活施設としての機能と、日常的な医療サービスの提供の両立が可能となっています。
看取りやターミナルケアが備わっている施設が基本で、医療的な側面が強いのが特徴です。
医師や看護師などの医療スタッフと協力しながら、利用者のサポートをします。
6.地域包括支援センター
地域包括支援センターは、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種のスタッフを配置し、各職種が連携しながら地域の高齢者の保健・福祉・医療の増進を狙う施設です。
地域のネットワークを通じた高齢者の実態把握・高齢者虐待への対応・中長期的なケアマネジメントを提供することで、各地域における高齢者福祉を向上します。
主任介護支援専門員として就職する際に、選択肢にあがる可能性があるでしょう。
主任介護支援専門員の仕事内容に関しては、以下の記事を参考にしてください。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)はこんな仕事!受講要件や取得するメリット、活躍できる場所を解説
引用元
厚生労働省:地域包括支援センターの業務内容について
厚生労働省:地域包括支援センターの業務
介護支援専門員の種類と働き方の違い
介護支援専門員には、主に居宅支援専門員と施設支援専門員の2つのタイプがあります。両者は勤務先が異なるだけでなく、業務内容も大きく変わります。
それぞれの働き方の違いをチェックして、介護支援専門員の業務内容を把握しましょう。
居宅介護支援事業所での介護支援専門員の働き方
居宅支援専門員は、居宅介護支援事業所で働く介護支援専門員をさします。一人あたりの担当人数は35名程度が上限です。以下のような業務を実行します。
・介護希望者との面会
・居宅サービスのケアプランの作成
・サービス担当者会議
・モニタリング
・要介護の認定処理を代行
・介護報酬の請求
要介護者の自宅を訪問して利用者とその家族と相談しながら、どのような介護が求められているのかを調査分析してケアプランを作成し、利用者の居宅介護に適切なケアサービスを提供します。その後は、ケアプランの内容をモニターしながら改善していく流れです。
居宅介護支援事業所では、要介護の認定処理を介護支援専門員が代行するパターンが多いです。また、介護保険を請求するための介護報酬の請求業務も業務内容に含まれます。
施設・入居系の介護福祉士施設での介護支援専門員の働き方
施設支援専門員は、介護福祉施設で働く介護支援専門員です。35名程度しか対応できない居宅支援専門員に対して、施設で働く施設支援専門員は、多いと100名ほど対応します。
加えて、介護支援以外にもいくつかの業務を兼務することが多いです。
施設サービスでは、ケアプランを作成・モニタリングするのが主な仕事です。介護・看護スタッフと協力しながら、施設内におけるケアプランの良し悪しを判断します。
対応人数以外にも、関わる現場スタッフの数が居宅支援専門員よりも多いのが特徴です。
就職先別の介護支援専門員の平均給与額
介護支援専門員の全体の平均給与と就職先別の平均給与は以下のとおりです。
施設 | 平均給与 |
---|---|
全体 | 37万6,240円 |
介護老人福祉施設 | 41万2,720円 |
介護老人保健施設 | 39万3,390円 |
介護医療院 | 35万9,820円 |
訪問介護事業所 | 36万2,550円 |
通所介護事業所 | 32万830円 |
通所リハビリテーション事業所 | 35万4,880円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 36万6,410円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 36万6,480円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 35万9,550円 |
上記は月給・常勤の方を対象にした調査ですが、とくに介護老人福祉施設や介護老人保健施設の平均給与が高くなっており、施設支援専門員の方が給料が高いことがわかります。
介護支援専門員として働く3つのやりがい
介護支援専門員として働くやりがいには、利用者やその家族から感謝の言葉をもらい、信頼関係を築けること、現場スタッフの間のチームワークを高められることが挙げられます。
介護支援専門員として働くやりがいや達成感を感じるポイントをチェックしましょう。
1.感謝されることでやりがいが感じられる
介護支援専門員は利用者とその家族に親身になって相談に乗りながら、障害の度合いや環境に応じた適切なケアプランを提供する仕事です。利用者の基本的な動作訓練や機能訓練をこなしていく中で、在宅復帰を達成したり、利用者に安心感を与えたりできます。
利用者やその家族から感謝の言葉や態度を示されると、やりがいを感じるでしょう。
日々の業務の中で感謝の言葉を直接もらえるのは、介護支援専門員ならではの魅力です。
2.利用者やその家族との信頼関係が築ける
介護支援専門員として利用者やその家族の相談に乗り、中長期的に施設や在宅介護に携わっていく中で、信頼関係が築けることも介護支援専門員のやりがいだといえます。
最初の頃はなかなか心を開いてくれなかった利用者でも、毎日顔を合わせていく中で信頼関係が生まれ、介護支援専門員として頼りにされた瞬間にやりがいを感じるでしょう。
中長期的に関係を構築して、お互いに信頼できる環境でケアプランを実行できます。
3.チームワークを高めることで高クオリティの介護を提供できる
介護支援専門員の主な業務は、ケアプランの作成と関係者・関係機関との連絡調整をおこなうことです。現場スタッフや外部の方とのコミュニケーションを図ってチームワークを高めることで、ケアサービスのクオリティとスピードを向上できます。
現場スタッフとの信頼関係が生まれることによって仕事しやすい雰囲気が生み出され、よりよい介護サービスにつながるという好循環をもたらすことができることも、やりがいのひとつといえるでしょう。
介護支援専門員として働くメリット
介護支援専門員として働くメリットには、以下のポイントが挙げられます。
・ほかの介護職と比較しても給料が高い
・日勤の仕事が多いのでワークライフバランスが良好
・キャリアアップにつながりやすい
令和4年度の調査によれば、月給・常勤の者の介護支援専門員の平均月給は37万6,240円で、全体平均の31万8,230円よりも大幅に高い水準にありました。介護福祉士・社会福祉士・介護職員実務者研修の保有者と比較しても、給与水準が高いという結果でした。
また、利用者・家族との面談・現場スタッフとの打ち合わせ・介護報酬の計算といった業務は、主に昼間に時間におこなわれることが多いです。そのため、できる限り夜勤はしたくない、残業はしたくないと考えている方にとってはメリットが大きいといえます。
そして、介護支援専門員はキャリアアップに活かせる専門資格です。より待遇のいい職場に転職すれば、給与アップや福利厚生の充実も期待できるかもしれません。
自分にとって理想的な介護支援専門員の就職先を見つけよう!
介護支援専門員の就職先には、介護・福祉・医療・公的機関など幅広い選択肢があります。自分がやりたい業務内容・給与・働きやすさを実現する就職先を探すのがおすすめです。
介護支援専門員の給与水準は、ほかの介護職と比較しても高い水準にあります。中でも介護老人福祉施設で施設支援専門員として働く方の平均給与は非常に高いです。
また、利用者やその家族から感謝の言葉をもらえて、相手との信頼関係を築ける介護支援専門員は、困難を乗り越えてやり遂げたときに大きなやりがいを感じられる仕事です。
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