介護事務の仕事内容とは? どんなところで活躍するの?|介護事務を目指す人におすすめの資格を紹介
高齢化社会となった日本では、介護サービスを提供する施設や事業所の需要が高まっています。それにともない介護事業所の受付や介護報酬の請求業務などをおこなう、介護事務の需要が伸びているのです。介護事務は学歴、年齢にかかわらず誰もが働ける仕事でもあります。介護事務に就くためには資格取得が必須ではありませんが、専門知識を要する職のため、資格の取得をするのがおすすめです。今回は介護事務の仕事内容、そしてどんなところで活躍するのかをご紹介します。
介護事務の仕事内容とは? どんなところで活躍するの?
介護の仕事というと、実際に利用者様と直接触れあう仕事ですが、それ以外に介護事務という仕事があります。介護事務の仕事の内容は一般事務とは異なり、専門の知識を必要とする職業です。資格がなければ就けない職業というわけではありませんが、資格を有しているほうが就活には有利となります。そんな介護事務職がどのような仕事なのか、どんな職場で活躍できるのかを確認しておきましょう。
介護報酬請求業務
介護事務の仕事内容のひとつとしてあげられるのが「介護報酬請求業務」で、介護報酬のレセプトを作成する業務です。レセプトとは利用者様が受けた介護について、医療機関が利用者様や健康保険組合などに医療報酬の請求するための明細書づくりのことをいいます。
サービスを提供した事業所は報酬の原則9割(一部8割)を国民健康保険団体に請求、残り1割(一部2割)を利用者に請求することになるのです。支払いを受けるためには、介護サービスは厚生労働大臣が定めた細かい基準にもとづき、細かく点数が決められており、利用者様がどのようなサービスを受けたか(何点分利用したか)を証明する必要があります。
事業所内の管理業務
もうひとつの大きな役割が「管理業務」です。これは事業所の財務状況を把握したうえで、運営に関する費用を統括してまとめる仕事のひとつ。施設に必要な備品の購入・施設の修繕費・補正予算などの作成をはじめ、事業所によっては職員の労働管理を統括する場合もあるのです。労働条件通知書の作成・協定・契約書の書面作成・事業所と出入り業者の窓口など、業務は多岐にわたります。
施設スタッフとして受付業務や電話対応
忘れてならない大切な業務として、来客対応・電話対応などの窓口業務があります。具体的にいうと、施設利用者様への面会客・利用者様に付き添いで来られた方などの対応・施設にかかってくる電話対応などです。たとえば施設利用を希望する方から電話での問い合わせがあった場合、可能な限り、適切な対応をすることが求められます。そのほか事務的雑務にくわえ、場合によっては介護業務のフォローに回る可能性もあるのです。
活躍の場は幅広い|訪問介護・デイサービスなど
活躍できる職場は介護サービスを提供する施設や事業所であり、具体的には有料老人ホーム・訪問介護ステーション・介護老人保健施設・在宅介護サービス事業・特別養護老人ホーム・デイケアサービスなどです。人員不足な施設や事業所では、事務職員に特化した求人ではなく、ケアマネージャーやヘルパーなど現場と兼任することを求められる場合もあります。
介護事務の平均年収はどれくらいなの? 求人情報をチェック
介護事務の給料を求人情報サイトでチェックすると、大まかに20万円前後から高いところで30万円前後です。事務職に特化した場合の平均年収は、約250万円といわれています。その代わり、介護福祉士との兼任であれば約250~400万円、ヘルパーとの兼任であれば約300万円、ケアマネージャーとの兼任で約400万円です。現場との兼任の場合のほうが、やはり年収はアップします。また、アルバイトで介護事務職に就く場合は、時給850~950円が相場です。
介護事務を目指す人におすすめの資格・試験と取得に役立つ講座を紹介!
介護事務に就くために、特別な資格や試験はありません。しかし、就活に役立つ資格はあるので、介護事務職を目指す方に資格取得に役立つ講座情報をご紹介します。
技能認定振興協会|介護事務管理士
こちらは技能認定振興協会(JSMA)が認定する民間資格です。介護サービスを提供する施設や事業所で、受付や会計、レセプト業務などを担当するスタッフの技術・知識を証明します。2000年に日本初の介護事務者の資格試験としてスタートし、現在では福祉業界において高い信頼度をえた民間資格となりました。基本的には奇数月第4土曜日に全国で試験が開催され(一部3・7・11月のみまたは3・9月のみ)、インターネットで試験の申し込みができます。
出典元:介護事務管理士
ソラスト|介護事務講座
こちらの通信講座では、介護関連分野で働きたい方や介護報酬の知識を身につけたい方を対象に、「介護事務講座」を設けています。つねに最新の介護保険制度に則したテキストを使用する通信教育です。標準学習期間は4カ月で、その間に3回の学習レポート提出が義務づけられています。認定試験を受験し、合格すれば資格取得が可能です。
出典元:ソラスト
ユーキャン|介護事務講座
TVコマーシャルでお馴染みの通信講座・ユーキャンでも、「介護事務講座」を設けています。こちらの公式サイトでは、介護事務職講座があなたに向いているか相性判断でチェックすることが可能です。80%以上なら適正とみなされます。最速で4カ月、ポイントをしぼってわかりやすく記したメインテキスト2冊で、スムーズに勉強することが可能です。
出典元:ユーキャン
日本医療教育財団|ケアクラーク
こちらは介護事務業務の従事者に必要な社会福祉制度・介護報酬請求事務などの専門知識と技能レベルを評価し、認定する民間資格です。毎年5月・9月・1月(年3回)の在宅試験(日本国内のみ)で、学科(介護事務知識/筆記)と実技(介護報酬請求事務・介護給付費用明細作成)をおこないます。該当該試験の2カ月~3週間前までに申し込み、当該試験日の10日前までに受験票が発送。宅配便にて試験当日の午前中に試験問題が届き、試験翌日までに、同封の返信用封筒で試験問題・答案用紙を封入し、返送する仕組みです。約1カ月後に、合否の連絡が郵送されます。
出典元:ケアクラーク
ニチイ|介護事務講座
こちらは医療関連事業・ヘルスケア事業の人材を教育する企業で、介護事務職に就きたい方のために「介護事務講座」を設けています。通学コースと通信コースがあり、なかでも通信コースは受講期間4カ月、自宅で添削講師のサポートを受けながらマイペースに学べる学科です。ひとりで勉強すると、どうしてもわからないことが生じますが、疑問や不安はすべて学習アドバイザーと質問回答システムが解消してくれます。自宅学習・修了試験を経て、資格試験を受験する仕組みです。
出典元:ニチイ
全国医療福祉教育協会|介護事務士
こちらでは「介護保険請求事務講座(ヒューマンアカデミー通信講座)を設けています。介護事務ではコンピュータ導入率が100%です。つまりレセプト作成を学ぶうえで、パソコン学習が必須となります。介護保険請求事務講座では専門のCD-ROMを使って、実践的プログラムを学ぶのです。添削課題(全5回)を一定レベルでクリアすると「介護事務士」の認定を取得できます。
出典元:全国医療福祉教育協会
たのまな|介護保険請求事務講座
この「介護保険請求事務講座」は標準学習期間4カ月、添削課題全5回を経て、介護業界で必要なスキルを基礎からマスターできる通信講座です。全国の介護施設・事業所で使われているコンピュータソフト「快悟朗Ⅱ」の使い方をマスターできるので、即戦力が身につくでしょう。添削課題5回を一定レベルでクリアすると、協会認定の「介護事務士」を取得できます。
出典元:たのまな
日本医療事務協会|介護報酬請求事務技能検定試験
こちらは日本医療事務協会が認定する介護事務講座を修了した方が受験できる試験です。試験日は偶数月の第3日曜日で、学科・実技試験を受けます。この試験は教材・資料の持ち込み・閲覧が可能です(計算機を除く電子機器の使用は不可)。試験会場は開催月によって異なり、郵送にて試験の合否が送られます。
日本医療事務協会|介護事務講座
こちらは「通学コース」と「通信コース」の2種類の講座があります。通学コースは現場で活かせる専門スキル(介護保険の概要・施設居宅のレセプト作成など)を3日間でマスターすることが可能です。授業では講義と実習を繰り返し、基礎から応用までを学習します。講座修了後に試験を受験。合格率84.1%(2017年)と業界最高水準の合格率を誇ります。通信コースは最短1カ月で介護事務のすべてを学ぶことが可能です。在宅受験ができ、こちらも合格率80%と高い実績を誇っています。
出典元:日本医療事務協会 介護事務講座
介護事務は介護福祉施設やサービスに欠かせないお仕事!
少子高齢会社会となった日本は、これからますます介護サービスの需要が高まっていくでしょう。介護事務の仕事は、介護事業所の受付や介護報酬の請求業務など、介護業務に欠かせない重要な役割を担います。資格がなければできない仕事ではありませんが、専門知識を有するため、資格を持っていると就活で有利です。せっかく介護事務職を目指すなら、役立つ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。