東京都のデイサービスなど、介護福祉士の求人状況
人口も多く、高齢化が進んでいる東京都ではデイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設や、介護福祉士、ホームヘルパー2級などの介護資格有資格者の需要が高まり、介護業界は常に人手不足だと言われています。ここでは東京都における高齢者を取り巻く状況や介護福祉士などの介護従事者数の推移、東京都の有効求人倍率などをご紹介します。
東京都の高齢者を取り巻く状況
日本の首都である東京都は約1320万人(※1)が暮らす日本一の大都市です。東京都の県庁所在地は東京都新宿区西新宿二丁目と定められています。東京都はJRや私鉄、地下鉄など交通網も世界一と言われるほど発達しており、どの駅も乗降数がかなり多いです。そのような都市においてデイサービスの数が多いのはオフィス街などの都心部よりも、住宅地の多い場所になります。
東京都で暮らす総人口のうち、65歳以上の高齢者人口は約284万人(※1)、75歳以上の後期高齢者人口は約135万人(※1)に上ります。東京都の高齢化率は21.5%(※2)と全国平均の25.2%(※2)よりも低い数値ではありますが、高齢化人口は今後も増加が続き、平成37年には約332万人(※2)、平成47年には377万人(※2)にまで増えると予想されています。
高齢者人口が増え、介護保険制度も浸透してきたことで、要介護・要支援認定者の数も大きく増えており、平成25年には約51万人(※1)もの人が要介護認定されました。要介護認定者の増加に伴って、介護サービスの利用者も増えていますが、居宅介護サービスやデイサービスなどの利用者は施設介護サービスに比べて特に上昇傾向にあります。
※1 東京都福祉保健局 「東京の高齢者の介護保険」データ集より
※2 東京都福祉保健局 「東京都高齢者保健福祉計画(平成27年度~平成29年度)概要より
東京都の介護従事者数
東京都の平成23年度の介護従事者数は71,846人(※1)となっています。これは全国で7番目に高い数値です。平成18年度からの介護従事者数の増加率は31.2%(※1)で、全国平均の23.5%(※1)よりもかなり高くなっています。
介護従事者数は増えていますが、いまだに人手不足のため、介護の仕事は資格がなくても雇ってもらえるのが現状です。実際、介護職員のうち介護福祉士の資格保持者の割合は5割ほどだと言われています。利用者の満足度を高め、質の高い介護を行うためには、介護福祉士などの資格保持者が多くなる必要があります。
介護福祉士は国家資格なので、すぐに取得できるものではありません。自力で取得するには、実務経験が3年以上必要ですし、介護職員実務者研修が義務付けられていることに加え、筆記試験と実技試験に合格しなくてはなりません。デイサービスの介護の現場でも介護福祉士の資格はお給料面などでも優遇されるので、介護福祉士の人気は高まり、資格取得人数は年々増加傾向にあります。
※1:労働政策研究報告書 No.168 より
東京都の介護分野の有効求人倍率
介護分野の有効求人倍率は、地域による高齢化の状況の違いなどで、地域ごとに大きな差があります。介護分野に限らない全体的な有効求人倍率は全国平均で0.95倍(※1)、介護分野の有効求人倍率は全国平均2.19倍(※1)となっており、いかに介護分野の需要が高いかが伺えます。
東京都に限ってみてみると、全体的な有効求人倍率は約1.4倍(※1)、介護分野の有効求人倍率は約4.15倍(※1)と、全国平均よりも2倍近い介護分野の有効求人倍率でした。
介護サービスの中でも利用頻度の高いのがデイサービスです。東京でもデイサービスの数は毎年増加しています。増加滞在型の介護施設などとは違い、日中決まった時間だけ預かるデイサービスは、夜勤などもないため、他の介護現場よりも働きやすい職場です。
ただし、その分お給料は安くなりますので、介護福祉士の資格などを取得して、資格手当や管理職手当などをもらうといいでしょう。売り手市場の介護業界ですが、介護福祉士の資格は介護現場において優遇されますので、就職にも大変有利です。
※1 第1回社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門員会 「介護人材の確保について」より
東京都の高齢者増加に伴う介護従事者数の増加や、有効求人倍率などをご紹介しましたが、今後も高齢化は進む一方だと考えられるため、介護業界はますます発展していくことと思います。デイサービスを始めとする介護施設では常に介護福祉士などの資格保持者を求めています。国家資格である介護福祉士はさらに注目を集める資格となっていくでしょう。