オープニングスタッフのメリット&デメリット
福祉・介護業界において「以前の職場を辞めた理由」の第一位が「職場の人間関係」であり、全体の4分の1以上を占めています。そういった問題を解消する働き方のひとつが「オープニングスタッフ」です。しかし、オープニングスタッフはいいことばかりというわけではありません。ここでは、介護業界におけるオープニングスタッフのメリット&デメリットをまとめてみました。
オープニングスタッフとは
介護業界におけるオープニングスタッフとは、新しく開設した施設や事業所の立ち上げメンバーのことです。同じ会社の他の施設から異動して来た正社員などもいるかもしれませんが、一緒に働くほとんどの従業員が初対面になるでしょう。
オープニングスタッフのメリット
人間関係の悩みがない
施設新規フロアオープンした場合、スタッフ全員が初対面のため派閥が存在しませんし、お局様もいないので安心です。人間関係をゼロから築いていくので、働きやすい環境を作れるかどうかはあなたを含めた職員次第です。
仕事の負担が少ない
新規オープンしてすぐは入居者が少なく、不測の事態やすぐに辞めてしまうスタッフのことも考慮して、多めにスタッフを採用しているケースが多いので、一人当たりの仕事の負担が少なくて済みます。そのため、この期間にゆっくり仕事内容を覚えることができます。
綺麗な施設で働ける
新規フロア開所した場合、多くは新設の介護施設で働くため、建物は新しく最新の設備であることがほとんどです。施設特有の気になるニオイはありません。綺麗な職場環境では気持ちよく働けますし、最新の設備の場合には介護士の職業病である腰痛などのリスクも軽減されます。
職場のルールを作る達成感
施設が新しいわけですから、働く上でのいろんなことをスタッフで決めていかなければなりません。大まかにはマニュアル等で既に規定が決まっていますが、『何曜日に何をする』『何時に何をする』など細かい業務内容や業務スケジュールまでは決まっていないことがほとんどです。古いしきたりや暗黙のルールもない状態から職場のルールを仲間の介護士やケアマネージャー、生活相談員や看護師たちと一緒に作り上げる達成感はオープニングスタッフならではの感覚です。
オープニングスタッフのデメリット
介護以外の仕事も必要①
オープン直後は利用者(高齢者)が少ない状態です。もしかするとほとんどいないかもしれません。そのため、スタッフは利用者を集めるためにチラシ作りやチラシ配りなどの営業活動も並行して行う必要があります。利用者がいないとスタッフに給料を払えませんからね。
介護以外の仕事も必要②
オープニングスタッフはいろんなことを想定して、スタッフを多めに採用することが一般的なのですが、中にはスタッフが十分に集まっていない状態でオープンを迎えてしまう施設もあります。その場合は現状のスタッフだけで回す必要があるため、残業や休日出勤日数が多くなったり、採用活動の応援であったりという介護とは別の仕事が増えてきます。また、経験者は未経験スタッフの育成も大切な仕事です。教育や研修で手がいっぱいになってしまうかもしれません。
介護以外の仕事も必要③
オープニングスタッフはオープン前に集まって、オープン後についてのミーティングをすることがあります。また、開所までに必要な準備(マニュアル作成、掲示物作成、見学者の応対など)をしなくてはいけません。
オープニングスタッフの場合は直接介護に関係する業務以外のことを行う必要があります。「私は介護の仕事だけをしたい!」という人には向いていないかもしれません。
オープニングスタッフに求められる人材
オープニングスタッフの場合、介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)の資格しかない場合や、介護職の経験が少ない場合、もっと言うと無資格の場合でも高確率で採用されるでしょう。それは、前述したように新規施設は多くの人材が必要だからです。
しかし、20人募集して20人すべてが無資格というわけにはいきません。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、ショートステイ、デイサービス、訪問看護ステーションなど施設によっては生活相談員やサービス提供責任者が必要ですので、それらも募集職種に含まれます。ですので、介護福祉士や社会福祉士、ケアマネジャーなどの資格を持っていると優遇はされます。
しかし、オープニングスタッフは男性女性、資格や経験の有無、雇用形態(常勤・アルバイト・パート・派遣社員)に関わらず希望すれば誰でも採用されるというわけではありません。 なぜなら、オープニングスタッフは人気が高く、予想以上にたくさんお応募があるからです。つまり、その中で採用されるポイントを見つけないといけないわけです。結論から言ってしまうと、オープニングスタッフで求められる人材は「柔軟性のある人」です。
新規オープンした施設は、マニュアルに書けないほどの細かい部分が決まっておらず(実際に業務が始まらないとわからないことが多いため)、トラブルや不測の事態が起きることが多々あります。そこで必要になってくるのが、「イレギュラーや不測の事態に対応できる柔軟さ」なのです。面接では、「柔軟さ」や「仲間と協力して成し遂げる力」などをアピールすると採用に繋がりやすいでしょう。
オープニングスタッフの仕事を探すには
オープニングスタッフ募集の求人は高い人気とは反対に、案件数が少ないのが難点です。施設の新規オープン予定の時にしか募集がないわけですから、当然と言えば当然です。介護業界に多くの知人がいる場合には、オープニングスタッフの募集があったら紹介してくれるように頼んでおくのもひとつの手段ではありますが、なかなかそうは行きません。
オススメするのは求人サイトで「オープニングスタッフ」で検索するという方法です。少ないながらもそれで検索することは可能です。サイトによってはオープニングスタッフの求人を見つける作業を少しでも省くために「オープン予定施設一覧」というページを作っているところもあります。
しかし、オープニングスタッフ募集の掲載期間は3~4週間と短く、応募のチャンスは限られています。そこで、求人サイトの「条件に合う求人がメールで届く機能」を利用します。 『住所』『オープニングスタッフ』という条件の他、希望する『待遇』を設定しておけばオープニングスタッフの募集案件に出会う機会は広がり、複数の求人サイトに登録しておくことで更にチャンスは広がります。
まとめ
オープニングスタッフとして働く際のメリットとデメリットはわかりましたか? 人間関係を気にする必要がないオープニングスタッフの仕事は人気の働き方ですが、他に比べて募集案件数は格段に少なく、条件に合う求人をすぐに見つけられるとは限りませんオープニングスタッフの求人にはなかなか出会えないこともありますが、出会える時は簡単に出会えます。こればかりは運とタイミングです。複数の介護求人サイトに登録して、出会えるチャンスを広げましょう。