ダイエット経験から食の大切さを痛感!【介護リレーインタビューvol.55/管理栄養士 鈴木美紀さん】#1
介護業界に携わる皆さまのインタビューを通じて、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。
お話を伺ったのは…
介護老人福祉施設 ラペ二子玉川
管理栄養士 鈴木美紀さん
千里金蘭大学 栄養学科で管理栄養士の資格を取得。卒業後は病院や福祉施設に食事を届ける給食会社に3年間勤務。その後、特別養護老人ホームに6年間勤務。夫の転勤に伴って6年前、ラペ二子玉川に入職する。
前編では鈴木さんが管理栄養士を目指したきっかけや、給食会社から特別養護老人ホームに転職した理由についてお話を伺います。
ダイエットの成功体験から食の大切さを学びたくて管理栄養士に

高校生の時に10㎏、大学に入ってからさらに10㎏のダイエットに成功。この経験が栄養学を学ぶきっかけになったとか。
――鈴木さんが栄養士になったのはどんなきっかけがあったんですか?
子どもの頃からぽっちゃりしていて、高校生の時は、今より20㎏も体重があったんですよ。さすがに「これはマズい!」と思ってダイエットをしたら、10㎏も痩せることができました。そのとき「食は大切」と言うことに気づいて、もっと勉強したくなったんです。
――どんなダイエットをなさったんですか?
おやつを食べないことと、運動です。その頃は食に対して何の知識もありませんでしたから、全くの自己流でした。
――自己流で10㎏も痩せるなんてすごいですね。大学では?
大学でもダイエットを続けて、4年間かけてさらに10㎏落としました。ゆっくり時間をかけたせいもあって、リバウンドはしていません。
――大学生になってからのダイエット法は?
まず、ご飯茶碗を小ぶりなサイズにしました。当時は野菜の摂取量が少なかったんですね。それで家族に協力してもらって、野菜の量を増やしたおかげだと思います。
――子どものころからぽっちゃり体型…とのことでしたが、太りやすいんですか?
そうだと思います。実はうちは家族全員がぽっちゃり体型なんです(笑)。今も油断をすると太ってしまうと思います。
――今も気を遣っていらっしゃるんですか?
勤務中は意識していなくても一万歩は歩いているんです。これが良い運動になっていると思います。お休みの時はウォーキングや散歩をして1万歩は歩くようにしています。
チームで仕事をしたいから、介護施設での仕事を選択

介護施設での仕事は相手の顔が見えて、チームで仕事ができるのがいいとのこと。
――大学を卒業して、最初は給食会社にお勤めしました。次に特別養護老人ホームに転職したのはどうしてですか?
給食会社には、病院や福祉施設から〇〇さんは塩分を控える食事、△△さんはとろみのある飲み込みやすい食事といったリストが送られてきます。私たちには、リクエストに応じた食事を用意するだけで、召し上がる方の顔は分かりません。召し上がっている様子を知ることもできません。食べ物だけに向き合っている状態ですね。
――確かに。リストに応じて食事を作って送るだけだと、食べる人のことは分からないですね。
そんな状態が続いて、今度は人に向き合った食事を作りたいと思ったんです。
――人に向き合う職場だと、病院や学校などいろいろありますね。なぜ介護施設を選んだんですか?
チームで働きたかったんです。例えば病院だと患者さんの栄養指導を任されます。患者さんと栄養士の1対1ですよね。そうではなくて一人の方に対して、看護師さんや介護士さんそして栄養士のチームでいろいろな方向から考えてサポートするような仕事をしたいと思ったんです。
――介護施設の栄養士さんは、チームで働いていらっしゃるんですね。給食会社と介護施設とでは、他にどんなことが違いますか?
給食会社では、病院や福祉施設から送られてくるリクエストに応じてメニューを組み立てる仕事をしていました。今は利用者さんが召し上がっている様子から、食べやすさなどを観察しています。
――食事の間も観察をしていらっしゃるんですね。
観察も大事な仕事です。食が進んでいない方がいらっしゃれば、何か原因があるのかもしれないので、そのあたりも担当の介護士に利用者さんの様子を聞きます。
――ということは、利用者さんの普段の生活から食事の量やペースも把握していらっしゃる?
ショートステイで滞在なさっている方は難しいですが、そのほかのご利用者さんでしたら、ちゃんと把握しています。それが仕事ですから(笑)。利用者さんの顔と名前はもちろん、食の面で気をつけるべきことなどはしっかり把握しています。
――特別養護老人ホームから、こちらのラペ二子玉川に転職なさったのはどうしてですか?
夫が転勤になってしまったからです。私は大阪出身なので、大学も職場もずっと大阪だったのですが、夫の転勤に合わせて私も特別養護老人ホームを辞めて転職しました。
ご自身のダイエットをきっかけに栄養学を学び、管理栄養士になった鈴木さん。後編ではラペ二子玉川に転職してから困ったこと、チームワークだからこそ利用者さんの希望が叶えられた話、栄養士として心がけていることについて伺います。
撮影/森 浩司