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介護・看護・リハビリ 2019-12-30

ケアマネジャーになるには何が必要?受験資格や取得後の研修について知ろう

ケアマネジャーは、正式名称を介護支援専門員といいます。仕事の内容としては、ケアプランを作成したり、介護サービスが適切に実行されているかを確認したりといったことがあります。ケアマネジャーは、介護保険制度の中核を担う役割を果たしているのです。

ここでは、ケアマネジャーになるにはどうすればよいのかについて、ご説明します。

ケアマネジャーになる方法の概要について

まず、概要からご説明します。ケアマネジャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」という試験(以下、「ケアマネジャー試験」と表記します)に合格する必要があります。試験の名称からもお分かりになると思いますが、試験に合格すればケアマネジャーになれるというわけではありません。

試験に合格した後に、「介護支援専門員実務研修」という研修(以下、実務研修と表記します)を受ける必要があります。実務研修は都道府県単位で行われ、32時間以上の研修を受講して修了することが必要です。

実務研修を終了すると、「介護支援専門員資格登録簿」へ登録できます。この登録を済ませると、「介護支援専門員証」が交付され、晴れてケアマネジャーとして仕事ができるようになります。

注意すべきなのは、ケアマネジャーの試験は誰にでも受験できるものではなく、受験資格が詳細に定められているということです。

ケアマネジャー試験の受験資格が得られる国家資格について

ケアマネジャー試験の受験資格には、2つの要素があります。

1つは、一定の国家資格を有していること、または相談援助業務に従事していること、もう一つは、実務経験です。
上記の国家資格には、介護福祉士、社会福祉士といった福祉系の資格のほか、看護師、准看護師、理学療法士といった医療系の資格も含まれています。

また、受験者数は多くありませんが、受験資格が得られる資格には、これら以外にも、医師、歯科医師、作業療法士、栄養士(管理栄養士を含む)、保健師、精神保健福祉士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、歯科衛生士、薬剤師、柔道整復師、言語聴覚士、助産師、視能訓練士、義肢装具士の資格を有する人が、ケアマネジャー試験を受験できます。

相談援助業務に従事している者というのは、老人ホームなどで、生活相談員として働いている人などが、これに当たります。

このように、様々な資格の有資格者がケアマネジャー試験を受験できますが、これらの資格に基づいた仕事をしてさえいれば、実務経験を満たすというわけではありません。

ケアマネジャー試験を受験できる実務経験とは

ケアマネジャー試験の受講資格を満たすための実務経験として認められるためには、要援護者に対する直接的な対人業務であることが必要です。

教育業務や研究業務に従事していたような場合は、実務経験に含まれません。受験資格を満たすためには、実務経験の期間が、5年以上、かつ業務に従事した日数が900日以上である必要があります。

ケアマネジャー試験の合格率は、15~20%程度です。簡単な試験ではありませんが、介護サービスが多様化する中、適切なケアプランを作成することができるケアマネジャーの需要は今後も高まっていくことが予想されます。
受験をしている人には介護福祉士の有資格者が多く、ケアマネジャーは、介護職に就かれている方が、ステップアップするために有効な資格です。

ケアマネジャーの研修とは?

ケアマネジャーの研修とは「介護支援専門員実務研修」で、通称「実務研修」と呼ばれているもののことを指します。この研修は「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格をしてから受ける、ケアマネジャー試験合格後、初めての研修となります。

ケアマネジャーの試験に合格した場合、合格通知と一緒にこの実務研修の案内が郵送で届きますので、試験終了後の1年以内に、44時間以上の実務研修を終了させる必要があります。研修は都道府県ごとによって行われ、受験日程もそれぞれ異なりますが、1月頃が比較的多いようです。研修は前期と講義、演習、そして実習、後期の講義、演習という流れで進み、グループワークでの学習もたくさん組み込まれています。

そのため、多くの人と知り合うことができるというメリットもあります。この研修を終了することができたら終了証明が発行され、ケアマネジャーとして名簿に載るほか、登録番号をもらうことができ、ようやくケアマネジャーとして活躍することができます。

ケアマネジャーの研修の内容とは?

実務研修ではケアマネジャーとして働くうえで必要となる知識を学びます。そのため、ケアマネジャーの仕事の主な業務として挙げられる要介護認定調査、ケアプランの作成、給付管理の3つが主な学習内容となります。

また、実務研修では講義や演習によって得た知識や技術を活かし、各自がケアプランの作成に取り組むという実習が行われます。これは実際の要介護高齢者を対象に調査するものなので、本人に調査目的を説明し、あらかじめ同意を得ておく必要があります。実際の仕事内容に直結する内容となりますので、とても役立つ実習になるでしょう。

そしてこの介護サーボス計画の作成はグループワークにおいて活用され、これらをもとに意見交換が行われます。
職域や日頃の仕事内容が異なる人との意見交換はとても有意義なものとなるでしょう。そして演習では、保健や福祉、そして医療の各専門家によるアドバイスも受けることができますよ。

研修でケアマネジャーとしてのスキルアップを目指そう!

ケアマネジャーの資格を得たあとも様々な研修が行われます。まずケアマネジャーとしての経験が1年未満の人を対象に、33時間の「実務従事者基礎研修」通称「基礎研修」が行われ、この研修の受講が終了すれば次は「専門研修伊Ⅰ」を受講する流れとなります。

ケアマネジャーの資格を持ち続けるためには5年ごとの更新研修も受講しなくてはなりません。これは、ケアマネジャーとしての実務経験の有無によって時間が大きくことなります。

実務経験6か月以上3年未満の人は33時間の研修を受講することになります。そして、ケアマネジャーとしての経験が6か月を超えた時点で「専門研修過程Ⅰ」を受講します。実務経験が3年以上の人は20時間の研修となります。これは、中堅のケアマネジャーを対象にした研修となります。その他、ケアマネジャーとしての経験が5年以上の人などを対象した64時間の「主任介護支援専門員研修」もあります。

ケアマネジャーとしてスキルアップするうえでこうした研修は欠かすことができません。時間だけを聞くととても長いように感じて気が滅入ってしまいそうになりますが、実際に研修を受けると役立つ内容ばかりでとても充実したものとなることでしょう。ケアマネジャーの資格に限ったことではありませんが、資格取得がゴールではないことを忘れないでくださいね。

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